タイムマシンが実現されるまでは Time Machine で凌ぐ

 先日、iMac のトラブルからデータを救ってくれたのが Time Machine。あまり話題に上らないし、Mac の良いところとして挙げる人も聞いたことがない。しかし、これこそMac初心者にお勧めしたい機能のナンバーワンといっても過言ではないと思っている。

 長年パソコンを使っている人なら何回かはHDDのトラブルに見舞われたはずだ。そして、泣く泣くシステムを再インストールしたこともあるだろう。用意周到な人なら必要なデータはバックアップしていたかもしれないが、アプリケーションの設定やブックマーク、変換辞書、ブラウザの履歴やID、PWまでバックアップしている人は殆どいないだろう。

 近年は iTunes に音楽だけでなく動画や iOS アプリなどが入り個人が保有するデータは肥大化している。まして、家族で使っているパソコンは iTunes ライブラリだけで数十ギガに達する。HDD のトラブルに見舞われたらこれらがゼロになる可能性がある。数年 iPod を使ってきた人なら iTunes のライブラリを復元することがどれだけの労力を要するか想像に難くないはずだ。CDなどの復元可能なものなら時間と金をかければ回復は可能だが、iPhoto やオリジナルの動画の素材を溜めた iMovie ライブラリを失ったら回復は不可能だ。

 後、意外に時間がかかるのがアカウントの復元だ。自分が使っているアカウント類の設定とパスワードを全部覚えているだろうか?どこかに書き留めているだろうか?自分の分だけならともかく、自分が管理していない家族のウェブサービスのアカウントのパスワードなんて覚えているはずがない。従来はHDDを初期化するたびに幾つかのアカウントを失っていたものだ。失っていなかったとしても、再度設定するには相当の時間を費やした。

 ところが、Time Machine はこれらをすべて覚えている。データのバックアップだけでなく、そのHDDに同居するアカウント全ての情報が復元される。復元完了後はトラブル前に使っていたのと同じ状態で壁紙もブラウザの設定もiTunesの再生回数も、ゴミ箱の中身まですべてが復元される。まさに、タイムマシンだ。

 このありがたさはトラブルに遭って初めて分かる。Mac を買ったけど使ったことがないという人は是非設定することをおすすめする。外付けHDDは今は安価になっていて1万円もしないモデルでも内蔵ドライブよりも大きいものが入手可能だろう。新しいことができるわけでもないのに外付けHDDを買うのは無駄に思えるかもしれないが、HDDトラブルに遭ったときに、復旧にかかる時間と労力と金(レンタルしたCDから入れた音楽データを取り込むには再度レンタルする必要がある)と失ってしまうデータのことを考えればいかに安いかが分かるだろう。

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