東芝の著作権対策のツケが今頃

 著作権保護は結構だが、正規ユーザーに負担をかけるようなものは勘弁して欲しい。

 生産・サポートを辞めた製品について批判しても当たらないが、サポートを一方的に打ち切ったためにユーザーが不便を被っているという事実は憶えておきたい。

 俺が愛用のデジタルオーディオ再生装置は東芝のdiGOだ。

 また、日本での動きに関しては、 神戸製鋼所は、NTTと共同で開発したネットワークオーディオ方式「SolidAudio」に準拠したカードタイプのオーディオプレーヤーを商品化し、99年7月下旬に発売します。NTTの音楽圧縮技術「TwinVQ」を用いて、CD並みの高音質を実現している同プレイヤーは、86×54×10mm、バッテリー込みの重さが55gというカードサイズ。メディア固有のIDを用いて、コンテンツを複製した場合に再生不可とする方式で著作権を保護する「InfoBind(仮称)」を採用、これにより、ネットワークを通じてコンテンツを取得することも可能となります。また、製品添付のソフトウェアとパソコンを使って、固有ID付きのスマートメディアにコピーが可能、ユーザー側の使い勝手も考慮しているそうです。(「インターネットは音楽業界を変えるか?」<最新情報(99年5月時点)>

 ここに書かれているカードサイズのプレーヤーがdiGOだ。著作権保護をユーザーより優先した結果死んでしまった。

 SolidAudioとTwinVQのその後は歴史の示すところで、関係企業はすべて「なかったもの」のようにしてサポートを打ち切っている。

 俺はTwinVQへのデータ作成はしないが、diGO自体は快調に動くので、ハード的な限界が来るかiPodを買うまでは使い続けたい。しかし、iTuneで作ったMP3データをメモリカードに取り込むときのダイアログで文字化けをするようになってしまった。原因は、OSXにしたことだ。メモリカードに音楽データを書き込むときには専用のユーティリティが必要で、OSXが存在しなかった頃に作られたままサポートを打ち切られているので、OSX下ではカードに転送できない。そこで、OS9で起動して転送するが、ファイルダイアログがシステムの標準のものを使っていないために日本語が全く読めない。

 せっかくCDDBで取り込んだオリジナルの曲タイトルをローマ字に書き換えるなどしたくないので悩ましい。

 東芝の無責任なサポート打ち切りと著作権最優先のソフト(ファイルの著作権データを確認してからダイアログを出すために、標準のダイアログが使えない)のためにユーザーが負担を強いられる例だ。

 著作権保護原理主義者(というより、著作周辺権保護原理主義者だ。著作権自体は作った人間にしかない。)のエゴをのさばらしておけば、同じことが将来的にも起こるだろう。ダウンロード販売で買った音楽や映像がPCやプレーヤーの世代交代のために使えなくなる可能性は高い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です