リトルカブのタイヤ交換顛末記

プロローグ 6/22

 それは一本の電話から始まった。

 「おとうさん、なんかカブがおかしい。後ろがガタガタいう」

 「どこ?(xxの前)行くから待っとけ」

 カブは我が家の車には乗らないので、車による回収はできない。とりあえず、自転車で現場に行った。バイクを見たら一発で原因が分かった。リアタイヤのパンクだった。

 そこから、娘にRX3を押させて自分はリトルカブを押した。途中数百メートル娘に代わったが、1km以上押した。最後の自宅の前の坂道をパンクしたカブを押して登ることは不可能なので、エンジンをかけて押して上がった。

 暗いし押して歩いて疲れたのでこの日はそのままにした。

ステージ1 6/23

 昼は実家に行っていたので、帰ってから修理に臨んだ。

 パンクの穴は小さくて画鋲をさした程度だった。パッチを貼ってチューブを戻そうとした。全てここから始まった。

 ホイールを外すのが面倒だったので、ホイールをはめたまま修理をしようとしていたが、タイヤがはまらない。リトルカブのリア周りはごちゃごちゃして空間がないのでタイヤレバーを入れられる角度が非常に少ない。しかも、タイヤが固定されていないのでくるくる回る。

 息子に手伝ってもらって悪戦苦闘したが結局諦めて寝た。(この時、タイヤの中でチューブが大変なことになっていることを知る由はなかった)

ステージ2 6/24

 100円ショップで万力を買って来た。タイヤをはめるのに苦労したのは、それまではまっていた所が外れてしまうからだった。そこで、万力でビードが外れないようにし逆側からはめるという作戦だった。作戦は功を奏して数分でタイヤをはめることができた。

 しかし、空気が入らない。ポンプを押しても全然手応えがない。「これは、やってもたか」と、せっかくはめたタイヤを外しチューブを取り出したらレバーで開けた穴があった・・・

 すでに何箇所もパンク修理のパッチが残っているチューブなので、もうタイヤごと交換しようかと思い、Amazon で前後のタイヤとチューブを発注した。(蟻地獄に落ちているとも知らず)

ステージ3 6/25

 タイヤとチェーンカッターが到着。しかし、平日なので作業できず。

ステージ4 6/29

 作業開始。しかし、新しいタイヤを株の横に持っていった時に違和感を覚えた。「あれ?でかくね?」

 そういえば、「カブ」のタイヤを注文した。しかし、娘のは「リトルカブ」だった。リトルカブがリトルであるのはタイヤが小さいということだった orz…(カブのタイヤは17インチ、リトルカブは14インチ)

 途方に暮れていてもしょうがないし、できれば土日に修理を完了させたかったので、近くでタイヤを買ってくることにした。近くにはバイクのパーツ屋がないので、ホームセンターに行った。カブのバルブやオイル、ヘルメットなどを買っている所でタイヤも置いてあった気がしていたからだ。しかし、あったのは17インチだけだった。

 引き返し、現状のチューブの修理を試みた。新しタイヤを買うまでの応急処置だけでもして娘が通勤する時に使えるようにしようと思ったのだ。

 ここから地獄が始まった。レバーで開けた穴というか破れにパッチを貼っては、空気を入れ、違う場所のエア漏れを発見するという事の繰り返し。全周にわたって10箇所近く穴を開けていた。

 しかも、ここで従来のパンク修理では遭遇したことのないトラブルに遭遇した。貼ったはずのパッチからエアが漏れていたのだ。前オーナー(中古なので)か販売店かがパンク修理剤を入れていたらしい。それが経年劣化してクーラントみたいになったものが穴からしみだして、パッチとチューブの間に入って接着を妨げていた。このために、それまでに貼り終わったパッチを何枚もはがして貼り直さなければならなかった。

 手持ちのパッチでは足りなくなり100円ショップに買いに行くこと3回(キットしか売ってなくて一つのキットには5枚しか入っていない)。

 夕方まで断続的に作業して安定して新しい穴も見つからない状態になった時に大変な所に穴が開いていることが分かった。以前から貼ってあったパッチに小さな穴があった。パッチの有る所は二重になっているのに・・・

ステージ5 6/30

 昨日までの反省にたって再度、パンク貼りに挑戦。

 昨日貼ったパッチの数ミリ横に穴を発見して、すでに完成しているパッチを剥がす必要があったり、空気漏れを確認する時に空気を入れすぎてせっかく貼れているパッチが剥がれたり、例の液体が漏れだしたりして空気が漏れたりしたが、もう動じなかった。次から次に出てくるトラブルに笑いが漏れるくらいだった・・・もう、スムーズに作業が進むと心配になるレベル。

 最後のパッチを貼り終えた後も、穴の確認しなかった。これでだめなら諦めるつもりだったから。

 そして、チェーンのカットに取り掛かった。チェーンは交換したばかりで、長すぎたのだった。作業自体は簡単・・・に、ピンが落ちた。しかし、工具が外れない。ピンがチェーンの穴に挟まって外れない・・・チェーンカッターのサイズを間違えたか?

 30分近く悪戦苦闘したが、チェーンと工具の間に金属板を挟むことでなんとか外すことに成功・・・こんな所にもトラブルのネタが転がっているかと笑えてきた。

 その後、ダメ元でチューブをタイヤに納めてタイヤをはめた。万力を使うことで大きく作業を効率化できた。

 せっかくなので、チェーンが長すぎて使えなかったチェーンカバーもつけてみた。

 空気を入れた・・・手応えなし・・・「そう来ると思ったよ」

ステージ6 7/1

 北伊丹にバイクパーツの店があることを思い出し、会社帰りに寄って2.75-14インチのダンロップとチューブを買って帰った。(ココにも地雷があった)

 通販で買ったタイヤは、全後輪とチューブ一本で5,000円しなかったが、バイクセブンのタイヤは後輪一本だけで3400えんもして、チューブと合わせて5,400円もかかった。まあ、時間を買ったと諦めるしか無い。

 チューブはたすきがけにしてRX3に乗って帰った。

ステージ7 7/2

 フレックスを使って 16 時に会社を出た。明るいうちにタイヤを交換しようと思ったから。

 帰ってすぐに作業にかかる。昨日つけたばかりのチェーンカバーを外し、サスを外し、ブレーキロッド、ブレーキのロックを外してからアクスルを抜く。何回かやっている作業なので5分程度でタイヤが外れた。まあ、XT250Tなら 3 分もかからなかったが・・・

 タイヤを外してチューブを見たらエア漏れの原因が分かった。昨晩タイヤをはめた時にまたも一カ所噛みこんでいたのだった。また、相当にトリッキーな貼り方をしたパッチは全て機能していた!例の古いパッチの上から貼ったパッチからもエア漏れはなかった。ということは、もっと慎重に作業していたら一応は直ったはずだったのだ・・・

 気を取り直してタイヤをはめようとしたが、リムテープがダヨンダヨンで役割を果たしていない・・・昨日買っておけばと思ったが後の祭り・・・悪い方に転がりだすと打つ手打つ手が外れる・・・自分の人生のry

ステージ8 7/3

 再び、会社帰りに北伊丹駅で降りバイクセブンに寄る。売り場も分かっているので、リムテープを買って一直線に店を出る。滞在時間は3分程度。学生の頃はバイクのあるところなら飽きずにいれたが、今はいるのが苦痛。

 家に着いたら8時前で、天気が悪いこともあって真っ暗。諦めて食事をした。が、買ってきたリムテープを間違えていなかったか気になってホイールを玄関に持ってきてみてはめてみた。ピッタリ(当然だが)。

 慎重に、慎重に作業をしタイヤをはめた。ホイールを外した状態なら足でタイヤを押さえつけられるので、万力は要らなかった。タイヤレバーを深くまで差し込まないように慎重に。ビードに石鹸を塗って滑りやすくし、タイヤを入れた。

 空気を入れた手応えがあった。押せば押すだけ空気圧が上がる(当たり前)・・・

 こうなると、組み付けたくなるのが人情。娘に懐中電灯で照らしてもらい組み付けた。手順は覚えたので10分程度で作業完了。

 家の周りを1kmくらい走ってみて、ブレーキの遊びの調整とリアタイアに不備がないかの確認をした。

 チェーンを切ったこととシフトレバーの角度を調節したことにより変速の操作感が大幅に向上したこともあって、快調だった。

 明日朝、空気が抜けていないことを祈って寝る。

エピローグ 7/4

 朝、ベッドの中でチェーンカバーの取り付けをいつするか考えていた。その時、取り付けボルトが仮止めのままだったことを思い出した。取り外した時に、ネジを無くさないように元のネジ穴に軽く手で止めたままだった。そこで、もう一箇所、しっかりと止めて置かなければならいボルトの締め込みをしていないことを思い出した(良かった)。

 朝起きて、着替える前にボルトを締めてきた。タイヤは昨晩の組み付け後の状態を保っていて、夜も正常だった。ホッとした。

 今日は天気が悪そうだったので、株を借りて駅まで乗った。タイヤ交換の実感などは無いが、「普通」を守ることの大変さを噛み締めた。

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