Android、世界のスマートフォン市場のシェア64%―トップの座をゆるぎないものに(Gartner調査)

 この「シェア」が何を指しているのか分からないので断定は難しいが、台数だとしたらこちらの理由が大きんではないだろうか。そして、台数シェアでは更に差がついていくだろう。その原動力は安価なローエンド端末だ。「サムスンで1番売れた端末はプリペイド端末だった」の情報だけでなく、Google の Android OS 内シェア推移からも読み取れる。

 GALAXY S III は大ヒット端末かもしれないが、それ以上に売れている Android 端末は Samsung はもちろん、それ以外のメーカーにも有るに違いない。話題にならない機種が実際の市場の動きを司っているというのは、先日もノートPCの売上上位10位に Macbook Air が入っていないことでもはっきりしている。IT系メディアはこぞって Ultrabook 取り上げるが、実際に売れるのは 3kg の光学ドライブ・テンキー・地上デジタルチューナー付きなのだ。

 スマートフォン市場の拡大のペースは一社では賄えない規模になったのだろう。もし、Apple が Samsung と同じ端末台数を売ったとしても、iOS のシェアは下がり続けるからだ。

Android、世界のスマートフォン市場のシェア64%―トップの座をゆるぎないものに(Gartner調査)

スマートフォン市場の最新の情報が入ってきた。トップはAndroid、iOSは大きく引き離された2位だった。

この種の調査で世界的に定評があるGartnerの前四半期を対象にしたレポートによれば、この期間に世界で販売されたスマートフォン中、Androidのシェアは64%でiOSのシェアの3倍近かった。メーカーではSamsungが9000万台を売ってトップに立った。

世界市場でのAndroidの優位は否定できないものとなった。もっとも熱狂的なAppleファンといえどもiOSが2番手でありAndroidがトップであることを認めざるをえないだろう。

Gartnerのレポートは2012年第2四半期のスマートフォンの販売についてのものだ。ただし対象となる4月から6月という期間はAndroidに好材料が多く、iPhoneは買い控えが始まっていた。5月にSamsungからGalaxyS IIIがローンチされており、これがSamsungの好調の大きな部分を担ったものと思われる。

Gartnerの第1四半期のレポートでもSamsungとAndroidが1位だったが、その時期にはSamsungはNokiaを抜いてやっと世界のモバイルデバイスの販売数で1位になったばかりだった。Androidのシェアは50%台の半ば、Appleは3300万台のiPhoneを売って、iPhoneのセールスとしては歴代2位を記録していた(Appleはその直前の2011年の第4四半期に3700万台を売っている)。しかし今期の数字でAndroidの首位の座はゆるぎないものになった。

GartnerのレポートによればiPhoneのセールスは第2四半期にはいってやや低調だ。おそらく現在はもっと落ちているだろう。Apple CEO、ティム・クックは前回の四半期業績報告でiPhoneのセールスはiPhone5の発売が迫っているという噂のために落ち込んでいることを認めた。消費者は(賢明にも)新機種の発売が間近に迫っている現在iPhonを買おうとしていない。iOSの市場シェアも対前年比では微増にとどまった。

iPhoneが絶好調だった2012年第1四半期にAppleは3300万台を売った。たった3モデルしかないことを考えればますます驚異的な数だ。第2四半期にAndroidは9800万台が売れたが、この数字をiOSデバイスと直接比べる方法はない。9月にリリースされると言われるiPhone5はクリスマス商戦にかけて大いにAppleを力づけるだろうが、Samsung、Motorola、LG、HTCを合わせたAndroidの販売総数には敵わないだろう。あるいはSamsung単独でAppleを抜く可能性もある。

スマートフォンのプラットフォーム戦争はもはや信者同志の口喧嘩のタネなどではなくなっている。デベロッパーは「まずiPhoneで開発、様子を見てAndroidに移植」というセオリーを見直す必要に迫られるだろう。Googleも一段と戦力を強化しなければならない。GoogleのPlayストアの現状はひどいものだ。またAndroidでは深刻な海賊行為が蔓延している。Androidというエコシステムには問題山積だが、Androidというプラットフォームは確実に優位に立っている。

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