ワールドカップ総括

 一回もJリーグの試合に足を運んだことの無い俺が総括するのもおこがましいが。感想の総括だけ書き留めたい。

 この記事が目にした中で一番うなずけるものだ。日本人はドイツという高緯度地域の夏の暑さをなめていたのかもしれない。少なくとも俺は、6月のドイツが日本より暑いとは思っていなかった。

 フォワードの得点力不足といわれるが、シュートチャンスに持ち込む力も含めて判断する必要があるだろう。ロナウドだって空振りしてるし、決定的チャンスでのミスキックだって珍しくないだろう。走り負けたり、センターリングの精度が低かったりすることも反省しないと、予選通過すら危ういだろう。

 後、決勝戦での退場プレーに対する反応が大きすぎる。ラフプレーによる退場なんて日常茶飯時だろう。審判にケガを負わせるような暴力を振るった人物を名監督のように持ち上げて報道している日本のマスコミが大騒ぎする理由が分からない。

 もう一つ、見落としただけかもしれないが、今回はXX総研からの「ワールドカップの経済効果」という記事がなかった。エリート・勝ち組・高給ビジネスエリートの総研研究員様がExcelのワークシートにチョイチョイと数字を入れて数字をでっち上げる姿が目に浮かぶような、突っ込みどころ満載の「経済効果」が読めないのはちょっと寂しかった。

asahi.com:世界と日本の差、さらに開く 個々の弱さ課題††W杯2006
2006年07月11日10時29分

 得点の入りにくいW杯だった。堅いブロック守備が全盛で、トップ下で攻撃を操る「10番」には受難の大会。イタリアのピルロとガットゥーゾ、フランスのビエラとマケレレといった深めに位置するMFが注目された。10番の代名詞だったジダンやフィーゴにとっては最後のW杯だった。

 1試合平均の得点は90年イタリア大会に次いで2番目に少ない。攻撃が消極的というより、各チームが試合の流れを制御しようとしたことでスコアが抑えられていた。

 戦術面で目新しさはなかったが、細部が追求されていた。主流は選手が互いの位置関係を決めたブロック守備。決勝トーナメントに進んだ16チームのうち14チームはDFが4人で、多くの場合、DFラインの前の深い位置にMFを2人置いた。この6人で相手の攻撃を受け止め、はね返す。優勝したイタリアは中央がとくに堅かった。

 深いMFのうち1人は、ピルロやビエラに代表されるように、攻撃でもキーマンになる。この位置に限らず、オールラウンドな上に特徴的な能力を備えていることが、トップ級の条件だった。

 得点の時間帯を見ると、後半30分以降の得点が約30%と最多。この種の統計は、集中力と関連して、前後半の開始時や前半終了間際の数字も増えるのが一般的だが、今大会は後半終了間際だけに得点が集中している。慎重な試合運びが一つの理由。暑さから、最後まで走り切る体力が勝負を分けた部分もあった。

 負傷者が目立った前回大会の反省から、今大会から各国リーグ終了とW杯開幕の間に休養期間を設けた。強豪が順当に勝ち進んだ背景だ。

 日本と比較すれば、守備の組織化、マークの厳しさ、タックルの巧みさで差があった。攻撃では1対1の局面で相手を打ち破る力の必要性を痛感する。中距離シュートの重要性も見逃せない。

 個々の弱さを組織で補おうとする従来の考え方では、もう対抗できないのかもしれない。個人でも世界レベルに追いつく努力をしなければ、4年後も惨敗を繰り返すだろう。世界のサッカーは急速に前へ進んでいる。日本との差は開いた印象だ。

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