Tech-Onのほころび。「不祥事に見る鴻海トップダウンのほころび」

 不祥事と「トップダウンのほころび」との因果関係が全く分からない。このケースは、巨大化の弊害。或いは企業文化の問題かもしれない(そもそも中国の社会は贈収賄社会だということもよく聞くが)。「トップダウンのほころび」というのは、一人のトップに権限を集中させたために、個人の判断ミスが組織全体に影響を及ぼすようなケースを指す言葉だろう。

 日本の官僚機構はトップダウンではない。トップたる首相がコロコロ変わっても組織は変わらず、警察は暴力団と癒着し、税務署はノーパンしゃぶしゃぶ(懐かしい。今ならキャバクラか)漬けだ。組織が大きくなればこんなもんだ。

 ほころびてるのはこんな記事が公開されてしまう Tech-On ではないのか。編集長や経営者は知っているのか?

不祥事に見る鴻海トップダウンのほころび – アジア – Tech-On!

 疑惑をスッパ抜いたのは、台湾の週刊誌『壹週刊』。2013年1月9日発売号で消息筋の話として、フォックスコン傘下でSurface Mount Technology(SMT)技術委員会という部署の幹部が、設備や資材の調達を巡って供給業者から賄賂を受け取り、既に中国深センの公安当局に逮捕されたと報じた。

 壹週刊によると、発端となったのは、2012年8月にフォックスコンの李金明・行政総経理が受け取った、ある供給業者からの告発。SMTが長期にわたって納入業者に賄賂を要求している実態を告げるもので、帳簿を調べSMTで収賄が行われていた疑いを強めた李氏は、トップの郭台銘会長に報告した。

 同社が中国、台湾当局に通報した結果、2012年9月、中国広東省深センの公安当局が、少なくともSMTの幹部1人を逮捕。また、収賄の疑いで早期退職を迫られた幹部や、中国から台湾へ戻り逃走している幹部もいるという。さらに壹週刊は、Apple社のiPadやiPhoneの生産用設備や材料の購買担当幹部も調査を受けているとしている。

 壹週刊の報道を受けフォックスコンは2013年1月9日に声明を発表、「報道の大半は事実と異なる」としながらも、一部の社員の収賄について既に関係当局が調査中だと表明した。また、同社トップの郭台銘・董事長が、事件の徹底調査と、購買手順の見直しなど再発防止に向けた作業を行うよう社内に指示したことを明らかにしている。

 シャープの提携交渉をきっかけに、日本人から見れば強引すぎるとも言える郭会長の強力なリーダーシップや、トップダウン型の経営手法の下、フォックスコンが成長を遂げてきたことは、日本でも知られるようになった。ただ、従業員数が120万人とも130万人とも言われるまでに膨れ上がった今、郭会長の振るタクトに従って社員がいっせいに同じ方向を向き走り出すには、フォックスコンは巨大になりすぎてしまったのではないか。そんなことを思わせる今回の不祥事騒動だった。

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