京セラ、デジカメ事業から撤退

 コンタックスブランドのデジカメはコンタックスファンに支えられているのかと思っていたが、そうでもなかったらしい。他社が次々、コストパフォーマンスを改善した新機種を投入していくのに追いつけなかったのが直接的な敗因だろう。「レンズとフイルムが一緒なら後は腕」という35mm銀塩フイルムカメラと違って技術革新が画質に反映されるので、ブランドだけでは勝ち残れなかったのだろう。

 結構面白い個性的な機種を出していたが、デジカメ市場はカメラメーカーよりデジタルメーカーの名前のほうが通りが良かったらしい。兄が京セラの光学3倍ズーム機を使っていて、その画質に驚いてから1年も経っていない。Rollei35という個性的なコンパクトカメラがあった。あのような位置を占められれば良かったのだが。

京セラ、デジカメ事業から撤退へ コンタックス生産停止 – asahi.com : 経済

 京セラは9日、高級機種として販売してきたコンタックスブランドのデジタルカメラの生産を今夏までに停止し、年内に国内のデジタルカメラ事業から撤退する方針を明らかにした。価格下落の影響で同社のデジカメ事業は赤字に陥っており、京セラブランドのデジカメ生産はすでに停止していた。今後はカメラ付き携帯電話用の部品生産に事業を特化する。

 デジカメの値崩れが進む中で競争力を維持できず、撤退を決めた。今後、国内向けのコンタックスブランドの商品開発はせず、中国での生産も停止する。流通在庫については販売を続け、10年間は補修サービスに応じる。

 あと一つ思い浮かぶのは、いつもの「日本市場のブランド信仰」だ。同じ製品でも、SONY、NEC、東芝、日立などの名前がついていると安心し、シャープやサンヨー、フナイなどは劣っているとみなされがちだ。もちろん、商品分野にもよるしこのラインナップは俺が見た他人の購買行動に基づいていた偏見んでしかないが、店舗の価格付けもこんな感じじゃないか。そして、それはデジカメにも持ち越されて、ニコン、キヤノン、オリンパスをトップブランドに、フイルムカメラからミノルタ、フジ、デジタルメーカーからSONYあたりがブランドロイヤリティを持って迎えられているのではないか。

 サンヨーなどはいい物を作っていると思うんだが、あまり高い評価をユーザーサイトで読んだことがない気がする。ハイエンド機種を作っていないせいかもしれないが、サンヨーがニコンやキヤノンと同等の性能の一眼レフを作っても両社ほど売れないと思うし、サンヨーもそれが分かっているから出さないのだと思う。

 TidBITSでデジカメについて詳細な連載を書いたプロカメラマンがいた。彼が選んだのは、シグマの foveon センサー一眼だった。しかし、そのセンサーについて語った記事を一度も見たことがない。技術的にすごく面白いし大きなインプルーブなのに・・・ブーメラン効果がない限り日本では、シグマは安価な互換レンズメーカーでしかないのだろうか。
SIGMA SD10
TidBITS

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