Web3.0 時代の処世術とは

adidas  無料で人気を獲得するために API を公開して協業するというのが Web2.0 なら、囲い込んだユーザを餌に利益を上げるフェーズが web3.0 といえるのかもしれない。様々なウェブサービスが課金フェーズに入り、失敗したサービスはサービスを止めたり変えたりし始めた。

 ウェブサービスの課金手段としてバナー広告を表示するというのもは初期から存在した。今でも、これが広告の主流だが、コンテンツをコントロールできるプラットフォームオーナーはその地位を利用してコンテンツそのものように広告を流し始めた。大物では Youtube と Twitter だ。今では、個人が投稿した動画を見る前に強制的に広告を見なければならなくなった。Twitter では流れる広告ツイートのブロック設定に時間を取られるようになった。

 これらは、大量のトラフィックを捌き保存するサーバと回線費用を賄うための代償ともいえる。商品はユーザで顧客は広告会社やビッグデータを欲しがっている企業だ。ユーザの時間を広告会社(出稿する企業)に売ることで利益を上げるのがこのビジネスモデルだ。

 API を開放して自由に使ってくださいといっていたのに、そのサービスに人気が出ると自分で作ってその外部サービスを使えなくするというのも Web3.0 の特徴だ。Twitter がサードパーティのクライアントアプリを締め出したり、Facebook が類似のサービスを作って囲い込もうとしたりといった流れだ。今は Instagram は以前とあまり変わらず続いているが、Facebook 本体の写真共有サービスと強引に結びつけてしまう可能性がある。そうなると、右には Facebook でお馴染みの広告が表示されるようになるだろう。

 この流れは2年位前から始まっているしここでも書いたが、Twitter が Twitpic を潰したことを知り残念に思ってこれを書いた。Twitpic は Twitter が写真をアップロードする仕組みを作っていなかった時に連携する仕組みを作った老舗だった。サードパーティのクライアントでは Twitpic の写真をインライン表示できて、Twitter 躍進の大きな力になった。にも関わらずそのサービスを停止に追い込む Twitter には危険を感じる。

 311 の時に Twitter が有効な情報共有・拡散手段として注目を浴びた時に、アホな自民党議員が Twitter を公式のツールとして活用するとか抜かしていたが、一私企業のサービスを、まして他の国のサービスを、国の公式情報メディアにするとか馬鹿としかいいようがない。Twitter にとって都合の悪い情報は全てフィルターされてしまいかねない。Twitter にそのようなことをする動機がなかったとしても、アメリカから圧力をかけられたらやらざるを得ないだろう。そして、そのコントロールは簡単だ。

SNS のたれ流し情報でもフィルターがかかっていると考えておく必要がある。それが Web3.0 とビッグ・データの時代だ。

Twitpicが今月25日でサーヴィス終了 : ギズモード・ジャパン
さようなら。

Twitter向け写真共有サーヴィスのTwitpicがサービスを終了することがわかりました。理由は、Twitterとのいざこざ…。

創設者のNoah Everettは、Twitpicブログにて終了の経緯を以下のように語っています。「数週間前にTwitterから、おたくの商標アプリを手放さないと、うちのAPIが使えなくなる可能性がありますよと連絡がありました。Twitpicは2008年からあるし、2009年から米国特許商標登録もしています。しかし、残念ですがTwitterのような大きな会社とやりあうだけのリソースが我々にはありません。だから終了せざるをえません」

…世の中は難しいのです。Twitterは近年、サードパーティ側がTwitterのAPIを使用することに関して非常に厳しくなっており、Twitter担当者は、これも全て自社のブランドを守り抜くためだと説明しています。今回のTwitpicとのやりとりも、その一環なのです。しかし、Twitpicのように長年愛されてきたサーヴィスがなくなる(なくなるようにしむけた)ということは、多くのTwitterユーザを怒らせてしまう可能性もあるわけで…。今までの多くのツイートがリンク切れを含む投稿になってしまいます。

世の中は難しい。実に難しいよ。

Twitpicからは今までの写真や動画の投稿をダウンロードできるので、必要な人は25日前に対応してください。

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