防災対策に思う

 東北地方の地震のときに有線電話回線や携帯電話回線がつながりにくくなったのに、ADSL系のサービスはダウンしなかったらしい。それをうけて、またもやアホ(マスコミ、防災対策関係官僚)の的外れコメント。「今後ADSL等の回線が有効であることが分かった。今後、災害時の通信手段として活用を考えたい」

 相変わらず、危機に対する当事者意識が欠如している。ADSLも電話線を使っている。兵庫県南部の時のように電柱が倒れたらどうしようもないって。それに、モデムはAC電源が必要だから、停電してても使えない。さらに、電話局の局舎が倒壊したり、電話局が長期停電したらアウトだ。個人の家屋が倒壊したらパソコンを掘り起こしたりできないだろうし。家が倒壊しないまでも、机が倒れてパソコンが壊れることも考えられる。

 脆弱性においてこれまでの回線と大差がないのに、たまたま今回機能したからって、それに依存したような防災体制を作っても対応できないだろう。というより、国レベルの復旧対策が必要な大規模な地震が起きたら、停電しないとか電話線に被害がないとかを期待した対策なんて使い物にならないだろう。

 一般回線や電源に依存しない通信網を消防署・警察・行政機関と人口密集地の特定施設に配置し、そこからスピーカーで個人への情報提供する。今、どう行動すべき(どこへ逃げればいいのか、逃げる必要がないのか、援助物資の受け取り等・・)を最優先で流す。防災対策の現場責任者はすぐに被災地にヘリコプターで乗り込み、情報収集を行い専用回線で情報を発信する。もちろん、現場責任者というのは、行政の長とかではなく、災害復旧の専門家である必要がある。そして、全権委任で現場に臨み、消防・警察・行政すべてへの命令権を特命として持つ。さらに、自衛隊への出動依頼も行えるようにするべきだ。

 この程度のことは素人の俺でも思いつく。FIMAのパクリと思われても仕方がない。合理的な方法は似てしまうのが当然だ。現代の技術と社会制度ではここに収束されるだろう。

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