独特のフォント

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 ひょっとして専用のフォントがあるんだろうか。乗り物や古い看板(注意書き)などで時々見かける。丸ゴシックを変形させたような面白い形だ。金属の板に彫るのにいいのかもしれない。

 右の写真は、阪神バスの乗車口の横に貼ってあるものだ。「ブザ」という表記には初めてお目にかかったような気がするが、「コンピュータの活用にはプログラマとユーザの協力が必要」というのと一緒か。どれも英語のerを発音せずに止めている。erが無いと違う別の単語になるし、その場合は発音が違うので、erを発音しないということは英語ではないはずだ。いつからか最後の長音記号を書かないことが増えてきているようだ。俺自身もプログラマーとはあまり書かない。ほかは未だに違和感があるが、これも時間の問題かもしれない。

programmer(プログラマー:名詞:プログラムを作る人)、program(プログラム:名詞:プログラム)
user(ユーザー:名詞:使う人)、use(ユーズ:動詞:使う)
computer(コンピューター:名詞:計算機)、compute(コンピュート:動詞:計算する)
buzze(ブザー:名詞:ブザー)、buzz(バズ:動詞・名詞・形容詞:騒ぐ・うるしさいもの・うるさい)

 この長音記号省略は今後「ブザ省略」と呼びたい。探せば他にもあるだろう。言語学の卒論テーマにいいんじゃね?社会学部的なアプローチも可能だろう。ネットワーク言語論とか、ネットワークで交わされる文章の語尾の変化とそのきっかけ、その心理的背景となれば心理学だってオッケーだ。学際的研究が重要視されているから、違う学部の学生が集まってblogや2chを中心に取材すれば、そこそこのサンプル数は簡単に集まるだろう。その上で、実際にそれらの言語を使っている人物(きっと学内にもいるはずだ)とコンタクトしてインタビューすればそれなりのページも稼げておいしそう。うん。助教授レベルと組んで、新書一冊いっとけ!

 残念ながら、卒論ネタにはならないことが判明。JIS用語らしい。だから、英語表記とか英語の発音をカナ表記したものとは一部異なるようだ。JISキーボードがそうであるように、海外で通じるとか通じないとかいったことと無縁の島国規格なのだろう。カナ表記自体オリジナルの発音を正確に表現できるわけではないのでこだわること自体が無意味ではある。

 問題は、日常語として使われているものと食い違っていることだろう。IT業界人が業界人の共通語(それは共通的背景を持たないものを排除するための踏み絵でもある)として使い始めたものが広がったようだ。このプロセスは、専門用語が日常語に染み出すプロセスと一緒だ。この辺は、既に何冊も本が出てるからダメだな。

 なお、用語については日本工業標準調査会のサイトで閲覧できる(ダウンロードできないのでものすごく不便だが)。ついでに、これについて考察を加えているページがあった。マニュアル製作請負業のテクニカルライティング、8・9話だ。混乱の原因と現状がほぼまとめられていた。

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