「Windows 8導入を見送るべき理由」

 Microsoftにとっては認めたくないかもしれないが、企業なら当然だろう。企業ユーザは Windows 7 への移行が完了し運用ノウハウやアプリケーションの対応がやっと終わったところだ。リースで購入する場合にリース期間中に違約金を払ってまで新型にする必要はない。

 自分のいる会社では今年のリース満期時にPCはほぼ Windows7 に移行した(自分のPCは去年 XP から 7 機にリプレースされた)。これにともない、Office のバージョンも上がり 2003(xls,doc)で保存しなくてもよくなった。今でも 2007 と 2010 が混在しているが、2003 と 2007 との差よりは差が小さいので説明も少しは楽になった。

 そんな状態で新しい UI の OS なんて混乱の元でしか無い。企業で使う分には全くメリットがない。メインの業務用端末と Windows 8 の目指す方向とは全く違う。Microsoft は iOS の成功が羨ましくて仕方がなくて(以前から、Mac にあこがれていたもんね)、「これを Windows にも取り込んだら 95 みたいに儲かる!」と思ったのかもしれないが、Apple が Macbook Air と iPad を区別していることを見落としている。

 自分は社給PCに Logicool のトラックボールを付けて使っている。マウスより使用感が高くて楽だ。一日10時間以上作業しているときには腕の動きは最小に留めたい。ポインタを移動させたいために腕を振らなければならないのは苦痛だし続くと肩が凝る。自分は会社では 11 インチのノートPCなので、それほど大きくポインタを動かす必要はない。それでもトラックボールのほうが楽だ。まして、20インチや27インチなどのモニタを使って仕事をするような人はタッチでポインタ操作なんてこれっぽっちも考えないだろう。

【市場動向】 XPユーザーのための「Windows 8導入を見送るべき理由」 - TechTargetジャパン システム運用管理

 2014年4月のWindows XPサポート期間終了まで、いよいよ残り1年半を切った。サポートが切れたOSを使い続けることで企業が抱え込むリスクについては、あらためて述べるまでもないだろう。

ガートナー「ITデマンド調査」(2011年11月発表)よりWindows 7移行についての調査結果 ガートナージャパンが606社を対象に行った「ITデマンド調査」によると、2011年11月時点で「移行開始済み」と答えた企業は39.9%。「2012年中に移行する」という企業も23.8%を数え、既に多くの企業がWindows 7への移行に向けて動き始めている。

 しかし、まだ半数以上の企業が移行できていない中、2012年10月26日にWindows 8が登場したことで選択肢が増えた。コンシューマー市場では大きな注目を集めているWindows 8だが、企業がWindows XPの次のクライアントOSとして使う場合、選択候補としてどのように捉えるべきなのだろうか? ガートナージャパン リサーチ ITインフラストラクチャ クライアント・プラットフォーム シニアアナリストの針生恵理氏に話を聞いた。

残された時間を考えれば、移行先とすべきはWindows 7 針生氏は「まず結論から言うと、ガートナーではWindows XPの移行先として選択すべきはWindows 7と推奨している」と話す。最大の理由は「Windows XPサポート切れまでに残された時間の制約」だ。

 「Windows 8はまだリリースされたばかりのOSなので、アプリケーションベンダーや周辺機器ベンダーが本格的に対応するのはこれから。企業のクライアントOSとして安定して使えるようになるのは2013年後半からになるだろう。そこからあらためてWindows XPから移行対象とするには、2014年4月のサポート切れ期限までに実作業が間に合わない可能性が高い」。ガートナーでは「グローバルの全企業において、約9割はWindows 8への移行を見送るだろうと予測している」という。

 また、既にWindows 7への移行プロジェクトを立ち上げている企業にとって、あらためてWindows 8への移行を検討するのは二度手間になり、残された時間を考えると現実的ではない。従って、「結果的にWindows XPユーザー企業のほとんどはWindows 7への移行を選択するだろうし、実際そうすべきだ」と針生氏は述べる。

 Windows 7のビジネス用途におけるメリットも大きい。「Windows 7はリリースされてから時間が経過しており、OSとして高い安定性を持っている他、ソフトウェア/ハードウェアベンダーの対応やサポート体制も進んでいる。Windows 7対応アプリケーションの開発やサポートに関する技術者も充実している。そうしたエコシステムや技術ノウハウの蓄積という面においても、安定したOSといえる」

Windows 8は、タブレット端末用OSとしての用途に期待 「クライアントPCのOS」としてはWindows 8の採用が一部にとどまる一方、「企業向けモバイル端末のOS」としてのWindows 8には市場の関心も高いという。

 「昨今、iPadやAndroidベースのタブレット端末が急速に普及しているが、これらはコンシューマー向けの製品であるために、ビジネスシーンでは課題も多かった。例えば、Windows環境との親和性や、既存ビジネスアプリケーションとの互換性、製品サイクルの短さや管理などだ。その点、Windows 8搭載のタブレット端末を導入し、クライアントPCのOSもWindows 8とすれば、PC環境とモバイル環境のプラットフォームを共通化できるメリットがある。この点は企業のスマートデバイス活用に有効なポイントになるはずだ」

 これまでWindows関連のビジネスにかかわってきた膨大な数のハードウェア/ソフトウェアベンダーで形成されるエコシステムが、Windows 8のモバイルソリューションにおいても強みになるという。例えば、Windows搭載PCを開発してきたさまざまなハードウェアベンダーにより多彩なWindows 8搭載タブレット端末が登場し、ユーザーの選択肢が広がると予想されるという。

 さらにWindowsの世界には、膨大な数のデベロッパーがいる。これらデベロッパーのパワーとスキルがモバイルの世界に流入すると、「タッチ操作を軸とするユーザーインタフェース(旧称「Metroスタイル」)をフル活用した業務アプリケーションも、意外と早く登場するのでは」と針生氏は予想する。ただし、これを逆に言えば「それを今すぐ期待するのは早計だ」ということになる。

 「Windows 8は、PCとモバイルのプラットフォームが共通化された初めてのOS。そのメリットが生きてくるまでには、まだしばらく時間がかかるだろう。従って、企業におけるWindows 8導入は、クライアントPCのOSとしてではなく、まずはモバイル端末としてのメリットや可能性を検証するところから始めることをお勧めする」

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