サブロクキョウテイなんて・・・ワタミフーズが適正な手続き踏まずに時間外労働

 見落とされている問題がある。36協定を結んだら所轄の労働基準監督署に提出しなければならない。その時に、120 時間の時間外を認めたことだ。それについて、労働基準監督署が是正の指導をしなかったのかどうかだ。今回の労災の問題が起きるまで放置していたのなら、労働者の労働環境を守るための労働基準監督署の職務怠慢と言わざるをえないだろう。

 仮に、ワタミフーズが36協定以上の労働を強いていたのなら労働基準監督署は是正させるべきだ。そうする義務が働基準監督署にはある。「指導する権限を有する」という書き方かもしれないが、社会から要請されているのは「指導する義務を有する」だ。また、ワタミフーズが交わしていた36協定の内容の範囲で労働してた社員が過労死したというのなら、そんな36協定を認めて是正をさせなかった労働基準監督署は共犯といえる。

 ついでに書くなら、ワタミフーズの手続きについては、日本の多くの企業で行われていることではないだろうか。労働組合がある会社なら、実質はともかく労働組合の代表と押印を交わしているだろうが、そうでない企業(事業所だが)は惰性で誰かが適当に印を押しているだけだろう。

 それに、実際問題として、ワタミフーズのような企業で挙手で代表を選ぶ手続きを踏んでいても、選ばれるのは会社が指示したベテランバイトとか平社員だろう。そんな人間が、他の組織化されていないめんどくさくなったらやめる気満々のバイトの労働条件の改善を求めて会社と交渉するわけがない。そんな権限もなければ義務もないだろう。こんな会社で会社の方針に異を唱えるのは困難だろう。だからこそ36協定があるんだし、それを監視するのが労働基準監督署なのだ。

 ロケットニュースに求めるのは無理かもしれないが、マスコミは反論できない状態にいる企業の粗探しをして袋叩きをするだけでなく、問題が発生した原因を広く考慮した問題提起をして欲しいが、日本のマスコミじゃ無理か・・・

ワタミフーズが適正な手続き踏まずに時間外労働 / ネットユーザー「予想通りだ」 | ロケットニュース24

2008年に自ら命を絶った元女性社員の労災(労働災害)が認定された居酒屋「和民」(ワタミフードサービス)。労災認定された当初、会長の渡邉美樹氏は「命懸けの反省をしなければならない」とTwitterに投稿していたのだが、従業員の労働時間に関して、驚くべき事実が判明した。

東京新聞が報じたところによると、同社は適正な手続きを踏まずに、従業員に時間外労働をさせていたとして、厚生労働省労働基準局監督課は「労働基準法に抵触する」と、指摘しているという。

時間外労働や休日出勤に関しては、労働者と使用者の間で「三六(さぶろく)協定」が結ばれていなければならない。三六協定とは、「労使協定をし、行政官庁に届け出た場合においては、その協定に定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる」(労務安全情報センターより引用)というもの。

使用者(今回の場合はワタミフードサービス)は、労働組合もしくは従業員の過半数の推薦で選べれた代表と、時間外労働などについて話し合わなければならなかったのだ。ところが同社の店舗では、店長がアルバイトのなかから代表を指名、その人物に協定書に署名させていたそうだ。届けには「挙手で選出」と記されていたそうなのだが、実際は挙手での指名を行っている実態がなかった。
 
・三六協定を結ぶ手続き
労基法 労働組合、もしくは従業員過半数に推薦された代表と合意しなければならない
ワタミ 店長がアルバイトから指名し、署名させていた
 
・時間外労働の時間数
労基法 限度は一カ月45時間(原則)
ワタミ 三六協定で結ばれていた時間は、一カ月120時間だった
 
さらに時間外労働時間に関しても、過労死の疑いがもたれる月80時間を超え、120時間の労働を認める協定を結んでいたのである。

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