podcast : woodstream 199 iPad & Surface

iPad と Surface RT の比較表については同感。容量についての注意事項も正当だった。「iPad と Surface は別のカテゴリー」というのにも賛同だ。だからこそ、Microsoft のマーケティングが失敗だったと認めるべきだ。「iPad にない Office がついてる」とか「iPad にないキーボード」「iPad にないスタンド」といっても意味がなかったのだ。Surface はユーザーにとってポストネットブックでしかない。ネットブックとして考えれば良くできたハードだろう。木沢さんが推している「何かを作るためにはSurfaceのほうがいい」というのはこの視点だろう。

 Microsoft としては、Surface が Windows PC の需要を侵食するようなマーケティングはできなかった。廉価なノートPCを死に追いやるような製品を自ら売ることは Windows PC 組み立てメーカに対する敵対行為として取られかねないからだ。そのために、中途半端なマーケティングメッセージしか出せなかった(このことは、発売前から指摘されていた)。これが敗因だろう。木沢さんや木沢さん周辺の Microsoft な方々の「もうちょっとうまい売り方したら Surface がこんなことにならなかっただろうに」という感想はもっともだが、Surface がヒットして Windows PC の売上が大幅に減るのも困るだろう。

 今回のiPad乗り換えキャンペーンというのも、木沢さんは前向きに理解しようとされていたが、空回りだ。明らかに不良在庫でしかないのだから。在庫処分をすることはどこのメーカーがやっても在庫処分でしかない(Apple も昔はそれを繰り返していた。)それを、「これは、営業の方々が必死に考えた策(であって、自分の敬愛するMicrosoftの社員の人たちとは関係ない)」というのは贔屓の引き倒しだろう。Microsoft が公式に出しているメッセージなのだから。

 ただし、iPad 乗り換えキャンペーンについては、自分も悪くはないと思う。木沢さんが言っていたように iPad と Surface は別カテゴリと考えるからだ。Office ファイルを扱う必要がある人なら、Window PC ではなく Surface RT を買い増すのは悪くない選択肢だ。しかし、このチョイスは Windows PC の売上を減らすものであり、Microsoft の目指したものを完全に否定するでもある。

 最後に、「iPad はコンテンツプレーヤーで Surface はクリエイティブ作業向け」というのには反論したい。IM の完成度の低さと IM を入れ替えられないという点は未だに解決されない iOS の弱点だとは認めるが、それ以外には Surface が iPad より何かを作ることに向いているとは思えないからだ。6,000円程度の Logocool Ultrathin keyboard cover を買えば、キーボードとスタンドについては解決される。モバイル端末で最終の書類まで作る必要はないので、Officeは無くても困らない。Evernote や MobisleNotes、iMandalArt でテキスト入力し、PCに渡して最終出力すれば充分だ。Surface RT よりできるという意味ではなく、同等にできるという意味だ。いつでも取り出せて、電池の心配をしなくてもいいテキストエディタがあれば、文章作成系の作業は充分だろう。開発環境をインストールできれば評価は変わるかもしれない。iOS に開発環境が乗ることは、Apple のポリシー上ないと思われるからだ。

 自分が買ったお気に入りが失敗作だと知らされるのは辛いかもしれないが、Microsoft の販促や ASUS の製造中止といった事実は事実として受け入れたほうがいい。こんなことはマカーなら何回も経験していることだがwww

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