形にこだわる人たち

 形式は重視するのに中身を重要にしない企業のすることはこんなこと。

case1:大阪証券取引所
 大阪証券取引所に上場している企業が決算期に提出しなければならない書類の電子化が進んでいる。以前は郵送していたものをメールで送信できるようになる。機密情報などはセキュリティのかかった専用ソフトを使わなければならないが、公開すべき情報なら見られても困らないしe-mailのほうがコストが安いから間違いではないと思う。

 提出するためのフォーム(excelのワークシート)をダウンロードして情けなくなった。妙にセルの幅が小さくて、複数のセルをまとめたものの、グラフィックのスタティックテキストがレイアウトされていた。違和感があるので、viewを確認したら縮小表示になっていた。等倍にしたら一部しか表示できなくなった。「どんな用紙設定やねん」と思ったら、打ち出しにも縮小がかかっていた…

 どうしてexcel職人たちは縮小表示(印刷)が好きなのだろう。今のフォントとレーザープリンターなら見栄え的には大して困らないが、使いにくいだろう。A4に打つのが決まっているのなら、A4の用紙の上でレイアウトすればいい。セルの幅を自由に設定するのが難しいのなら、テキストフィールドを配置すればいい。そのほうが、画面もすっきりして入力もしやすいのに。だいたい、excelに依存するようなものにすることが間違いだろう。ネットから直接フォームで入力できるようにすればいいだろう。

 それ以前に、上場企業なんて数が少ないのだから、会員企業の専用サイトを作って、代表者とか住所地とかいった基本情報くらいは登録しておけといいたい。上場企業はすべて、会費を払っている(しかも、ISPなんかとは比較にならない額だ)のだから。IT化を推進すると宣言しているのだから。それくらいはしようよ。

case2:JR西日本
 大阪駅ではホームの改修工事を行っている。3番と4番ホームはすでき出来上がっていて、帰りの電車はいつもこのホームを使う。

 しかし、黒い大理石風のパネルを貼った床は、雨にぬれるとすごく滑りやすくなる。しかも、ここは、屋根があるとはいえ吹きさらしのホームだ。絶対に転倒者が出てくるはずだ。

 危険な場所という認識がないのか、濡れたときに滑るか調べていないのか、最初から乗客の安全になんか興味がないかのいずれかだろう。

 何のために、ホームを改修したのか。ホームの見せかけと安全とどちらが重要なのか。

case3:個人情報保護
 個人情報保護法の施行についてはこれまでも何回か書いた。懐疑的なものばかりだが、今回もそれを補強するものだ。

 先日、ある企業に個人情報を預けることになった。そこで、相手は個人情報の取り扱いについてという契約書を持ち出し、長々と説明した。そして、俺が預けることに同意したことをサインさせられた。

 しかし、そこで行われる説明とは、「弊社は個人情報保護に取り組んでいる。事務のあうとソージングのために秘密保持契約を結んだ業者に情報を渡すことがある。個人からの要望があれば、個人情報は削除する。」といったことだけだ。

 こんなもん、全然意味がない。「安全と言っているから安全」とか「俺様が気をつけてやると言っているから大丈夫。安心して個人情報を使わせろ」とかいうのと全く同じだ。個人情報が漏れたときにどうするのか、損害の賠償をどうするのかが何一つ書いていないのだ。

 契約書にサインしたからといって、その会社に勤める誰かが、俺の情報を名簿屋に売ることを止めることは出来ない。あの契約書で守られているのは、個人情報を預かる側だけだ。もし漏れたらその企業の担当者は言うに違いない「個人情報の取り扱いには細心の注意を払っておりましたが。私どもの取り組みが不十分でした。ごめんなさい。しかし、個人情報の取り扱いについては、あなたも契約書にサインして認めたんだから文句を言うな」という感じに聞こえる。

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