アベノミクス:成長戦略の空っぽっぷり

nikkei avg 国民の手取り金額が増えるわけじゃないのね。因みに、バブル崩壊後でもこの指標を使えばGNIは伸びてた時期はあったはずだ。もちろん、何の実感もないままでデフレの解消にもならなかった。

 「電機業界など過当競争に陥っている分野では、米アップルなどに研究開発をリードされる一方、コスト競争力が高い新興国勢に追い上げを受け、業績低迷が続く。」という認識が既に終わっている。安倍も毎日新聞も。なぜなら、アップルだけでなく Samsung にも研究開発で完敗しているという事実から目を背けて「コスト競争力が高い新興国勢に追い上げを受け」などと書いているからだ。

 ただ、「設備投資の減税は、これまでも導入や拡充を繰り返してきた。13年度からは、設備投資額を前年度比1割超増やした企業に対し、投資額の3%を法人税額から差し引く仕組みを導入している。それでも投資が活発にならないのは、経済全体が底上げされて売上高が増えないと、投資が無駄になるからだ。」という指摘は正しい。売れるかどうかわからないのに設備投資するなんて自殺行為だ。シャープの液晶パネルやパナソニックの有機液晶パネルへの投資が両社の首を絞めたことをみんな見ている。

 円安もそうだが、海外の需要頼みではダメなのだ。アメリカや中国、欧州の需要が低迷し続けているのだ。生産能力が不足しているのではない。生産能力の過剰が原因なのだ。

 詳細に吟味したわけではないが、第三の矢のトップに挙げられているのが、「医薬品のオンライン販売解禁」というのには笑った。販売ルートが変わったからってパイは全く変わらない。しかも、医薬品のオンライン販売が解禁されてもさらなる需要に波及することがない。この程度のことすら分からず首相やってるって?自民党のブレーンが付いてるのにこの程度の案しか出せないって?一刻もはやく消えて欲しい・・・

<アベノミクス>成長戦略の効果未知数 参院選後に正念場 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

 政府は12日、産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)を開き、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の「第三の矢」となる成長戦略をまとめた。企業の設備投資を増やしたり、農地の有効利用を促したりする政策を導入し、10年後に1人当たり国民総所得(GNI)を150万円以上(約4割)増やす計画だ。ただ、金融市場には「踏み込み不足」との失望感もあり、政府は参院選後に追加の戦略を打ち出す。投資減税の実施などが焦点となる。

 成長戦略は、大胆な金融緩和、機動的な財政出動に続くアベノミクスの3本目の矢。2017年度までの5年間を「緊急構造改革期間」と位置づけ、民間の活力を引き出し雇用増や所得増につなげることを目指す。14日に経済財政運営の基本方針「骨太の方針」とともに閣議決定する。

 国内総生産(GDP)の成長率を今後10年間の平均で名目3%程度、実質2%程度に、民間設備投資を3年間で1割増の年70兆円に引き上げる。大胆な規制緩和を取り入れた「国家戦略特区」を創設し、国内外から企業を誘致して国際競争力を強化。米国の国立衛生研究所(NIH)をモデルにした先端医療研究の司令塔「日本版NIH」を20年までに創設するほか、保育所に入れない待機児童を17年度までにゼロにするなどの目標を示した。

 一方で、産業界が求める法人税の実効税率引き下げや、企業による農地所有の自由化などは見送りとなった。金融市場は「期待外れ」と受け止め、5日の素案提示後に株価は下落。このため安倍首相は、企業の設備投資を促す減税など追加の政策を、参院選後の秋に打ち出す方針を表明、成長戦略に「思い切った投資減税で法人負担を軽減する」との文言を追加した。政府は毎年秋から始める税制改正論議を前倒しし、6月中にも政府税制調査会の初会合を開く。自民党税調も、例年は11~12月に実施する税制改正作業を早める方針だ。

 ただ設備投資の減税は、これまでも導入や拡充を繰り返してきた。13年度からは、設備投資額を前年度比1割超増やした企業に対し、投資額の3%を法人税額から差し引く仕組みを導入している。それでも投資が活発にならないのは、経済全体が底上げされて売上高が増えないと、投資が無駄になるからだ。経済界は「投資減税だけでは設備投資は動かない」(米倉弘昌経団連会長)として、一段の規制緩和などで経済を活性化するよう求めている。

 産業の国際競争力強化に向けた具体的な道筋も示せたとは言えない。国内では競争力を失った企業の退出や、新たなビジネスへの参入が停滞。電機業界など過当競争に陥っている分野では、米アップルなどに研究開発をリードされる一方、コスト競争力が高い新興国勢に追い上げを受け、業績低迷が続く。

 このため政府は、(1)事業再編(2)民間投資の拡大(3)新市場の開拓--を3本柱とする産業競争力強化法案の制定作業を急ぐ。焦点となるのが事業再編で、業界の再編を促す指針を制定した上で、再編に取り組む企業に対する優遇税制や雇用支援策を検討している。

 安倍首相は12日の産業競争力会議で「秋の臨時国会を『成長戦略実行国会』と位置付ける」と強調した。本当に経済活性化につながる政策を打ち出せるか、参院選後に正念場を迎える。【宇田川恵、葛西大博、大久保陽一】

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