輝け太陽:アシモフ

 アシモフの科学エッセー。輝け太陽

 アシモフについては、wikipedia-jで十分だろう。この本のことは載っていないが。著作自体が200冊以上ある多作家なので当然といえば当然だろう。全てが邦訳されたわけではなく、邦訳されたものも大半が絶版になっているようだし。この本は、絶版になったもののひとつ。出版していた社会思想社が倒産したので、再販の可能性もほとんどない。ちなみに、同社の現代教養文庫は小栗虫太郎、久生十蘭、夢野久作の本が入手困難なときにも継続していた。久生十蘭の「昆虫図」という短編集は、久生十蘭のおいしい部分を凝縮した作品群で一番好きな文庫本だ。

 出版が古いので、その後の発見でわかったことも多い。そういう意味では古い百科事典を読むような感じかもしれないが、基本的なことや、それ以前のことについては得ることが多い。

 そういえば、子供の頃はブラックホールが存在するかどうかが話題だった。しかし、今ではブラックホールは珍しいものではなく、この銀河系の中心にもあるということになってしまった。というか、その後の観測技術の進歩で観測されるようになった(間接的にだが)。

 アシモフが今の科学を解説したらと思う。科学者や数学者にしか見えない、それどころかイメージすら及ばない世界を、噛み砕いて(それでも俺には困難だったりするが)記述してくれる。こういう、サイエンス・テラーはその後いない。科学者が語ってくれることは興味深いが、楽しく料理するのには別の才能も必要だ。

 それと、あと一つ必要なのは読者だ。ひょっとしたら、どこかの研究者はこのような文章をかけるかもしれないが、需要が見えないという理由で出版する機会がないのかもしれない。ブルーバックスも最近書棚を縮小しているし。そんな研究者はblogなりメルマガなりを発行して欲しいところだ。一銭の儲けにもならないが・・・

 Amazonアソシエイトに参加したら簡単に写真を利用できるかと思っていたが、俺が紹介してるもので写真が載っていたのはほとんど無い・・・

 とにかく、アシモフ(アジモフ)の作品を古本屋で見つけたら必ず買うべし。アシモフ著作リスト-科学エッセイに科学エッセーのリストがあるが、ほとんどが絶版だ。

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