時間の奪い合い:78%の人がテレビの視聴時間「減っている」と回答

 「テレビの製造販売を立て直す」と、日本の家電品メーカーの幾つかが言っていたような記憶がある。日本メーカーの技術力を活かした4Kハイビジョンで巻き返しとか、東洋経済や日経新聞や日経産業新聞にはあるが、残念ながら無理。投資は無駄になるだろう。何とか総研とか何とか経済研究所とか、XX銀行総研とかの高給とりさんには見えていないのだろう。

 日本でテレビ製造・販売が失速したのには素人目にも分かる理由がある。誰でも思いつくのは以下のとおりだろう。

  1. 地デジ特需による将来の需要を先取りしたことによる需要減。
  2. 国内でテレビに対する需要が減少した。
  3. 世界的不況により家電品への低価格志向が強まった。
  4. 韓国、中国の家電メーカーが品質的にも競争力を持つようになった。
  5. 為替レートが日本メーカーにとって不利な状態で安定した。(その分、輸入資材が値引きされたし、海外工場を持っている企業にとっては一方的に損している訳ではない)。

 これらのどこにも「画質が悪い」という答えはない。3Dも4KハイビジョンもBDもテレビの需要を喚起することはない。だって、「観たいものがないから観ない」のだから。この現実を見ないふりをして高画質な新規格なんか打ち出して、「日本の技術力で・・・」とかいっても誰も買わない。

 アナログから地デジになるときに、「ハイビジョンで臨場感がアップ」と散々アピールしたが、その高画質のモニタに映す番組はゴミのような芸能人の内輪受けや通販番組ばっかり。こんなもんのために高価なテレビなんて要らんがな。

 海外の需要家は景気回復により盛り返すかもしれないが国内は無理だ。国内では完全にテレビはオワコンなのだ。この流れは先進国だけでなく新興国にも加速度的に波及する。アメリカや日本、韓国、欧州の国々とは比較にならないスピードでアフリカや中南米の国々にネットは普及する。これまでのように、固定回線やパソコンによるインターネットという段階を飛ばしてスマホやタブレットによるネット参加が果たされるに違いない。それらの国々ではテレビが一家に一台になる前にスマートフォンでのネット視聴時代になる可能性がある。

 そうなったら、テレビが普及する前にテレビはオワコン化するだろう。

 下の記事に取り上げられている通りだ。視聴者がテレビなどの視聴に使える時間は限られている。その時間にネット活動の時間が割り込んできた。この流れは止まらないだろう。

78%の人がテレビの視聴時間『減っている』と回答 – 夕刊アメーバニュース
 1990年代に70%あった総世帯視聴率(地上波のテレビ放送を観ている世帯の割合)が、現在では63%台にまで落ち込んでいることが報道され、Yahoo!ニュースの「意識調査」コーナーでは、「テレビ番組の視聴時間は変わった?」との意識調査を実施した。

 テレビの総世帯視聴率が低下しているとの指摘がある一方で、ワンセグ放送やパソコンでの視聴、録画したテレビ番組の視聴は総世帯視聴率に反映されないことから、同コーナーでは「あなたのパソコンやワンセグ、録画を含めたテレビ番組の視聴時間は以前と比べて変わった?」と意識調査を実施。11月7日までに計21665票寄せられており、その結果を発表。

「減っている」という回答が78%(16783票)と圧倒的多数で、「同じくらい」が15%(3226票)、「増えている」は8%(1656票)という結果に。

「減っている」と回答している人たちは、「中立報道しないテレビは、信じない、時間のむだ」「見たい番組がなくなった」「ネットのほうが楽しいし必要な情報入ってるくるし」「見なくても生きていける」「視聴者をなめてるとしか思えない番組構成にただただあきれます」など視聴時間が減った理由をコメント。

 一方「増えている」としている人たちは「意識的な視聴はしてないけどつけっぱなし」「テレビ以上にネットの情報が酷い(憶測・捏造など)ので、最近はラジオやテレビの視聴時間が多くなった」「以前はほとんど見なかったが、地デジ対応TVにしたらよく見るようになった」「視聴時間、増えているね。ただ、リアルタイムじゃなく、録画して見てることが多い」などのコメントが寄せられている。

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