インターネットは世界を広げたか

★ インターネットを使ったところで、世界は広がらない

決めたブックマークと決めたアンテナに登録されているページばかり見ている生活では、そこで世界が閉じてしまった、狭くなってしまったといえるんじゃないかなと。

アンテナでなくても、Blogrollでも、はてなでもいっしょだと思うね。

まぁ、知らないpingを逆に追いかけてみたりとか、見知らぬ人のコメントに紐付くurlにアクセスしてみるとか、何かしら世界や枠を越える行動を、普段しているかどうか。そこだな。

 今は俺も、自分で設定したアンテナ、公開アンテナ、自作リンクページからリンクをたどってサイトを読んでいる。これを長く続けていると、「ここのサイトの人は、PCはIBM、PDAはCLIEで、回線は・・・」となる。そう、まるっきり村社会だ。ネット上の村社会。専門用語という方言を使い社会(コミュニティ)の帰属意識を確認・表明する。それによって排他的な雰囲気を作ろうという意識がなくても、馴染みのない人間にはバリアのように見えてしまう。

 情報収集をネットに依存しているGEEKには(俺もだ)、ネットで発言しない人の意見は分からない。まして、家にPCがなくても困らない人の意見に触れる機会なんか全くない。だから困るかといえば、俺は全然困らない(俺は消費財を扱うマーケティング担当者じゃないからね)。困らないけど、いるのかいないのかさえ分からないこのとが少し恐い。

 しつこく繰り返すが、人は見たいものだけを見る。目に入ったものですら、フィルターを通してしか判断できないのに、目にする機会がなければ、存在することすら認識できないだろう。インターネットにより、個人の世界は広がったかもしれないが、つながったのは、同じ嗜好同じ趣味を持つ物理的に離れた人同士なのかもしれない。それをして「世界が広がった」というのかもしれないが、それでは多様な価値観に触れることにはならない。

 そんな俺たち(って、勝手に一緒にすんなって怒るかもしれないが)の消費性向がここに余すところなく記述されている。 

mDiary:世の中の物価価値を再確認

(コートを)ものすごーく欲しくなったが、値札に4万円台の値が付いているのを見て怖じ気づいた。まぁ、仕事向けにしっかりしたものが欲しいと思いつつも、4万円も消えるのはさすがに恐い。おかしいなぁ、PDAやらカメラやらなら、平気で6万円とか8万円とか使えるっていうのに。

 つぎ込む対象がPDAやカメラなところがmichieruさんらしくて楽しい。逆に、服には何万もつぎ込めるのに、ネットなんかケータイで十分という人もいるのだろう。俺なんかは、可処分所得の絶対額が不足しているコミュニティに属しているので、純粋なウォッチャーだが・・・

 そんな俺だが、MyBlogJapanのRSSリーダーのおかげで、新しいサイトに出会う機会が増えた。しかし、早晩ここも日記才人や関心空間化することは間違いない。それ以前に、MyBlogJapanなどにpingを飛ばしていないサイトについては存在しないのと一緒だ。まして書かない人についてはどんなツールを使おうが、サーチエンジンががんばろうが存在しないのと一緒だ。俺の場合、子供がいることや会社勤めしている関係上、いやでも人とオフラインコミュニケーションしなければならないが、相手のことは知らないし関心もない。ネット上で読むサイトの人間のことは「こいつ、3ヶ月前に新しいPDA買ったばかりなのに、また買いやがった」と知っているくせにだ・・・・

 インターネットはその上に地理的にはばらばらな成員によるカルトの生成を助けた。それにより、何等かの属性を共有する人同士のコミュニケーションにおいて距離的な障害を取り除いたが、個々の成員が属する実社会(オフラインの生活という意味)での世界を広げることはない。ということではないだろうか・・・

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