PHP研究所のメニューに見るPanasonicの凋落

2014414_00 PHP の通信教育を受ける義務がありカリキュラムを見た。松下幸之助の哲学を世に敷衍するためのメニューは別にして、面白いと思った。

 右のカテゴリを見ていただきたい。職種別コースで生産と販売しかない。販売もセールステクニックについての講座ばかりだ。経理や総務といった部門の仕事についても全くコースが設定されていない。人数比率が低いから重視されていないのかもしれないが、経理や総務は全社を横断的に見なければならない部署なので、組織のたがとして人事と同じくらいの重要性があるが、松下幸之助の頭のなかでは、ただの記帳マシンでしかないのだろう。

 生産について(生産、現場改善、QCはすべて生産だろう)は充実しているようだが、中を見ると問題があるように感じた。5SやQC、現場改善といった、生産効率を上げるものが大半だ。これらは、内向きの改善でしかない。生産効率を上げることにはつながるが、新しいものを創ることにつながらない。「完成度の高いものを低コストで作れば“海外のユーザが”買ってくれる」という時代の産物なのだ。今は市場の構造が違う。当社比で従来モデルより高機能なものを安く作っても売れない可能性があるのだ。市場(顧客)に対して働きかけるモノ造りや他社との競争をどう勝ち抜けるかというコースが皆無だ。

 商品のマーケティング・ミックス(価格、仕様、性能、広告、流通、仕入・・・)のうち改善が効果を上げるのは一部だけだ。松下塾の優秀成績者からは iPod は生まれない(当然、iPhone も iPad もだ)。Panasonic から新しいものが出てこないことがよく分かる気がした。

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