てんとう虫

7stars 今朝は寝過ごした。息子のケータイの目覚まし音で目が覚めたのだ。あわてて起き出したが、娘が出かけた形跡がない。娘の部屋に行ってたたき起こした(娘は俺より早く出なければならない)。娘は不機嫌に起きだしてきてダラダラと準備をした。俺がイラ付いているのが分かったのか言葉も少なかった。ほっておいたらサボりかねないので、一緒に駅まで行くことにした。

 バイクを降りても、電車に乗ってもムスっとしている。静かな車内で声を荒げて聞きただすこともできないので俺も黙っていた。すると、娘が突然座り込んだ。しんどいのかと思ったが、声をかけるのが憚られた。回りの乗客から声がかかることはなかったが、様子を伺っているような緊張感は感じた。

 20~30秒して娘が立ち上がった。手には定期を持ちこちらに差し出してきた。見たらてんとう虫が乗っていた。床を這っていたのを乗せたのだった。オレンジ色の羽と丸いフォルムが温かい。ホッとした。

 車内にもホッとした空気が流れた。気がした。

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