A5502K SD受信ボックス_| ̄|○ 顧客囲い込みのチャンス

 にわかには信じがたい(俺の中でね)仕様が発覚。miniSDカード(SD受信ボックス)に保存したメールは表示しかできない。返信もテキストをコピーすることすらできない。実に間抜けな仕様だ。メモリカード使用の制限のために、メモリカード上のデータを直接操作できないのなら、せめて、本体メモリに移動できるようにすべきだ。この腐った仕様のために、PCからのデータをSD受信ボックスに書き込むツール(SDMAIL5502K)があっても、データを活用することはできない。

 初めての相手から受信したメールをSD受信ボックスに移動したら最後、返信するときには画面をメモって新規入力しなければいけない。しかも、マニュアルの「SD受信ボックスをつかう(P187)」にはこういう制限をあいまいにしか書いていない。データの情報価値を大幅に下げるような操作を説明するときは、注意を喚起する文、「SD受信ボックスに移動したメールは本体の受信ボックスに戻すことはできません。返信することも、本文や送信者メールアドレスをコピーすることもできません」と一番最初に書くべきだ。

 なお、SD受信ボックスに移動してしまったメールを利用したい場合の最後の砦として、サポートツールでしのぐ方法を紹介する。SDMAIL5502KでPCに取り込みQRコード変換ソフトでメール本文にペーストし取り込むという方法だ。QRコードの文字数制限があるが、転記するよりはるかに便利だ。

 ここでも、有志が公開しているサポートツールのお世話にならなければいけない。auはQRコード作成ツール、京セラはSD受信ボックスデータを本体に移動させるようにソフトをアップデートすべきだ。それができないなら、SDMAIL5502Kを作者から買い取って動作確認の上、京セラのサイトで無償ダウンロードすればいい。ユーザー全員にアップデート催促電話をかけるような金が有るならこれくらいのことはたやすいはずだ。

 2chのA5502Kスレの噂によると、3月3日に新しいバージョンのファームウェアアップデートが配信されたらしい。前回のアップデートが著作権保護を正常動作させるためだったのに対して、今度のは、それ以外の不具合(現在は不明)をフィックスするものらしい。しかし、今度のファームウェアアップデートに関してはauからのお知らせ電話は無い。これって、逆じゃないのか・・・

 auに限らないが、というより携帯電話業界に限らないが、言われるままに使っていると損をすることが多い。2chウォッチャーでなければ、上のようなツールを知ることは難しい。まして、アップデートなんて知りようがない。
 不具合があったときに、アップデートで直るものでも、「こういうもんか」と諦めてしまう。これは、ユーザーにとってはもちろん、メーカーにとっても喜ぶべきではない。そのユーザーが「次からは絶対に京セラを買わない」とか「auをやめる」となったら、そしてそのことを広められたりしたら大きなマイナスになるだろう。それは、ファームウェアアップデートを行うことによる負担(来店者の増加と作業時間)より大きなマイナスだ。
 ファームウェアのアップデート情報はPCなどと同じようにすればいい。公式ウェブサイトとEzウェブのサイトに最新バージョンと各機種のバージョン確認方法、対象となる事象をリストするだけでいい。機種ごとの検索フォームがあれば完璧だ。

 そして、全社を挙げて(販売店も併せて)ファームウェア・アップデートに対する意識改革を行うべきだ。ユーザーが気楽に安心してファームウェアのアップデートに来れるようなショップ体制作りが必須だ。ファームウェア・アップデートに来る客を金にならない客としてみるのは間違いだ。「ファームウェア・アップデートをやってやる」という態度では逆効果だ。アップデートに来る客は携帯電話に関心の高い層だ。買い替え頻度も高いし、利用量も多いことが多いことが多い。こいつらは未来の(しかも近未来)の機種変候補者だ。

 購入後の顧客が、購買後に定期的に来店してくれるようになったら、その後の契約時に有利になる。間違いない。ファームウェアアップデートをしに店に行ったら、気持ちよく応じてくれたという記憶があれば、気になる新機種が発表されたときにでも足が向くし、機種変をするにしても、家族や友人が契約するときにでも、その店に行くはずなのだ。

 これは、店舗レベルのマーケティングにも使えるね。今なら、ファームウェア・アップデートを告知して、「お気軽にどうぞ」とでもしておけば、ユーザーの支持は間違いない。俺も、生活圏内にauショップだけで4店ある。量販店まで入れれば十指に余る。そんな中で、次機種を買うとしたら、店への入りやすさとか雰囲気で選ぶしかない。そしたら、間違いなくファームウェア・アップデート情報を告知し、嫌がらずにやってくれるところに行く。顔なじみの店員ができたりしたらなおさらだろう。

 もっと積極的にするなら、自店舗で購入したユーザーに電話をかけるという手もある。コストがかさむが、来店したときに「次回以降ファームウェア・アップデート情報を送信して欲しい場合はここにメールアドレスを」とメールアドレスを欠かせれば手間は激減する。ezwebの場合は受信パケットに金がかかるのであまり頻繁にやると逆効果だが、「ファームウェア・アップデートのお知らせ。ご来店ください」といったメールなら大歓迎だ。

 また、先日加入したセルフサービスガソリンスタンドからは毎月メルマガが届いて、サービスやガソリン料金を教えてくれる。これも、ガソリンという差別化しにくい消費財を扱う店舗として正解だ。移り気で競争の厳しいガソリンスタンドで、いかにして店舗に来させるかは重要だ。GSは店に来る=売上だからファームウェア・アップデートとは少し違うが、GSとしてはガソリンや灯油ではなく、車検や洗車など付加価値の高いサービス需要者としての先行投資として考えている点では似ている。

 携帯電話の競争は複雑だ。キャリア・メーカー・販売店がそれぞれのテリトリーで争っていて利害が衝突する場合もある。しかし、ファームウェア・アップデート・サービスに関しては、損をするところは少ないだろう(ファームウェア・アップデートをやりたがらないようなところはつぶれてもいいしな)。

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