40分。
ビデオで借りていたローマの休日を少し観た。最後の会見のシーン。アップ多用しすぎだが、泣ける。
その中で気になった訳
1。 (訪問した場所で一番印象に残ったのはと聞かれて)
オリジナル:By all means, Rome. 訳:勿論ローマ
「勿論」より強くて公式の言葉としてふさわしい言葉が日本語にはないのかなあ。「誰がなんと言おうと」「どんなことがあっても」「なにがなんでも」「どういわれようが」「どうでも」・・・王女の言葉じゃないね・・・「勿論」より強い肯定なんだろうけどなあ・・・
2。(ローマでは病気で公務を欠席したことになっていたのに王女がローマが一番だったというので、記者が「(ローマでは)病気になったのに?」と聞いたことに対して)
オリジナル:Despite that. 訳:「そうです」
これは明らかにあかんやろ。「にもかかわらず」と強調したのだ。記者は、はっきりと聞き取れないが、「in spite of …」と聞いたのだ。
これには万感がこもっている。公式には病気だった「にもかかわらず」だが、本当は自由に過ごした貴重な2日間だったのだ。「にもかかわらず」じゃなくて「だからこそ」だったのだ。しかし、それを言えないから「Despite」だったんだ。これも、訳語は難しいね。日本語にすると長くなるし、くどくなる。一言ではなかなかあらわせないなあ。
逆に記者の「病気だったのにですか?」を受けて「でしたから」とかはどうか・・・むりかあ・・・「だからこそかもしれませんね」とかは深刻な表情と合わないか・・・
とにかく、きっとこんな残念感の伴う訳語が他にも山積みなんだろう。これは、訳者が下手とか誤っているとかいう問題ではなく別の言葉に代えることの難しさだ。逆もあるに違いない。だからこそ、字幕を読まずに味わえるようになれたらと思う。