ビジネスモデルのバイパス

昔はこういう自販機コーナーが国道沿いにあって、ツーリングの際にはお世話になった。
昔はこういう自販機コーナーが国道沿いにあって、ツーリングの際にはお世話になった。
 国道沿いの飲食店について栄枯盛衰について感慨を書いた。自分が勤めている会社はこういう業態ではないので道路に影響は受けないが、同じように玉突き的なビジネス的な影響には常に晒されている。というか、これはどんな業種においても存在する脅威だろう。

 「自社が売っているモノやサービスが不要になる」のが一番だ。例えば、iPod の初期の頃のモデルは背面パネルを新潟市の磨き職人が磨いていた。鏡面仕上げの質とコストで他を圧倒したから Apple に採用されたのだろう。しかし、今の製品ラインでは使われていない。

 自社が買っている材料を安くしよう、必要とする材料を少なくしようと努力するのと同じくらいに納入先は自社が納めている製品を買わなくてもいいよう努力している。自分が勤めている会社の作る製品は独特でニッチな市場が形成されている。利益率が低いが競合は少ない。が、素材としては単価が高いので、顧客は安価な代替品を常に探し求めている。

 自社の製品の性能やコストパフォーマンスを上げたからといって、それが顧客に必要でなければ売れなくなる。他社の技術革新はロードサイド飲食店にとってのバイパス開通のようなものだ。いつバイパスが通るかは計画段階で分かるが、他社の技術革新はいつ起こるかわからない。

 残念な企業の経営者や上級の管理職の人間はこれに気づかない。気付いているかもしれないが、具体的な手はまったく打てないままに「品質のアップ」と「コストダウン」の旗を振るだけだ。

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