エンコード猿 再び (Audion 3)

 MDで予約録音したラジオ番組(ナッティ・ジャメイカ)をshuffleで聴きたいと思った。

 しかし、OSXでオーディオから音声を取り込む方法が分からない。以前にOS9でやったときは、編集機能もついたTOASTのおまけソフト(CDSpinDoctor)を愛用していた。使ったことはなかったが、OS9はシステムだけでも取り込めたはずだ。が、OSXのコントロールパネルには、マイクから音声をとりこんでビープにするオプションすら見当たらない。仕方なくOS9で起動してCDSpinDoctorを立ち上げたが、音声入力信号を認識しなかった。

 iMacでの入力を諦めて、winでユーティリティを探した。いくつか候補は見つかったが、どれも今イチなできばえだった。お金を払わないと90分以上の連続録音ができなかったり、入力している音声のモニタができなかったり、音が悪かったりするものが多かった。

 半分諦めたときに、TidBITS で読んだ記事を思い出した。Panic.IncというソフトメーカーがMP3プレーヤーソフト市場でiTunes(というより、AppleのFairlyPlay)に敗れて、市場から撤退し、これまで有償だった高機能MP3プレーヤーソフトをフリーにしたというものだった(TidBITS日本語版#755)。そう、それがAudion3だった。Audionは古いソフトで、iTunesなんかより前からあった(といっても、AudionのライバルだったSoundJamがiTunesになったんだが)。スキンによるGUIのカスタマイズをmacのMP3にもたらしたのも(WMPよりずっと先)Audionだったように記憶している(偏っているので間違っているかもしれないが)。

 サイトを見たら、確かにfreeでOSX対応で、オーディオからのレコーディングも可能と書いてある。早速ダウンロードして、設定。数分後にはMP3ファイルを作ることができるまでになった。その後、MDプレーヤーの音量とiMacのオーディオ端子の入力レベルのセッティングを繰り返し、30分後にはほぼ最適値を見つけるに至った。使いこなすとまではいえないが、十分に「つかえる」ようになってしまうのが、老舗のmacソフトだ。サイトのデザインもいい。遊び心も十分。

 あまりこんな面倒なことをする人はいないだろうが、気づいたTips一つだけ。「Macのオーディオ端子の入力レベルを毎回必ずチェックすること」 。Audionのrecordingが勝手に入力レベルを最低にしてしまうので、そのままとると音量が小さくなりすぎるからだ。ソースの音質にもよるだろうが、ノイズ入りのラジオ放送を取り込む場合は、MD側の音量をかなり大きめ(ヘッドフォンでは我慢できないくらい)にし、Macの入力レベルは30%程度にすると音割れもなく、ノイズも気にならないレベルに抑えられた。

 これを使いこなせば、古いメディアに溜め込んでしまった音源を手軽にデジタル化することが可能だ。AIFFで取り込んでオーディオCDに焼けば、CD品質のオリジナルCDも可能だ。音質というのは、通る経路の中で最低のもの以上にはならないが、丁寧にやればMP3を介するよりはいい音になるかもしれない(MDの場合はメディア上ですでに圧縮されているのでAIFFは無意味)。

 ただし、CDからのリッピングとは違い、1:1で時間がかかるし、その後のデータの編集(曲ごとに切ったり、タイトルを手入力したり)が必要なので、定年退職後のライフワークにでもしてみてはいかがだろうか。(もちろん、個人の使用に限定してお楽しみください)

 アナログレコードでCD化されていない貴重な音源を何枚か持っているが、アナログプレーヤーとiMacをつなぐためのアンプがない….orz

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