スマートフォン市場での意外な結果(iPhone の健闘)

 去年は、iPhone 4 の供給が間に合わずに需要に応えられず、複数メーカーで供給力をカバーした android にシェアを伸ばされた(販売台数では大幅に増加したが市場の成長率はそれ以上だった)。今年は十分な供給体制で臨んだということか。iPhone 4S は内部的には大きく変わったが、函体が大きく変わらなかったことが供給的には有利だった可能性もある。A5プロセッサも iPad 2 で経験を積んでラインの効率も上がっていただろうし。供給面で有利な条件が揃った年ではあった。

 また、iPhone 4S は発売後一月で年末商戦に入るというタイミングでの発表だったので、これまでの初夏に発表するより年末の消費期ドライブを受けられたかもしれない。

 印象的だったのは iPhone の上昇より RIM の低下だ。RIM はビジネス継続の危機といっていいだろう。他に金のなる木を持っている MS とは違うのだから、Windows Phone よりシェアは残っているとはいえ苦しいことには変わりないだろう。ただし、この調査は現在稼働しているデバイスの数を現わしているわけではないので、サービスと一体化したRIMのビジネスが危ないというわけではない。

 あと一つ、もっと驚いたことがあった。下のランキング表で iPhone 3GS が3位ということだ。3世代の端末が上位3位を独占ということはハイテクデバイスでは考えられないことだ。そして、このことは日本にいては分からない。こういった旧モデルが売れ続けていることは Apple の利益体質の強さに直結しているだろう。固定費への新規投資が全くない数年前に開発した機種だから iPhone 4S より一台当たりの利益率は高いかもしれない。

アメリカのクリスマス・シーズンのモバイル市場はiOSが猛追―43%でAndroidにほとんど並ぶ

by Sarah Perezon 2012年1月10日

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調査会社のNPDの最新のレポートによれば、アメリカのスマートフォン市場におけるiOSのシェア(販売台数)は2011年第3四半期の26%から、 10月-11月期には43%に躍進したという。Androidは第3四半期の60%からダウンしたものの、47%で依然トップの座を守った。

NPDは「スマートフォン市場では2011年を通してiOSとAndroidが他のプラットフォームを引き離し、2頭立てレースの様相を呈してきた」と要約している。

全体としてスマーフォン市場は拡大を続けている。10-11月に売れた携帯電話3台のうち2台はスマーフォンだったという。これは2010年第4四半期に比べて50%のアップとなる。

さらに、10-11月期の携帯ベストセラーのトップ10機種のうち9機種までがスマートフォンだった。Samsung、HTC、Motorlaは各社それぞれ少なくとも1機種をリスト送り込んでいる。AppleはiPhone 4Sが1位、iPhone 4も依然2位にランクインした。

iOSとAndroidが市場を支配しつつあることは歴然としている。以前の市場リーダー、RIMの販売台数は2010年第3四半期の20%から2011年10月-11月期には6%へと大幅にダウンした。

われわれはiOSとAndroidの成長に関して、モバイル市場の分析を専門とするFlurry fromが12月に発表したレポートを紹介している。それによると、2011年のクリスマス商戦でこの両プラットフォームが巨大な飛躍を遂げたという。クリスマスの1日だけで680万台のAndroidとiOSデバイスがアクティベートされた。12月の最初の20日間の平均アクティベーション数が150万台だったから353%のアップということになる。Flurryによれば2010年のクリスマス当時のアクティベーション数は280万だったという。activations, Flurry said.

われわれはアククティベーション数でのAndroidの急成長を報じてきた。GoogleのAndy Rubinは12月に、「毎日70万台以上のAndroid携帯がアクティベートされている」とツイートした。2011年6月の毎日50万台から20万台もアップしたことになる。モバイル市場の穴リアスト、Horace DediuはAsymcoで現在までにアクティベートされたAndroidデバイスのトータルは2億2400万台から2億5300万台の間と推定した。これに対して去年10月にAppleはiOSデバイスの販売合計は2億5000万台(iPod、iPadを含む)だと発表した。

ちなみに、調査会社のChitikaが今日(米国時間1/9)発表したレポートによれば、Androidのシェアは51.6%でトップ、iOS’が46.4%で2位ということだった。ただしこのデータは11月、12月の最後の週のウェブ広告のインプレッション数に基づいている。十分精度の高い調査とはいえないが、一年でもっともトラフィックの多い時期のトレンドを大まかに見るのには役立つだろう。

iPhoneがどれだけ売れたのか、正確に知るにはAppleの次の四半期業績報告を待つしかない。しかしNPDのデータの示唆するところではAndoroidとデッドヒートが繰り広げられているようだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 @namekawa01 Google+

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