マーケットへの影響力の差

 iPod+iTunesの影響力は、新型の音楽プレーヤーとして画期的だっただけではない。iPodは最初のモデルでHDDを搭載し音楽の聴き方を変えてしまった。そして、納得いく著作権保護+低価格のiTMSで音楽の買いかたも変えてしまった。既存のオーディオ装置が不要になってしまったのだ。これは、既存のオーディオ装置やCDやMDなどのメディアと並列にしかプレーヤーを考えていなかったsonyや東芝、その他のメーカーには出来なかった。

 それゆえに、iPodには、これまでAppleとは関係のなかったオーディオ機器メーカーなども巻き込んだiPod市場が形成されている。単体でiPodを凌ぐ機能や性能を持っているプレーヤーはあるだろう。しかし、iPodエコノミーとでもいるような大波の前には無力だろう。

■ idea hint ■:i-Podを軸にマーケットが変化?

 このエントリは、鼻歌さんが数ヶ月前に北米市場でのカーオーディオマーケットについて言及されたものだが、音楽市場の平均価格が一夜にして下がるというiTMSショックを予言したようでもある。

 少なくとも、sonyと東芝にはチャンスがあったはずだ。iTMSより先にサービスを開始し、自前のコンテンツも持っていたのに。sonyは未だに日本市場だけでローカルに頑張っているが、迷惑なだけだ。

 思い出したので、ついでに書いておくが、よく「レンタルするほうが安い」という指摘があるがピントが甘い。レンタル屋に置いてあるようなヒット曲しか聴いたことがないという音楽体験貧乏の狭窄視野からの発言でしかない。自慢じゃないが、俺の聴きたい音楽の大半はレンタルレコード屋に置いていない。ここでもamazonから購入することになってしまう。結局利益を海外の企業に吸い取られてしまうのだ。

 公正取引委員会も、既得権企業が暴利をむさぼったりユーザーに不利益を強いるような囲い込みサービスをしていないか見張る必要がある。sonyが自滅するのは勝手だが、国内の市場が海外企業の刈り取り場になって、日本の経済が衰退するのは長期的に国全体の不利益につながるからだ。

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