RX3:しょっぱい SHIMANO 310 シフター

 自分が子供の頃に乗っていた自転車の変速機はフリクションタイプで、一本のレバーの操作で上下させていた。今の主流はシフトアップとシフトダウンをそれぞれ専用のレバーで行うものだ。形は違うがママチャリの3段変速で採用されているものと機構的には一緒だ。一部のクロスバイクやシティサイクルにあるグリップタイプのシフターは機構的にはフリクションと同様といえる。また、ハイエンドでは変速機を電動化しシフターは電気スイッチでしかないというものも現れた。

 RX3 に付いているのは SHIMANO M310 というもので、フラットバーでは主流の2本レバーだ。親指で大きなレバーを前方に押しこむようにすると変速機が大きいギアの方に動き、人差し指で小さいレバーを引く(握る方向動かす)と逆に動く。前の変速機(左のレバーで操作する)は大きなギアになると重くなり、後ろの変速機(右手で操作する)だと重くなる。変速機を大きなギアに入れるときに力がいるので大きなレバーに割り当ててある。

 問題は小さいレバーの操作体系だ。以前乗っていた Gary Fisher の Hoo koo E Koo についてたシフターは SRAM X9 で両方のレバをー親指で押しこむようにして操作するものだった。親指だけでシフトアップもシフトダウンもできるということに意味があったのだ。人差し指はブレーキレバーを操作する指なので、路面状況が変わるようなときにはブレーキレバーに掛けたままにしたい。しかも、そういう条件の時には変速機の操作もしたいことが多い。親指は変速レバーの操作しかしなくていいから両方を親指にアサインしておくのは合理的だ。
 息子の2006年モデルのTREK7100 についていた Altus はブレーキレバーより上に小レバーは付いていた。これは、M310 より立ち漕ぎ時の操作性が悪かったが、シフターとブレーキレバーが近いために人差し指を大きく動かさなくても操作を切り替えられた。M310 はブレーキレバーより下に位置していてレバーの操作はしやすくなったが、シフターからブレーキレバーに人差し指を移動するときの動作が大きくなった。右の上図はハンドルを横から見た概念図。赤がブレーキレバーで、黄色が少レバー、青が大レバーだ。通常時は赤と黄色を操作するときの移動角度はあまり多くない。

 右下図が立ちこぎ時の概念図。腕が上からハンドルに来ている分人差し指の付け根の関節位置がレバーに近づくために、少レバーとブレーキレバーを操作するときの角度差が大きくなっている。

 これらを考えると、人差し指で小レバーを動かさなければならないという操作体系に問題があると思われる。どの位置にしても不満が生まれるからだ。両方を親指で操作するということが特許で守られているのなら仕方がないが、もしそうでないなら、「真似した」という批判は受けるだろうが、両方を親指で操作するレバーにして欲しい。これは GIANT への要望ではなく SHIMANO への要望だが。

 GIANT が SRAM のダブルレバーと変速機を採用するというのでも RX3 乗りにとっては構わないが、変速機とシフターをミックスするのは山手ほしい。まあ、買ってしまった自分にはどうでもいいことだが。

蛇足:特許になっているかどうかは知らないが、ハイエンドのマウンテンバイクなどに搭載されているシフターはこの問題をロードバイクで開発されたダブルコントロールレバーによって解決はしている。ブレーキレバーをレバーの代わりにしてしまうというやり方だ。これなら、人差し指でブレーキレバーと変速レバーを同時に持ち替えること無く操作できる。ただし、シフターが複雑になり値段が高くなるので、RX3 クラスの自転車には搭載されない。

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