生きる勇気(白昼夢的事業計画)は至る所に

地デジ以降テレビのない生活をしているしソフトバンクユーザなので docomo の有料ローカルテレビ放送などには微塵も興味がなかったが、下のエントリを読んで俄然興味が湧いたwww どうやら、放送電波を使ってデータを配信するというものらしい。既存の電話回線網に負担をかけず一方的にデータをばらまいて端末側で受けっとってダウンロードしコンテンツになるというもののようだ。そして、それは月額420円という有料サービスだ。docomo がやっているにもかかわらず、電話回線も使わないしWi-Fiによるサポートもない。アホや・・・

 ユーザの目線が全くない。元々テレビを観ないような人間が NOTTV を使うはずがない。スマートフォンのワンセグ機能を使って外出先でもテレビを観るようなテレビハードコアなユーザは確かにいる。電車の中でスマートフォンを掲げるようにして横持ちして全く操作していないおっさんがそうだ。しかし、かれらとて、ワンセグでテレビを観たいわけではないだろう。自宅に着けば自宅のテレビを使って番組を視聴するはずだ。

 電波状態が悪いとデータのダウンロードができないというのは電話回線と一緒だが、ダウンロードを再開する事ができないことが大きなデメリットだ。60分の番組をダウンロードしている途中30分くらいを落とした時に圏外に行ったら、その番組を全部観るためには電波状態が良い所に戻るだけではダメで、次にその番組が放送されるまで待たなければならない(その間隔は知らないが)。放送という一方通行な配信は「リアルタイム流しっぱなし、途中見えなければ諦める」ということが前提だ(ワンセグで野球を観ててトンネル入って出てきたときにプレーが進んでいるのは当然)。

 それ以前に、LTEより狭い放送エリアでは対応機種の大半が有料契約しなくても不思議はない。「対応機種の1/3が契約」というのが間違いだろう。対応機種のうち放送エリア内で使われる端末はせいぜい80%くらいじゃないだろうか(他のサービスのカバー率と見比べて)。そのうちの40%くらいが契約しないと対応機種の売上の1/3にはならない。しかし、ガラケー時代からワンセグチューナー付き端末を持っていても使っている人の割合は10%未満だったはずだ。無料のワンセグチューナーですらだ。それどころか、ガラケー末期には最新機種をかったら漏れなくワンセグチューナーが付いていて、その存在に気付かないというユーザすらいた。こういう実態を全く理解していない。後、会社契約の端末ではこんな娯楽系のサービスの契約することはないということも docomo のみなさんは知っておいた方がいい。

 自分とは比較ならない高給取りの皆さんが考えたサービスなのだから、あと半年で90万契約くらい伸びるのだろう。ぜひ見守りたい。

 それはともかく、「客観的に見て失敗だろうと思えるような計画(目標?予想?希望的観測?)を立てて、次々とその現実が不可能と分かると不可抗力の外敵要因のせいにして正当化して責任を回避する」というのは日本の企業のみならず国や自治体でもよく見る。

 本四架橋、高速道路、日本中に散らばった地方空港や港・・・「これができたら人の行き来が活発になって採算に載る」。そうやって作ったものの採算が取れずにお荷物になっているものがどれだけ有るか・・・

 もっと身近な例としては、自分が務めている会社の中期計画と設備投資。その話を聞いた時に「ホントにそんな売れるようになんの?それに、生産力増やしたら供給過剰になるじゃないの?」と思っていたが、その不安が的中。景気の後退と他社の設備増強とで供給過剰になり売上は伸びないのに値下げ圧力がかかるという事態に・・・しかも、そんな(短期的に)失敗の設備投資により業績が悪化した時に従業員の賞与を下げることで凌ごうとしている・・・真っ先に下げるべきは役員報酬だろうが、役員は「世界景気が悪化することや他社の設備投資は知らなかった」で済んでしまう。

 まあ、うちの会社の経営陣は「生きる勇気」を従業員に与え続けてくれているのだろう(- -)…

「NOTTV」の白昼夢的事業計画に、生きる勇気をもらった – 世界はあなたのもの。

スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向け有料放送「NOTTV(ノッティービー)」の契約者数が開局半年で18万人となった。年間目標の100万人達成は厳しいとの見方も出ている。放送に対応する端末の少なさや電波受信状況、コンテンツ不足など要因は様々だが、NTTドコモなどが出資する運営会社は、今後の対応機種や視聴地域の拡大で巻き返しは可能と強気の姿勢を崩していない。

まずは、開局して1ヶ月時点の4月末の契約者数が24,400件・9月末時点で18万人・来年の3月末時点で100万達成というシミュレーションをグラフ化。月毎の契約数は単純に月数で割って算出。

今月から奇跡の右肩上がりの快進撃の始まり(予定)。

二木社長によると、ドコモのNOTTV対応端末の年間販売目標数は300万台。そのうち3分の1のユーザーが契約すれば目標を達成できるが、「契約率は当初の想定通りに推移している」という。

これはもう、正気の沙汰ではないのであります。記事には運営会社である mmbi の二木社長のインタビューも掲載されているが、これがもう完全な白昼夢。第2次世界大戦末期の参謀本部もかくやあらむ、現実直視拒否・数字把握拒絶・天高く馬肥ゆる紐なしバンジージャンプ的事業計画。

私、生きる勇気をいただきました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です