全体の印象厳密にはユーザーインターフェースではないかもしれないが、起動に時間がかかることに戸惑った(もう慣れたが)。完全なコンピューターシステムの起動なので当然だが、これまでのビデオやテレビとは全く異なる。画面が表示されているのに音が出ないと、テレビの音量を触りたくなってくる。 操作体系メニューを実行すると元の画面まで戻ってしまうのは面倒。いろんなシーンで、メニューからメニュー項目を実行した後で、メニューに戻らないケースが多く、肩透かしを食ったような気持ちになることが多い。 クイックメニューボタンがあり、そのモードで使える機能がメニューで表示される(PCのポップアップメニューのようなイメージ)。これはいい。クイックメニューを使うことがRD-X4を快適に使うコツかもしれない。しかし、それにしてはボタンが小さい。 スクロールの意外な動き。リモコン悪評どおり、リモコンは使い難い。ボタンの数が多く小さいために押しづらい。 また、単機能のボタンが多いのは無駄に感じる。使用頻度の多い機能を単機能に割り当てるのは正しいと思うが、HDD/DVDの切り換えのような排他的選択ボタンは別々に置くより、一つのボタンで切り換えたほうが分かりやすい。 また、中心の決定ボタンと4方向ボタンの周りにリング状に配置されたボタン。これが最悪に押し難い。しかも、メニュー画面のページ送りやピクチャーサーチ(早送り、早戻し)などでよく使う。さらに、チャンネルや予約で数字を上下させるときに左下のリング状ボタンを使うが、数値の増減とボタンの上下が逆なので、違和感が大きい。 カーソルの移動は左右のボタン、決定は真ん中の決定ボタンなんだから、数値の上下は決定ボタンの上下のボタンでするのが普通だろう。操作中の指の動線がでたらめだ。数値入力の際に、上下ボタンに他の機能が割り当てられているというのならともかく、その間は上下ボタンは反応しないのだ。上下ボタンで対象行を選択し、決定ボタンで編集モードに入ったら、上下ボタンは数値の上下に割り当てたほうが分かりやすい。 チャンネルボタンが使いにくい位置にある。このように頻繁に使うボタンは中心付近に置くべきだ。メニュー呼び出ししていない状態では決定キーの周りのボタンをチャンネルに割り当てればいい。 マニュアルこのマニュアルで時々、「タイトルを選ぶ」といった基本操作からスタートすることを説明するページで、「108ページの手順1〜2を行う」(P114:RD-X4_manual3.pdf)とだけ書いてある場合がある。全く同じ内容のものをその度に記述するのはスペースの無駄だということは分かる。 しかし、ここで、「108ページの手順1〜2」に対するヒントが全くないので、いちいち「108ページの手順1〜2」を確認しなければならない。何回も見れば分かるが、ここで、「108ページの手順1〜2を行い対象のタイトルを選びます」と書けば、108ページを開く必要など一切ない。 「108ページの手順1〜2を行う」で済ませるのは、何日もこのマニュアル製作に携わっている人間の発想だ。一般ユーザーは、自分のやりたい操作を見つけるためだけに取説を開く。そして、目次や索引であたりをつけてそのページだけ開くのだ。この視点がない。 webサイト最近の家電メーカーのサイトにはpdf版の取扱説明書が置いてあることが多い。紙の取説をなくしてしまったり行方不明になることは良くある。場所は分かっていても取り出すのが面倒な場合も多い。そこで、製品のマニュアルをオンラインで公開してくれるのは大変助かる。メーカーにとっても、マニュアルをなくしたという理由で、マニュアルを読めば分かる程度の問い合わせに対応する必要がなくなることはメリットだろう。印刷物にしたマニュアルならpdf版を作ることにはほとんど追加費用はないから、メーカー・ユーザーともにメリットがある。 手元に紙のマニュアルのある製品でもpdf版はダウンロードしている。検索が簡単だからだ。最近の家電品は機能の割にマニュアルが簡素で、最小限の記述しかない場合が多い。機能の名前付けも分かりにくく探すのに苦労することが多い。そんなときにページを繰るより検索機能を使ったほうが速いことが多い。 RD-X4も製品に同梱されていた取説が全てダウンロードできるようになっている。しかし、ここにも問題が。rd-styleというRDシリーズのサポートサイトに掲載されている取説と、東芝のサイトにある取説とが違うのだ。rd-style版にはRD-X4Eのマニュアルもあるが、東芝のサイトにはない。rd-styleのサイトのほうが詳細なのはコンセプトとして間違いではないが、統一は必要だ。 また、細かい話だが、東芝のサイトからダウンロードしたpdfはセキュリティの設定で、テキストデータをコピーすることもできなくなっている。これができないテキストデータはデータとしての価値が大きく下がる。必要な箇所をピックアップしてメモりたい時にいちいち打たなければならない。 中途半端なものを東芝のサイトに掲載するのではなく、専用のサイトを設けているような製品の場合は、そのサイトへのリンクだけでもいいだろう。 ユーザーインターフェースの基本は統一だ。画面や操作体系だけではなく、消費者に対するメーカーの全てのメッセージが一つにならなければダメだ。東芝のサイトから検索したユーザーが機能拡張版の取説にたどり着けないのでは困る。 |