自転車界No.1男前イタリアンがドーピング発覚

Danilo Di Luca ジロ・デ・イタリア優勝経験の有るディルーカ。数年前に一度出場停止になって復帰したばかりだった。年齢的なものもあって引退したとばっかり思っていて、出場していると知って驚いたのはつい先日だった。

 右の写真を見れば分かるように、イタリアンスーツを着こなして女を口説くことのほうが似合いそうな男前だ。日本なら一般マスコミが持ち上げて、見苦しいほどの取り上げ方になるだろう。石川選手やハンカチ王子みたいに。

 イタリアの自転車ファンはどんな感想なんだろう。星野監督が審判を殴って退場になったのに対するファンやマスコミと同程度の軽さなのか(出場停止で済ませてはいけないと自分は思った)、アームストロングに対するUCIのようにヒステリックなものなのだろうか・・・

 しかし、前回の対応といい、今回の処置といい甘いのではないだろうか。ツールではEPOが発覚したら逮捕されたはずだが。数年前にドイツ人選手のEPOが発覚したときは(確かTmobileだった)選手は逮捕、チーム全員失格、ドイツではツールのテレビ放映禁止(これは今でも続いているらしい)になった。

 2つ目の引用に有るように、スポンサーがディルーカを走らせることに積極的だったよだ。弱小無名チームにとってスター選手の起用が魅力的なのはイタリアでも変わらないのだろうか。

ダニーロ・ディルーカのEPO陽性が発覚 即時ジロを撤退 | cyclowired

ジロ・デ・イタリア出場中のダニーロ・ディルーカ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)にEPO(エリスロポエチン)陽性が発覚した。ディルーカは即時ジロを離脱。ディルーカはBサンプルの再検査をリクエストする権利を有している。


第18ステージの山岳タイムトライアルで1分52秒差の10位に入ったダニーロ・ディルーカ(イタリア、ヴィーニファンティーニ): photo:Kei Tsuji第18ステージの山岳タイムトライアルで1分52秒差の10位に入ったダニーロ・ディルーカ(イタリア、ヴィーニファンティーニ): photo:Kei TsujiEPOの陽性反応が検出されたのは、4月29日にディルーカ自宅で行なわれた抜き打ちドーピング検査で採取された尿サンプル。UCI(国際自転車競技連合)のプレスリリースによると、ドイツ・ケルンにあるWADA認定分析期間で検査が行なわれた。

2013年、アックア・エ・サポーネの解散によって所属チームを失っていたディルーカは、シーズン途中でUCIプロコンチネンタルチームのヴィーニファンティーニに合流。4月27日のGPラルチャーノに出場して10位。ジロ出場の切符を掴んだ。

ヴィーニファンティーニのルーカ・シント監督は宿泊先のホテルでインタビューに応じ、ディルーカのEPO陽性を認めた。「あいつは馬鹿野郎だ。他に何も言うことは無い。スポンサーも彼を信頼して2度目のチャンスを与えたにも関わらず、この仕打ちだ。こんなこと(ドーピング)がバレないと思っていること自体馬鹿げている」。

ディルーカのドーピングスキャンダルはこれが初めてではなく、2007年にはドーピング捜査でカルロ・サントゥチョーネ医師との関係が発覚して3ヶ月の出場停止に。2009年ジロ・デ・イタリア期間中のドーピング検査でCERA(第3世代EPO)の陽性が発覚し、2年間の出場停止処分を言い渡されている。その後CONI(イタリア五輪委員会)にドーピングを告白し、実状を証言したことから15ヶ月に処分期間が短縮された。

第18ステージを終えた時点でディルーカは総合26位・33分33秒遅れ。山岳タイムトライアルでは10位に入っていた。現在ディルーカは暫定的に出場停止状態に置かれている。

 チーム監督のコメントが興味深いが、ニーバリのコメントも含めて何を信じていいのか分からない・・・

再びの失墜、ジロ直前にヴィーニ・ファンティ-二/セッラ・イタリアで復帰したばかりのダニーロ・ディ・ルーカがまたしてもEPO陽性!ここまでのジロでの活躍はまたしても幻だったのか?
ロ直前にヴィーニ・ファンティ-二/セッラ・イタリアで復帰したばかりのダニーロ・ディ・ルーカがまたしてもEPO(赤血球増加ホルモン)陽性となってしまった。4月27日に新チームでレース復帰し、すぐに10位という結果を残したことでジロのメンバー入りを果たしたが、その後4月29日のレース外検査がEPO陽性と判断された。

チーム監督のルーカ・シントはインタビューに対し「事実だ」と述べ、「彼は完全に狂っている、彼は精神的な治療を受けるべきだ。もうこれ以上何も言えない。僕等とスポンサーは彼を信頼して2度めのチャンスを与えたんだ、そしてこの仕打だよ。懲りずにまたドーピングを繰り返し、それで逃げおおせると思っているなんてもう完全に病気だよ。」と静かに怒りをあらわにした。

また「彼の過去の経緯からチームに加えたくはなかったが、スポンサーの意向で加えざるをえなかった。それ見たことかという感じだ。せっかくポリシーに基づきチーム作りをしてきたのに、スポンサーの横槍でとんだ災難だよ。なんとか彼を信じようとした僕にも責任があるよ。参ったよ・・・。検査結果が出た時点で、彼を首にしたよ。そのまま荷物をまとめて即刻出て行くように指示したよ。」と語り、今回の一件がスポンサーにもその責任の一端があったことを示唆した。

過去にもドーピングで2年間の出場停止(情報交換と引き換えに15ヶ月に減刑)、そして何度となく疑惑の中心人物となり、幾つものレースで出場停止や出走拒否などの処分を受けてきた。

今回陽性が確定すれば、おそらくUCIから永久追放の処分がくだされるものと思われるが、ディ・ルーカはBサンプルの検査要求をすることができるために、それを待っての判断になる。

コメントを求められたニーバリは、「こうしたことがある度に、全ての選手達に疑いの眼差しが注がれることになる。」と語り、もううんざりしていると口にした。せっかくドーピングからの脱却を訴えてレース界を変えていこうという矢先の出来事だけに、今回の一件は尾を引きそうだ。

繰り返されるドーピング、もはや中毒のように一度手を染めた者はその味をしめて繰り返してしまう傾向にある。やはり他の競技のように心理カウンセリングなどを義務付ける必要性があるのではないだろうか。ドーピング撲滅のみならず。ドーピングを行ったものに対するメンタルケアの提供も、これからはもっと真剣に考えていかねばならないだろう。やはり一度手を染めたものが、自らの力でその”魔力”から逃れることは難しいのだろう。勝利という誘惑、そして勝利という重圧、それらに魅入られたものが陥ってしまう罠は、我々が想像する以上に深く暗いものなのかもしれない。

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