調査するまでもない(JR西の余裕ダイヤ)

 こんなもの、ダイヤの内容が発表された時点で、ド素人の俺にでも分かったことだ。今更だが、現場の当事者の声は重要だ。

asahi.com: JR宝塚線新ダイヤ、乗務員の7割「余裕ない」††社会

宝塚線の新ダイヤは、尼崎―宝塚間で遅れを取り戻すための余裕時分を設け、直線の制限速度を時速120キロから95キロに引き下げた。それでも72%が「余裕をもって乗務に当たれていない」と答え、「ゆとりをもって運転できる」と強調した会社側との認識のずれが浮き彫りになった。

 理由として「運転平均所要時間を延ばしても、速度も抑えたので、余裕がないのは同じ」という答えが多かった。

 ほかの線区を合わせると、85%が乗務に余裕を感じておらず、49%が来春のダイヤ改定で「余裕時分の増大」を求めた。

 定時運行や収益向上の要求が強かったとされる職場の雰囲気については、事故後も変わっていないとする回答が半数を超えた。一方で、事故後に「変わった」と答えた人も44%に上っており、安全優先に変わる兆しも見られた。

 現場との風通しを良くするため、役員が各職場を回る「緊急安全ミーティング」には回答者のうち115人が参加していたが、71%が「効果なし」と答えた。参加者からは「職場の管理者も出席し、にらみをきかせているので意見を取り上げてくれる雰囲気ではなかった」「支社長の一方的な意思伝達で終わった」などの不満が漏れた。

 会社側は「事故の芽」を摘むため、軽微なミスの報告をマイナス評価の対象にしない方針を示したが、報告が増えないとみる人は71%。一方、本社内の安全推進部の機能強化や外部識者による安全諮問委員会の設置などの再発防止策は、「評価する」が「評価しない」をやや上回った。

 懲罰的と批判された日勤教育の見直しについては、最大労組のJR西労組の組合員の63%が評価したのに対し、日勤教育の廃止を求めるJR西労の組合員は88%が評価しないなど、所属組合による差が著しかった。

 「せめて、直線の最高速度を元に戻してくれ」という本音は書きたくても書けないのだろう。会社の、目先の批判をかわすためだけの最高速度制限と形だけの「余裕のあるダイヤ編成」の板ばさみになった現場の悲鳴が聞こえるようだ。

 また、「現場との風通しを良くするため、役員が各職場を回る『緊急安全ミーティング』」が既に形骸化しているというのも、最初から分かっていた。形だけの説明や面接が何等効果をもたらさないのは、どこを見ても一緒だ。俺の良く知っている会社でも、面接を取り入れたり、人事制度の説明とかをすることになっているが、会社側に立つ管理職が制度の中身を理解していないで、上級管理職へ「うちの部署ではちゃんとやってます」というためだけにやっているのが一般社員には見え見えなので、実効はゼロ。というより、マイナスだ。

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