犯罪講師

 天藤真

 数十年前の推理物。時代が中途半端で興味をそがれる設定が多いのが読みづらいが、面白いアイデアが所々にある。読みやすいので3時間もあれば十分。とりたてて言うことはない。古本で見つけたらどうぞ的な感じだ。

 しかし、追い詰められた人物が島に帰って、悪人に追い詰められたとき、島のコミュニティ・ネットワークで対抗するところが好きだ。それは、クロコダイル・ダンディ2で主人公の追跡を命じられたアボリジニが笑いながら銃を持った悪人の前から忽然と消えてしまうシーンを思い出すようだった。

 一番好きなのは「採点委員」だが、何回も読み返したのは上のシーンだ。文体が今一で折角のアイデアを活かし切れないのが残念だったが、

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です