12年第4四半期結果(携帯電話編)

アメリカ市場での Apple と Samsung の強さが非常に印象的だが、世界での OS のシェアでは予想通り廉価版 Android 端末の台数が圧倒的なようだ。Apple も市場拡大のペースにかろうじてついていっているが、Blackberry や Symbien が盛り返すことは不可能だろう。Windows phone も存在感を示すには至っていない。

 アメリカ市場では Nokia の姿がほとんどないのも印象的だ。というより、携帯電話全体のシェアで Apple と Samsung だけで 65% を超えていることが驚きだ。残りの 35% を多くのメーカーで奪い合っているのだから、日本のメーカーの名前が出ないのも無理は無い。これが現実。

 日本のメーカーやマスコミは「xx の新しい端末 vs iPhone」などと妄想を語る前にこの現実を見つめるべき。同じ要素技術を使っている Samsung にここまで水を開けられた原因を冷静に分析して見習うべきは見習うべきだ。「iPhone と対抗できる端末が出来た」などとメルヘンなことをつぶやいている場合ではない。

アップル、米携帯電話販売で初の首位に=12年第4四半期調査 | Reuters

[サンフランシスコ 1日 ロイター] 調査会社ストラテジー・アナリティクスが発表した調査によると、米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)が2012年第4・四半期の米国内携帯電話販売で、韓国のサムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)を抜いて初めて首位に立った。

スマートフォン以外の機種も含む米携帯電話市場で、アップルの販売シェアは前期の26%から34%に大幅上昇。一方、サムスンは前期の31.8%からわずかに上げて32.3%となった。

アップルは「iPhone(アイフォーン)5」発売に合わせた積極的なマーケティングや通信業者の奨励金が功を奏し、販売台数は前年比38%増となる1770万台を記録。サムスンは1680万台だった。

一方、サムスンは2008年以来、米国の携帯電話販売でトップを維持。2012年の年間販売で見ると、サムスンのシェアは31.8%で、アップルの26.2%を上回っている。

携帯電話全体の出荷台数は、第4世代(4G)通信規格スマートフォンや3G携帯電話への需要が強かったことを受けて、4%増の5200万台となった。ただ、2012年全体では前年比11%減の1億6690万台だった。

 次は、年間の端末台数。10月まで最新機種だった 4S がランク入りしているのは当然だが、旧モデルだった iPhone 4 が 4 位というところが印象的。枯れた要素技術で開発費用や製造ラインの償却も終わり広告もしていない製品の固定費は少ない。ひょっとしたら Apple の稼ぎ頭は iPhone 4 と iPad 2 かもしれない。

Apple、2012年Q4における携帯電話販売トップ5のうち3つを独占(NPDレポート)

アメリカ国内における2012年第4四半期の携帯電話の売上げについて、トップ5のうちの3つをApple製品が占めたとのことだ。データをまとめたのはNPD Groupで、iPhone 5が首位、iPhone 4Sが3位、そしてiPhone 4が4位ということになっているようだ。また、全スマートフォンの中で最も売れたメーカーの称号もAppleが手にしたとのこと。2012年Q4におけるAppleデバイスの割合は39%で、サムスンは30%だったようだ。

2012年Q3比で、iPhone 4の売上げは79%の伸びを示した。またiPhone 4Sも43%の伸びとなった。ちなみに、2012年Q4における全iPhone売上げのうち、iPhone 5の割合は43%だった。これはキャリアからの統計データとも合致する値だ。サムスンの方も伸びており、2012 Q4では昨年同時期の21%からシェアを伸ばして30%を達成している。しかしサムスンの伸びはHTC等他のAndroidデバイスのシェアを奪ったもので、Appleのシェアに変化はない様子だ。

また、Net Applicationsは、iOSのトラフィックが大いに増加しているというレポートをリリースしている。それによるとiOSのシェアは増加しており、全モバイルOS中60.56%を占めるにいたっている。Androidの方は11月の28.02%からシェアを落とし、24.51%ということになっているようだ。つまるところ、iPhone 5のリリースにより、サムスンのGalaxy S IIIが築いたリードをすべて消し去ることとなったようだ。ところでAppleの達成した2012年における最高値は66%近くということになっている。それに比べるとAppleのシェアが低下していると見ることもできる。

ホリデーシーズンを含む第4四半期にて、Appleは4780万台のiPhoneと、2290万台のiPadを売り上げた。これによりアメリカ国内におけるスマートフォンおよびモバイルデバイスのシェアおよびトラフィックシェアのNo.1を堅持することとなった。また、Strategy Analyticsの統計によれば、生産台数でもアメリカ第一位の地位を取り戻したようだ(四半期ベース)。

 以下は OS シェア。プリペイドの安価なガラケーからスマートフォンへ機種変更の対象は現状では Android しかないので、これが一巡するまでは携帯電話の総売上数は頭打ちでスマートフォンの販売台数は増加、結果的に Android のシェア上昇という図式はあと数年続くだろう。

 笑いが止まらないのは Google か。彼らにとって台数が全てだ。回線の先には広告を見てくれるカモがいるからだ。顧客(広告主)に売る商材としてのユーザーの数は端末台数であり、メーカーやキャリアが一台あたりに得ている利益が幾らかであるかは無関係だから。

2012年Q4のスマートフォン世界シェア、Androidが70%超でトップ (Strategy Analytics 調べ) – Engadget Japanese
strategy-analytics-os-q4-2012-1359632476
米調査会社 Strategy Analytics が、2012年第4四半期 (Q4) のOS別出荷シェアを公開した。メーカー別のスマートフォン出荷台数でサムスンが世界第1位になったことから、Android OSの市場シェアはかなり大きいだろうと予想はしていたが、好調ぶりはどうやら予想を超えているようだ。同社が発表した2012年Q4の出荷ベースデータによると、Google Android の市場シェアは70.1%。前年同期の51.3%から飛躍的に伸びている。

アップル iOS の市場シェアは22%と、前年の23.6%からやや低下したが、他のプラットフォームはもっと打撃を受けている。BlackBerry、Symbian OS、Windows Phone を含む「その他」のプラットフォームは、2011年Q4にはスマートフォン市場の25.1%を占めていたが、2012年Q4にはたったの7.9%にまで落ち込んだ。

現在、Google とアップル、2社のプラットフォームが市場の92%以上を占めている。他の企業もこの状況に甘んじてはいないとしても、Strategy Analytics が述べているように、世界のスマートフォン市場はこれら2つのOSによる複占状態と言ってほぼ間違いないだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です