clip:伝説の “Xanadu” ついにコード公開

Xanadu もうとっくに消滅したかと思っていたものが形になった。これだけ長い間ベーパーウェアと思われながら開発が続いていたことは信じがたい。これよりずっと後になって開発が開始されたが公開されることなく消えていったプロジェクトは数限りないだろう。project Xanadu

 HyperText は一部では www によって実現された。リンクによる参照については html で実装されたといっていいだろう(html の ht が HyperText から来ている)。だが、www がもたらした自由な情報の拡散に Xanadu が貢献することができるのか。

 ところで、今彼はどこで仕事を続けているんだろう。20年くらい前には北海道にいたと思うが・・・

伝説の『ザナドゥ』ついにコード公開 « WIRED.jp
さまざまな点でウェブに匹敵する多次元ハイパーテキスト・システムを構築しようという野心的な試みである『ザナドゥ』のソースコードが、30年の開発期間を経た後、謎に包まれたインターネットの予言者、テッド・ネルソン氏によって発表された。

1960年代初めに「ハイパーテキスト」という言葉を生み出したネルソン氏は24日午後(米国時間)、ソースコード公開について、カリフォルニア州モントレーで開催された『オライリー・オープンソース大会』の、空席が目立つ会議の席で発表を行なった。

『スクリプティング・コム』を運営する業界のベテラン、デーブ・ワイナー氏は、「テッド・ネルソン氏の著書や作品は、その世代の設計者や開発者に驚くほどの影響を与えた」と語る。

「テッドは予言者だ。多くの人が彼を尊敬している」

サミュエル・コールリッジの詩で歌われた伝説の王国『クブラ・カン』の桃源郷から名づけられたザナドゥは、世界規模の強力なハイパーテキスト配布システムとして着想され、現在のワールド・ワイド・ウェブ(WWW)のアイディアの源となった。

ネルソン氏によれば、ザナドゥは民主主義的ハイパーテキスト配布システムであり、文書やファイルを横に結び付けるという考えに基づくものだという。

一番の特徴は、ザナドゥを使うと誰でも文書または文書の一部の間に永久的な双方向リンクを作成できる点だ。

情報の世界規模の恒久的保管場所を提供するほか、ザナドゥ・システムは、著作権やマイクロペイメントなどの扱いにくい問題も自動的に処理しようとしていた。

ネルソン氏がザナドゥに取り組みはじめたのは1960年代初めだが、プロジェクトが多くの話題を生み出していくいっぽうで、システム自体はなかなか実現できなかった。

『ワイアード・マガジン』誌の紹介記事(英文記事)によると、ザナドゥは「コンピューター業界の歴史上、最も長く続いているベーパーウェア[宣伝はされているが実際に完成する可能性のないソフトウェア]の物語」とある。

ザナドゥが行き詰まっている間に、ティム・バーナーズ・リー氏が考案した同様のプロジェクトが、ワールド・ワイド・ウェブへと発展した。このことはネルソン氏をかなり苛立たせたという。

完成間近となったザナドゥの部分的なコードが2種類、ウェブサイト『Udanax』で手に入る。

これらのコードは、進行中のザナドゥ・プロジェクトと区別するために『Udanaxグリーン』、『Udanaxゴールド』と呼ばれているが、自由主義的な『X11』オープンソース・ライセンスの下で発表されている。

ワイナー氏は、このコードが実際に役に立つものかどうか確かではないが、ウェブが将来発展するための指針となるものが含まれていることを期待していると語った。「重要なのはアイディアだ」

発表されたコードは「多くの関心をかき立てて」おり、既に複数の『XML』(拡張マークアップ言語)討論グループでいくつも議論を生み出しているとワイナー氏は述べた。

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