「女子中高生の持ちたいスマホは iPhone」なの?

 スマホ研究部 ニッポン全国スマホいっせ~大調査!結果発表!!をTLで知った。見出しがミスリードを誘うゴミ調査ではあるが、興味深い指向も窺われる(評論家っぽい表現だ。実際には単に自分の好みの結果が含まれていただけのことだ)。

 「女子中高生、『持ちたいスマホ』は『iPhone』85%」というのは、アンケートの結果ではあるかもしれないが、「iPhone か Android か」という間違った質問により導かれたものでしかない(意図があったのかアンケート製作者の計算かは分からないが)。一方は商品名なのに他方は OS だ。複数の端末を示して選ばせたら違う結果が出た可能性が高い。

 興味深いのは、「持つならどんなスマホがいい?」という質問に対するその他の59人だ。何か具体的なイメージがあるんだろうか?

 このアンケートは複数回答ということがグラフから分かる(合計が母集団の数より多い)。ということは、この母集団からランダムに100人集めたときにiPhone か Android 端末かを選ばせたら85人が iPhone を選ぶということではない。ところが、この見出しから与えるイメージは、「女子中高校生の85%がiPhoneのほうを選ぶ」というものだ。どこも間違っていないし、嘘はついていないが与えるイメージは実際の母集団が示した傾向と異なるという良い例だ。

 順位的には赤外線通信を挙げた人が多いが、2位との差は誤差の範囲だろう。また、比率は複数回答の60%程度なので、それほど重要視はされていないのではないだろうか。

 複数回答のアンケートにもかかわらずワンセグは25%程度しか選ばれていないのにも注意が必要だ。日本のメーカーが海外に対してアドバンテージがあるとしている機能は、少なくとも、この母集団の中ではさほど重要視されていないと言えるだろう。

 右のグラフも全体に回答数が少ない。マスコミが騒ぐほど「女性向け」デザインは訴求していないのではないだろうか。また、「かわいいカバーがある」という選択肢が一位というのは、本体色のバリエーションに力を入れることが無意味であることを窺わせる。そして、この点では iPhone の支持とつながっているかもしれない。

 選択の基準がどれか一つではなく、料金や機能も見ているという点で現実的な視点が窺われる。パケット定額が障害となってスマートフォンにしてもらえない家庭も多いのだろう。自分でも、子供が中学生だったら iPhone を買い与えてはいないと思う。高校生になったら SBM の iPhone 一択だが。

 友人との無料通話が一位に来ているということは、スマートフォンの普及率が低く Skype だけでは通話できない相手が多いことを示しているのか。家族間無料通話より訴求していることには納得だ。家族間で長電話するはず無いもんね。

 選びたい機種が選べない理由について回答数が少ないというのは、選びたい機種を選べてない子が少ないということか。アンケートがネットのモバイルサイトなので、そんなサイトにアクセスしている時点で旧機種の携帯電話使用者ではない可能性が高いこともあるだろうが。

 上記のサイトの記事を引いたRBBの記事。持ちたいスマホが一人歩きしているのがわかる。

調査 : 女子中高生、「持ちたいスマホ」は「iPhone」85%とダントツ……ふみコミュ!調べ | RBB TODAY (エンタープライズ、モバイルBIZのニュース).

ふみコミュニケーションズは13日、同社が運営する女子中高生の情報サイト「ふみコミュ!」において実施した、「ニッポン全国スマホいっせ~大調査!」の結果を公表した。

 調査期間は2011年12月27日~2012年1月23日で、女子中高生を中心とした604名から回答を得た(高校生63%、中学生25%。小学生、大学生、その他も含む)。それによると、「持ってみるならどんなスマホがいい?」という質問に対して、全回答者数の85.0%が「iPhone」と回答。Androidと答えた回答者(29.6%)を大きく引き離した。一方で、実際にふみコミュ!へのアクセスに使われているスマートフォンは、iPhoneとAndroidが半々とのこと。利用実態とイメージには違いが見られた。

 この食い違いがどこから生まれたのか調べるため、「スマホを選ぶときに重要なのは?」と質問したところ、「かわいさ・かっこよさ」が58.1%で1位。第2位に53.8%で「料金」となった。しかし、「使いたいスマホが選べない理由は?」と質問したところ、「料金」がダントツで1位となったが、2位に「親」、3位に「携帯会社の変更」があげられている。家族割の適用なども多い女子中高生では、自分だけキャリアを変更するといったことが難しいとみられる。また料金などについても親の許可が必要となるわけで、このへんの理由により、イメージと実際の購買行動に差異が生まれているようだ。

 同調査ではそのほかに、「スマホに変えても外せない機能は?」「スマホを持っている子はどんな子?」「興味のあるアプリは?」といった質問なども行っている。

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