開封 意外に軽い印象を受けながら、部屋に運び込んだ。段ボールの封を切ると、本体は、卵パックに使われるような再生紙パルプ整形材で固定されていた。同梱品は、モノクロのマニュアルが3部とリーフレットが数枚、クロスケーブル、RCA3-3ケーブル、同軸アンテナケーブル、電源コード、リモコン、電池。なかなか潔いシンプルさだ。故障のときのために、箱は取っておく。特に通販で買った場合にはこれは重要。オークション出品後の発送にも重宝するからね。 ケーブル類の接続RCAコネクタはどれも金メッキをしてこだわりを感じさせる。しかし、電源ケーブルは、輸出を考えてか、直接ケーブルが本体から出ているものではなく、コネクタをつかうタイプだ。しかし、信号ケーブルと比べて、安物くさい細いコネクタにケーブルだ。 この機種は多様な入力・出力を持っており、取扱説明書なしには設定が難しい。同じ形状のコネクタでも、入力・出力の方式や接続相手により使うコネクタが違う。音質・画質にこだわりがあり、衛星放送や有線などの入力機器を使い、高品位なモニタに出力したいような人にはいいのかもしれないが、我が家にはオーバースペックだった。 アンテナは、「壁>RD-X4>video>TV」と多段接続した。録画したい番組がダブったときのためにもビデオを外したくないのでそうした。結果、テレビのチューナを使うとかなりノイズが入るようになった。分波器で分けてそれぞれにつないだほうがいいのかもしれない。ただ、ノイズは乗るが、3倍速で録画したビデオを見慣れているので大きな不満はないから、このまま使うつもり。 イーサーケーブルの接続は、物理的に一番近いハブへストレートケーブルで行った。クロス・ストレート自動認識機能の付いたハブ・ルーターなら、付属のクロスケーブルを使っても構わないだろう。PCのLANポートと直結するときは当然クロスケーブルのみだ。 D1ケーブルを購入し使ってみた。予想通りの結果になった。東芝製フラットブラウン管テレビはプログレッシブ入力に対応していなかった。このため、残念ながらプログレッシブ映像による画質の差は分からない。
なお、再生品質の限界は、ソース、経路、出力のうちの最低品質のものになる。これは、テレビに限らない。オーディオ機器でも一緒だ。どんな高品質な音源であっても、プレーヤー、アンプ、ケーブル類、スピーカーのうちどこかの品質が低ければ、それ以上の音は望めない。テレビ・ビデオも一緒だ。 テレビの場合、機器の性能以前に、電波状況がネックだろう。うちの場合は、アナログ地上波UHFなので、その時点で終わっている可能性がある。ビデオの場合はDVDであればソースとしては問題はないが、この場合はテレビ出力がネックとなりそうだ。どちらも、RD-X4とテレビを結ぶ付属のケーブルより品質が低ければ、ケーブルをD1にしても差は出ないだろう。 冷静に考えてみると、うちの環境ではD1を使うこと自体に意味があるのかどうか疑わしい。ただ一つ言えるのは、「今の環境の中でできることはした」という満足感はあるということ。「D1なら画質が良くなるのかもしれない」と思いながら暮らすよりはマシだろう。 ただ、高画質を売りにしているハイエンド機は多いが、それが自分の手持ちの環境(あるいは、近未来的に構築する環境)のなかで力を発揮出来るかどうかは考えておく必要があるだろう。将来といっても、10年とかいうスパンでは無意味だ。今選ぶテレビやビデオを10年間も使うかどうか分からないから。 時計こういう機器を買ったときは、まず時計を合わせるのが普通だし、そうしようと思った。しかし、直感的に(勘で)設定はできなかった。サンヨーのビデオは、リモコンに時計が内蔵されていて「時計あわせ」ボタンがあったので戸惑うことはなかった。リモコンの時計を合わせた後、本体に転送するだけだ。RD-X4の場合は、初期設定>初回設定>時刻設定とメニューを掘る必要がある。画面、リモコン、取説を見比べながらの作業を強いられた。 時計の修正は、NHK教育テレビの時報を使うことでも行えるが、制約事項が多い。RD-X4にはメールによる予約登録機能があり、このオプションを使う場合には、電源を切っていても一日4回(電源が入っている場合は、指定した時間ごとに)メールのチェックを行う。この時に、タイムサーバーに接続して設定するオプションを設ければよかったと思う。 将来的には、内蔵電池を電波時計にして欲しい。欲を言うなら、リモコンに電波時計を内蔵し、操作時に本体とシンクロすればいいだろう。リモコンにして欲しいというのは、電波の受信状態が悪いときに本体に内蔵していたら対応できなくなるから。壁際の低いところに置かれる本体より部屋の空間に置かれるリモコンのほうが受信条件がいいことが多いし、最悪でも窓際に置いて時計を合わせることも可能だから。 チャンネル設定 首都圏に住んでいる人で地上波しか観ない人は設定は不要だ。他の地方でもVHFを聴取している人は地方を選ぶだけでいいだろう。しかし、筆者が住んでいるのは、兵庫県西宮市だがUHF波を聴取している。 こういうケースがあることについてもう少し説明があったほうがいい。西宮市はリストにないから、いろんなところを試してみようとも思うが、神戸市北区の人などは、神戸市に住んでいるにもかかわらず、地域では姫路を選ばなければならない。UHFの設定をしたことがあればすぐに気づくが、VHFの地域から引っ越してきた人などはかなり戸惑うだろう。取説のリストにVHF視聴域かUHF視聴域かを明記しておけばもうすこし分かりやすくなるだろう。 結局、手動で設定しなければならないわけだが、取説が分かりにくい。ポジション、受信CH、ガイドチャンネルとがあり、言葉の説明が無いことが混乱の元だ。VHFなら、地域を選ぶだけで、すべてが同一になるのだろうが、UHFの場合は受信チャンネルが51とか36とかであり、一般に使うチャンネル数とは違う。 ポジションというのは、RD-X4で使うときのアドレスのようなもので、RD-X4のリモコンや表示で使うだけだ。受信チャンネルとガイドチャンネルの関係さえ正しくしておけば、RD-X4でどんなポジションに入れても動作は困らない。しかし、分かり安さという意味で、ガイドチャンネルとポジションは同一にすべきだろう。「テレビや新聞で6チャンネルというのはRD-X4では3を押さなければならない」では混乱する。 ポジションをユーザーに見せる必要はない。ガイドチャンネルの数字をそのまま使うようにすればいいのだ。ガイドチャンネルなんていわずに、RD-X4で使うチャンネル数として説明すればいい。実際にRD-X4のメモリのどこに入るかなんてユーザーには関係がないのだ。重要なのは、RD-X4で4チャンネルを選んだらその地域のテレビ欄の4チャンネルとして書いてあるチャンネルの番組が映るということだ。実際の受信チャンネルが51だろうが、46だろうが関係はない。 カーナビのように、地域情報とオートスキャンを組み合わせられないのだろうか。もちろん、カーナビのような位置情報の取得は無理なので、地域は郵便番号を入れればいい。7桁のデータベースが容量的に厳しいなら、上位4桁だけを使うようにすれば十分だろう。郵便番号から適用する「受信チャンネル・ガイドチャンネル対応表」を呼び出せればいいのだから。 ネット接続を活用すれば、もっと細かい設定も可能だろう。ネットならフルに7桁郵便番号を使ったチャンネル設定データベースを提供することは容易いはずだ。そして、地上はデジタルによるチャンネル変更のような事態も、サーバー側で対処できる。 ネットワーク設定LAN経由でPCやメールで操作できるのがRD-X4の醍醐味だ。これを使わずしてRD-X4にした意味がない。対応OSにもMacOSXが載っているので安心だ。 実は、買うまであまり知らなかったのだが、RD-X4はhttpサーバー機能を持っていて、ブラウザベースで操作ができる。だから、OSを選ばなかったのだった。バージョンに制限があるのはブラウザのバージョンに依存しているからだろう。 うちでは関係はないが、直接接続する場合は本体のIPアドレスを固定しなければならない。こんなことしたら、モデムでネット接続しているユーザーは操作のたびに、ネットワークの接続先を変えて設定しなければならないだろう。排他的なので、どちらか一方しか使えない。当然、外部への接続が必要なiEPGも使えない。直接接続では、PCは高機能リモコンでしかない。ADSL以上の常時接続環境がのならRDシリーズを使うのはやめたほうがいいだろう。 PCから接続できるように、RD-X4の設定を行う。DHCPでつないで構わないのなら(PCからRD-X4に割り当てられたIPアドレスが分かる環境ならば)、そのままで構わないが、固定IPを使いたい場合には、初期設定>ネットワーク設定を実行しなければならない。 うちの環境では、他のすべてのマシンを固定IPで運用しているので、固定IPにした。 自宅LAN+常時接続環境を構築したユーザーなら難しいことはない。MacからもwinXPからも操作が可能になる。リモコン機能もあり、リモコン固有の機能(リモコンの赤外線出力を利用したテレビコントロール)以外はすべての操作が可能だ。 ちなみに、Macは対象としてOSX1.0.2以降と記載されているが、OS9でも大丈夫だったので、報告しておく。対応ブラウザーもIEかNetscapeと書かれているが、safariやfirefoxでも問題は無かった。当然、winXP上のfirefoxでも問題はない。 webサーバーRD-X4はhttpサーバー機能を持っていて本体側の設定を行える。イメージとしては、ルーターのような感じだ。webフォーム入力に慣れていれば簡単に設定ができる。 文字入力などが伴うときには、これが使えないとやっていられないだろう。 「webサーバー」と書けば、ここの読者なら何か引っかかるものがあるはずだ。そう、「外部からでも使えるんじゃねーの?」。答えは正解(なはず)。うちは自宅サーバーとして80をDuronサーバーに送っているので、ポートを変える必要がある。RD-X4のポートを変え、そのポートへのアクセスをRD-X4に送るようにルーターで設定すれば外部から予約の編集ができるはず。リモコンも使えるはずなので、誰かが家にいるときに心霊現象を起こさせることも可能だ。 DVレコーダーからの入力を録画して、録画した画面のサムネイルでリモートカメラとしても使える・・・はず。残念ながら動画サーバー機能が無いので、動画をパソコンから観ることはできない。 ま、予約くらいしか使い道は思いつかないが、ビデオがネットワークに繋がったことが実感できて楽しい。もちろん、Linuxマシンとしての解析が進んでいるAXならもっと高度なことができるだろうが。 iEPG単体で番組表予約をサポートしていないRD-X4だが、ネットワークを通じて番組表から予約データを取り込むことができる。 東芝のiEPGサイトに入るには、東芝のサイトで機器の登録をし、IDの発行を受けなければならない。 次に、予約をするためのチャンネル設定をしなければならない。ここでまた新しいコード体系が現れる。本体側CHポジション、チャンネル名、チャンネルコード、局コード。このうち、本体側CHポジションは本体のチャンネル設定に使ったときのポジション、チャンネルコードはガイドチャンネルと同一でよさそうだった。チャンネル名は日本語文字列の一般に言う「毎日放送」とか「関西テレビ」に該当する文字列だった。局コードは全然違うもので、他のサイトから該当するコードを探してきてペーストする必要があった。オリジナルの大きさで見る ここで面倒だったのは、ユーザーインターフェースだ。下に本体で設定済のコードが出ているが、そこを直接編集はできずに、上にある一行の編集用フィールドで設定しなければならなかった。これは、本当に使いにくい。一番左の「登録番号」というのは、本体でチャンネルを設定したときの「ポジション」に該当する。こういった、用語の不統一のせいで無駄に見通しが悪くなっていると感じる。 開発がバラバラに行われたのかもしれないが、発売前に、知らない人間にマニュアルと機材だけ渡して設定させてみればいいのにと思う。この機種の設定が面倒という意見をネットでたくさん見たが、その多くはユーザーインターフェースのまずさに起因すると感じる。 本体に登録したチャンネルをリストし、その右に付加する情報を入力するフィールドを置き、一番右に更新ボタンを置くのがいいと思う。あるいは、リストをクリックすると別ウィンドウを開くかすべきだ。 せっかくネットワークへのアクセスが可能なのだから、本体のチャンネルと併せて設定できるはずだろう。 eメール録画予約RD-X4はメールクライアント機能を持っていて、指定したpopサーバーにアクセスし、本文コマンドを解析して予約に反映させることができる。 既存のアドレスでもいいが、混在すると面倒なので、専用のメールアドレスを作った。RD-X4での設定はパソコンから行う。通常のメールアカウントの設定と同様、popサーバー、SMTPサーバー、メールアカウント、メールアドレス、パスワードを入れるだけ。本体のリモコンだけでもできるのかどうかは調べていない。iEGPを使える環境ならPCもあるはずなので(というより、PCがなければ設定すらできない)、問題はないだろう。 入出力先にもっと高度なものを求める場合にはさらに設定が必要かもしれないが、現行地上波しか視聴しないのならこれで設定は完了。 ただ、この機能を使うと電源を切っていても1日3回(6:40,11:40,18:40)マシンが自動的に起動する。メールによる予約なんて滅多なことでは使わないだろうから、無駄かなあと思う。とりあえず、設定と確認だけしてオフにしたが、何日も家を空けるときにオンにするつもり。 |