ベゼルの全くないスマートフォンが近いうちに登場するらしい

 興味深いアプローチ。この記事は2つのことについて書いている。一つはベゼルのない端末。もう一つは MS-TSP という液晶パネル。

ベゼルなし端末について。

 ベゼルが狭いことによる操作ミスについては iPad mini の例があるので、目新しいものではない。カメラや物理ボタンの配置、落下時のダメージ、強度の確保といった物理的なハードルが大きいのではないだろうか。それとは別に、自分が気になるのは、例によって UI だ。片手で操作する場合に極端に外側のボタンは押しにくい。特に、持っている手の下の方(右手で保つ場合の右下)は端末を持つ力の確保が難しい。両手で持つことが前提の端末なら枠がなくても困らないことは iPad mini が証明したとおりだが、スマートフォンは違う。

 Android でも iPhone でも最下行はよく使う機能のボタンが並ぶ(iPhone の場合はメニューボタンだ)。写真で見るようなアイコンの配置では右下のボタンを押すのは困難なはずだ。ホーム画面の配置程度ならメーカーカスタマイズで使い易いものを作ることも可能だろう。しかし、アプリは違う。アプリメーカーがひとつの端末のためだけにUIを作ることなどない(断言)。とすれば、「ホーム画面の操作は便利だけとアプリを起動した途端使いにくい端末」になってしまう。

 この「ベゼルなし」が生きるのは5インチクラスのスマートフォンではないだろうか。最初から片手で操作できないなら、片手で持ったときに端っこのボタンが押しにくいという弱点を克服(?)できる。そして、現5インチ液晶モデルと同じ外形で液晶サイズを増やすことが可能だ。

 ここまで懐疑的なことを書いてきたが、もしこれを前提にしたUIが開発され、アプリが対応したら魅力的なモバイル環境が実現するかもしれない。上のような戯言を書いたことが恥ずかしい時代が来るかもしれない。というか、来て欲しい。

MS-TSPというパネル

 タッチの反応が他のものと違うらしいが、液晶に求められる基本機能を満足していることが必要だろう。Retina以上の解像度、発色は必要だし、メジャー端末に採用されるためには供給能力と価格競争力が必要だ。

 日本のマスコミでは日本製の技術が世界一だと今でも言いたいようだが、供給能力と価格というそのモノの機能・品質とは別の要素で負けていることを見落としているとしか言いようが無い。シャープの IGZO が仮に世界一の技術だとしても iPhone や Galaxy に採用されるには四半期で2,000万台分のパネルを他社と同等の価格で供給する能力がなければならない。それがないのだろう。

 iPad 3 の時(去年の今頃だが遠い昔のようだ)から IGZO の採用が噂されながら未だに、iGZO を打ち出した端末は自社のスマートフォンしか無い。自社のタブレットやノートPCですら採用されていないのが現実だ。

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画面枠を”ベゼル”と言いますが、このベゼルが全くないスマートフォンが近いうちに披露される見通しです。

ZDNet Koreaによれば、韓国の電子部品企業CrucialTecが、「MS-TSP」と呼ばれる新しい技術のタッチパネルの開発を完了。このMS-TSPを採用すると、ベゼルが全くないスマートフォンを作ることが可能だということです。

ベゼルがなくなるとディスプレイのサイズが大きくてもスリムなボディーが維持できるだけでなく、外観でも他の製品と差別化することができます。一方で、手の一部が画面に触れてしまい意図しない動作を起こしてしまうという懸念もあります。しかし、既存のスマートフォンでも既にこの問題を解消するためのアルゴリズムが組み込まれているため、技術的に克服が十分に可能であるとみられています。

”ベゼルレス”以外にも、MS-TSPは感度が優れており厚い手袋をはめてもタッチが可能であることや、タッチしている指の面積を認識によって画面の拡大や縮小を行うというような、既存のタッチスクリーンでは実装できない入力UIが可能となっています。

CrucialTecはBlack Berry(旧RIM)にオプティカルトラックパッドを90%以上供給して急成長を遂げたベンチャー企業。今回の報道によれば、現在スマートフォンメーカー各社はCrucialTecのMS-TSP技術に高い関心を見せており、導入するかどうかを検討ししているところだということです。

情報元:ZDNet Korea

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