リサイクル・エコの本質:「汚れが気にならない」

 朝のNHKで、新しいエコ商品を紹介していた。そこで、ヨーロッパのメーカーが作っている、トラックの使用済み幌を使ってメッセンジャーバッグのようなバッグを取り上げていた。>Freitag

 そこで、実際に使っているというデザイナー氏が言ったコメント。(廃品利用して資源のリサイクルになっていいという意味のコメントをした後で)「汚れも気にならないからいいですね」

 「汚れが気にならない」ねぇ。つまり、このデザイナーは普通の素材のバッグだと汚れが気になるので、汚れたら次々買い換えるというライフスタイルを改める気などないのだろう。どうせ、ファッションで使ってるだけで、このバッグが巷にあふれるようになったら、使わなくなるくせに。それなら最初から「珍しくてかっこいいから使ってます」と正直に言えと思う。

 手持ちの汚れが気になるバッグを、汚れを気にせずにぼろぼろになるまで使うほう資源の浪費防止に役立つだろう。

 これが、俺の寝る部屋のエアコンを買い換えない理由だ。古くてエネルギー効率の悪いエアコンだが、年に2~3回、蒸し暑いのに天気が悪くて眠れないような夜に数時間使うだけのものを省エネタイプに買い換えても節約できる電力(化石燃料)は極わずかだ。それに対して、交換のために必要となる資源コスト(スクラップにするコスト、新しい機械製造のためのコスト)のほうが圧倒的に大きいと思われるからだ。長時間使う部屋や、大きな省エネ効果が見込める場所なら判断は違ってくる。

 そういう意味で、エコロジーファッションや自然素材の服や家具の欺瞞が見えてくる。最新エコロジーファッションに身を包むより、タンスの肥やしになっている服を引っ張り出して着ることのほうがはるかにエコロジーなのだ。もちろん、こんなことをみんなが考え出したらゴミを作っている企業やそれを宣伝することで潤っているマスコミが困るので、黙っているが。

 NHKはこういうサイクルから外れている数少ない企業なのだから、このような製品を薦めるようなことをする必要はない。むしろ批判的に取り上げるべきだろう。それができないのが、NHKの勘違い体質なのだ。

 とにかく、今あるものを大切に長く使おう。これが大事。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です