2/150 しかないんですか?あるいは、楽天の「貢献」について。

 記者会見で目標とはいえ 150 万冊を挙げたのに、1万9千冊しかないって・・・

 自分にはどうでもいいが、そのうち青空文庫が1万741冊というのは看過できない。青空文庫に掲載されたデータは転用が自由だ。社会的にも価値あるものばかりといってもいい(作者の死後50年も経ってなお、ボランティアで入力したいと思われているものだから)ので、広く配布するのは構わない。しかし、楽天がそれを自社の利益のために、自社で作った成果物であるかのように利用するのには心穏やかでいられない。

 最低でも、青空文庫をソースにして作った epub ファイルは青空文庫に掲載してほしい。楽天のサイトで自由にダウンロードできるようにしても構わない。あるいは、楽天で著作権の切れた作品をデジタル化し配布する際にそのテキストデータを青空文庫に提供するようにして欲しい。

 未木谷社長の Kobo の発表時に日本の電子出版に貢献するとあったが、無償(というより費用持ち出し)で作られた成果物を自社の製品の価値を増やすのに利用して、その労に報いることをしない金の亡者に「貢献」を口にする資格はない。

楽天「Kobo Touch」のスタートダッシュと今後を考える

 Kobo20+ 件 Touchの端末紹介ページには、「日本語で約3万冊」という記述がある。実際にストアが正式オープンした7月19日にラインアップを確認してみたところ、日本語書籍は1万8894件と3分の2にも満たない状態でスタートした。これは明らかにオーバートークだ。また、無料作品だけを絞り込むと1万2537件、青空文庫で検索すると1万741件だったことから、国内のコンテンツに占める有料コンテンツのラインアップは少々見劣りする。

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