ブラック企業(Foxconn)の10万人の新規雇用に長蛇の列!

 iPhone、iPadだけでなく Android 端末の製造も大幅に増えている(2010年から2011年のタブレットの市場成長率はiPadのそれを上回った)。これらの需要に応えるための増産体制なのだろう。世界のハイテクデバイス製造国は今や中国(数年前までは台湾だった)のようだ。

 ブラック企業として認定された Foxconn だが、これだけの雇用を提供し。応募する人がこれだけいるというのも現実だ。日本やアメリカの労働環境に比べると劣悪かもしれないが、中国の一般労働者の平均的な労働環境と賃金とを勘案しなければ判断を誤るだろう。ブラック企業で周囲の企業と比べて低賃金なら応募者が長蛇の列とはならないと考えるのが普通だろう。長蛇の列を作っているのは地元の労働市場の需給を肌で知っているのだから。すくなくとも、日本やアメリカの快適なオフィスや自宅でiPhoneを傍らにおいたiMacの前に座ってNYTを読んで怒って不買運動をしようと呼びかけるツイートを書いているような人間よりは。

 目を向けなければならないのは、(Foxconn の労働環境が非人間的なレベルまで過酷だとして)そんな企業にも応募者が長蛇の列を作らなければならないほどの労働市場だ。低賃金だろうが無職でいるよりはいいだろう。搾取されていると感じながらでも、無職になるよりはと不満のある職場にいるのは日本やアメリカでも変わらないだろう。日本円やドル換算したら異常に安く感じる賃金だって、通貨の交換レートを補正して、その経済における購買力で補正しないと正しい認識にならない。Foxconn の労働者は年収24万年かもしれないが、日本の年収300万円未満の若年労働者と比較して生活が厳しいか楽か比較しないと分からない。

 「Foxconnで働くiPad製造にたずさわる女性、初めてiPadを見る(動画)」という記事もあったが、工場に勤めている人間は全員がその工場で作っているものを使うのが当然だとでも思っているんだろうか。フェラーリの工場の従業員は全員がフェラーリに乗っているのか?六本木ヒルズを建てるのに従事した労働者は六本木ヒルズに住んでいるのか?レクサスを作ってるラインの人間だって、自分ではカローラやミラとかを乗っているんじゃないのか?

いよいよ「iPhone 5」の製造開始? 今夏の発売に向け、中国で10万人の新規雇用に長蛇の列! : ギズモード・ジャパン.

そんな感想が思わず口を突いて出てきそうな長蛇の列が、早朝から深夜まで、旧正月明けの中国は河南省の鄭州にて見られましたよ。その列の先頭にあるのは、iPhoneやiPadの製造を請け負うメーカーとしても有名なFoxconn(富士康)の求人受付窓口でした!

実はFoxconnは鄭州にある工場を現在の倍の規模にスケールアップして、今夏に控えたiPhone 5の正式リリースに向けた大製造体制を整えるとの情報が流されており、今回は一気に10万人もの新規雇用を打ち出していますね。iPhone 4Sの供給は、ここのところ落ち着いてきてもいるようですし、これはもうiPhone 5のための従業員増員であることは間違いないのでは?

そんな憶測も駆け巡っているようですけど、それにしても、これまで数々の劣悪な労働環境の話も流れてきたFoxconnの求人に、驚くべきホットな人気で応募が殺到しているのは興味深い話ですよね。ちなみに今回の募集のウリは、それほど給料が高いわけではありませんが、無料で全寮制の宿舎を利用可能で、食事もすべてフリーで提供される好待遇が謳われていますよ。実はiPad 3のための人員増強だという噂は流れてないんでしょうかね~

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