[#106] 助けられる命と、吹き込まれる命 – かけあがりラジオを podcast で聴いた。脳死状態での臓器移植について取り上げていて興味深く聴いた。
自分は賛成。アイバンク、イヤーバンク、腎バンクに以前から入っていた。臓器移植の意思表示カードが実施された時にはすぐに入手し全てに○をつけた。当時いた妻も賛成してくれてお互いに家族欄にサインした。脳死移植とは違うが、骨髄バンクにも入っていてLHAを登録済だ。いつでも提供する心の準備はできている（自分の型に合う人で白血病で移植を待っている方はいないらしく10年以上ベンチを暖めているが）。
子供にも意思表示カードを持たせている。もちろん全部◯だ。娘は骨髄のドナー登録もしている。何の迷いもない。燃やすより使ってもらえるほうがいいと思う。大切な人の亡骸だからこそ少しでもこの世に残しておきたいと思う。
それと、自分や家族が移植を必要とする状態になった時のことを考えれば、ドナーが現れることを願わずにはいられないだろう。もちろん、人の死を願うという意味ではなく、助からない状態になった時にそれを必要としている人の助けにという善意を願うだけだ。
日本で子供の臓器移植が受けられないからアメリカに行くための費用をカンパして欲しいという話を聞くと複雑な気持ちになる。臓器移植を受けられる可能性に賭けたいというご両親の気持は痛いほどわかるし批判する気もない。寄付をしたこともある。現時点で命を救う方法があるならそれを選ぶのは当然だ。
問題なのは、「じゃあ、なんで日本では受けられないのか？」だ。今は法律が改正されて未成年でも家族の意思で臓器移植が可能になり道は開かれたが、ドナーが現れない。日本で、乳幼児の死亡の比率ががアメリカより大幅に少ないということは無いだろう。にも関わらず、日本にいるよりアメリカのほうが移植を受けられる可能性が高い。
渡米するための寄付集めや応援を人道的に応援するような報道を見るが、自国で受けられないことへの問題提起がないのはおかしい。渡米する家族を応援する気持ちがあるならもっと国内で移植が受けられる環境が整ってもいいはずだ。自分や家族はドナーになりたくなくて見殺しにするくせに、アメリカに渡ればできそうだというとに金を渡している偽善者にしか見えない。渡米する患者さんに募金をした人たちは自分や家族がドナーになることに賛成しているんだろうか？自分がしたくないことをアメリカの親に押し付けるのが善意だなんて思えない。
アメリカで移植を受けて帰ってきた子供のことを局アナが心温まるエピソード的にコメントするが、自分の子供が不慮の事故でその子のドナーとなった子と同じ状態になった時に臓器を提供する覚悟は有るんだろうなと言いたい。
ここからは蛇足
人間の体なんて、宇宙のゴミみたいなものだ。燃やした所で地球の大気やごみとなって循環する。鳥葬や水葬、土葬のように直接的に食物連鎖にならなくて抽象化されるに過ぎない。個人的には、とれるもの全部とってから食物連鎖直結というので全然構わない。「もやした灰をどこそこに」とかいうのをたまに聞くが、それすらも要らない。
地球だって何億年後か何十億年か後には赤色巨星化した太陽に飲み込まれるし、その時に独立した天体として残るのかどうかは知らないが、残ったとしてもその後の太陽の爆発で吹っ飛んで宇宙空間の塵になるだろう。そして、また集まって太陽系のようになるか宇宙空間の雲のように漂うのかするだろう。銀河系自体がアンドロメダと衝突するらしいので（太陽の寿命とどっちが先か知らない）、他の恒星かブラックホールに飲み込まれるかするかもしれない。そうなると分子どころか原子より小さな状態に分解される。誰の臓器とか体とかなんて全く意味が無い。
死んだら終わり。だからこそ、生かせる命を大切にしたいと思う。
おまけ
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