第一印象 †
ハードウェア †本体 †小さなボタンが密集しているが、角に凸があるので、指が複数のボタンにかかっていても誤入力は少ない。ただ、「1」キーはすぐ上のピックアップキーの高さが高いために親指が当たってしまうことがある。「3」キーは指の角度が変わるので大丈夫。 カーソルを動かすためのスティックは小さくて角ばっているので押し込むときに指に食い込む。シャープのポケコンを思い出した。今は新品なので固いのかもしれないが、メニューを選択するときなどに多用する必要があるのでもう一工夫欲しかった。 片手で持って入力する場合(そうするのがほとんどだと思うが)、持っている側に近い角のキー(右手なら右下、左手なら左下)のキーが押しにくい。これは物理的制約でどうしようもない。 周辺機器 †
このヘッドフォンでハンズフリーで通話ができる。ヘッドフォンのほうが音が聞き取りやすい。
機能 †音楽 †ケータイの音楽プレーヤーを使うとはあまり思っていなかったが、使ってみると意外と使える。キャリア経由のダウロード音源ではなく、PC上の音源を使うことが可能なので、音質もiPodと大差はない。m4aの64kbpsでエンコードすると、曲によってはノイズが乗っていることがあるが、リスニングルームで聴くわけじゃない ハードのところで書いたが、添付のヘッドフォンが使いづらい。 サポートソフトの出来がiTunesとは比べ物にならないくらいプアなので、乗り換えは全く不可能。 通信 †PCや他の端末、PDAなどとも豊富なインターフェースでデータのやり取りができる。サードパーティのソフトなどを購入しなくてもバックアップやアドレスのメンテナンスができるのはうれしい。
PC連携 †付属のCDでwindows用のケータイ管理ユーティリティ(PC Suite)がインストールできる。 mac用の管理ソフトはないが、マスストレージデバイスとしてメモリカードをマウントすることは可能。追記:Leopard版のiScyncが対応するようになったので、近くにおいておくだけでbluetoothでカレンダーとアドレスの同期が行われるようになった。 音楽データを端末に対応したフォーマット(m4aまたはaac)にコンバートしたり、CDからリッピングしたりは可能。iTunesでCDから取り込んだデータは簡単に取り込めるが、mp3でエンコードしたものをコンバートするには相当な時間がかかる(一曲当たり10分以上:winXP PenIII700)。コンバートした曲データはかなり小さくなる。音質的には、屋外で聴くぶんには問題なし。 音楽管理ソフトのUIは4年前のSDencorderレベル。iTunes を見慣れているとブチ切れそうになる。 電話機のバックアップ・レストアが標準だけでできるのはうれしい。デジカメのデータもPC suite でPCに吸い上げることができる(マスストレージとしてマウントして直接PCのファインダーかエクスプローラーでコピーすることも可)。 他機種との送受信 †
ソフトウェア †文字入力 †文字列の変換効率は高い。先読みも、通常変換も標準レベルと言っていいだろう。A5502K はオリジナルの語彙が少ないのと先読みのロジックがおかしいのと一度覚えた変換を覚えないためにいつまでたっても快適にならなかった。基本的な語彙が少なくても変換履歴を覚えていたら、使い込めば快適になってくるはずだが、3年間使っても快適には程遠いままだった。 ただ、変換候補ボックスが文字列の入力位置によって下に出たり上に出たりするのは邪魔。PCの変換候補と違って、先読みの候補は面積が広いので、上に出られるとそこまで入力した文を読み返すことが困難になる。 予測変換をオフにしても快適だ。パソコンでやっているような複数文節の一括変換が心地いい。しかし、残念ながら一度に入力できるのは16文字まで。文章の解析力はパソコン版と同等なのに。 A5502Kでは有志のプログラムのおかげでPCで辞書のメンテナンスができて助かったが、これには当然ない。PC Suite で編集できればいいのにと思う。 顔文字はあまり充実していないし、メンテナンスすることもできない。定型短文の登録・呼び出し機能もない。 コピーはできるがカットができない。 A5502Kにあった複数クリップボードはない。 ブラウザ †705NKで強く押しているフルブラウザはパケットし放題の対象外なので注意が必要。特に、呼び名が統一されていないので分かりにくいことこの上なし。
メール †
PIM †スマートフォンがスマートフォン足りうるために必要なのが充実したPIM機能だと思うが、705NKのそれは中途半端。 CLIEでお世話になっている、「KsDatebook、PsMemo、progect」のコンボのような強力なフリーのソフト群はSymbianには存在しないようだ。N73用に存在したとしても、705NKでは使えないものが多い・・・ 電話帳 †宛先データの種類は豊富で、電話番号やメールアドレスをたくさん持つことができる。 日本製ケータイにも劣るようなシンプル機能。 カレンダー(リマインダ、ToDo、会議、記念日) †palmの標準と同レベルの低機能カレンダー。visor prism や Power Zaurus を使っていた経験から考えて、萎えるような機能しかない。 記念日があるのに、電話帳のデータとはリンクできない。 イベントの種類によってリマインダの設定項目が変わるのは便利。 アラーム †標準のアラームには単発のものしかない。目覚ましとしての使用方法を全く考慮してないようだ。目覚まし時計として使うことは海外では一般的ではないんだろうか。ここ数年、ケータイを目覚ましとして活用してきた人間としては不便極まりない。 毎日翌日の目覚ましを設定しなければならないのでは困るのでアラームについてはコマーシャルソフトの購入を考えている。(2007/4/19) NiceAlarm については、ケータイ2007/705NK/NiceAlam に詳細。 電卓 †必要最小限の電卓は標準で入っている。 NiceCalc を導入してみた。 Search(Free) †文字列検索ソフト。アプリケーションによらずすべてのデータを横断的に検索してくれる。palmのFindのようなイメージで、コンタクトデータやアドレス、メールやメモも検索できるのは便利。PCアプリなら spotlight や google desktop search と同じようなイメージだ。このソフトの気が利いているのは検索範囲をチェックボックスで簡単に選べること。 コンテンツの検索というのはケータイ電話の文化にはない。小さいことだが、大きなアプリ。これは、デフォルトで入っているべきソフトだと思う。 http://www.symbian-freak.com/news/006/10/search_app.htm 操作体系 †この機種はSOFTBANK では 705NK というモデル名だが、NOKIA では 73N で、世界的には NOKIA 73N というのが大多数だ。国外のサイトを参考にするときには 70N として探さなければならない。bluetooth や NOKIA PC Suite に表示されるデバイス名も 73N。世界市場を相手にしている NOKIA としては、小さい日本市場のために、日本の独特のケータイ文化に合うようにローカライズしてられないということだろうか。日本市場の世界におけるマイナーぶりを思い知らされる。 機種名だけでなく、他にもさまざまな文化の違いがあって面白い。これについては、外国製というだけでなく、PCの操作体系を持ち込んだ高機能端末であるという点もあるかもしれない。 まず、アプリケーションの基本画面にはメニューに[終了]というアイテムがある。この[終了]というメニューアイテムは特徴的だ。BREWアプリには終了があったが、メールや電話帳といった基本機能を「終了させる」という概念はなかった。この705NKはマルチタスクでアプリケーションを起動したまま他のアプリを起動することができる。起動しているアプリケーションはメニューボタン長押しで確認できる。この辺の感覚はPCに近い。特に便利に感じるのは、メモ帳で入力したテキストをメール送信しするときだ。 基本的な組み込み機能(メールや電話帳など)を起動するときにもロードするのに待ち時間が必要だ。日本製のケータイは、アプリ系以外の基本的な機能(メールや住所録)間を移動するときは「切り替え」という言葉が当てはまるように一瞬で動作モードが変わる。705NKではどんな機能でも平等に時間がかかる。基本機能もアプリもOS上は同じように実装されているのだろう。このあたりもPCに近い。 惜しいのは、メニューアイテムを選ぶときに数字キーショートカットが全く使えないこと。これが使えると打鍵数が大きく減らせる(A5502Kも対応が中途半端であまり使えるシーンは少なかったが)。メニューの数字キーショートカットをつけることによるデメリットは思いつかない。これはOSのユーザーインターフェースに対する思想の違いだろうが、PCでもよくあるショートカットを使わない手はないと思う。まあ、705NKがこれから変わることはないが、今後のOSのGUIを設計する時にはぜひ付け加えて欲しい。
カスタマイズ †テーマ †テーマはPDAではおなじみだが、705NKでもできる。ケータイでも背景画面を入れ替えることはできたが、テーマは変えられなかった。しかも、数多くのテーマデータが公開されている。セクシー系やダーク系が多いのはユーザ層を示しているのだろうか。日本製のメーカー製端末では絶対に存在し得ないヤバイネズミやクマを使ったものもある(w 残念ながら自転車のはまだ見つからない。 写真を用意してテーマを作ってくれるサイトもあるようだ。705NKでアクセスしなければならないのがちょっと面倒だが、試してみたい。写真を画面のサイズに合わせて前もってきれいにリサイズしておくのがコツだろう。もちろん、背景に合う画像を探す(自分で作る)ことはもっと重要だ。 ダウンロードしたテーマを使ってもアイコンまで変わるものとアイコンは元のままのものがある。アイコンまで作りこんであるものが楽しい。 テーマファイルの使い方についてはSoftbank 705NK wikiが詳しい。端末用にパッケージしたファイルを解凍してメモリカードの所定のディレクトリにコピーしてテーマを実行すればメニューに現れる。複数をコピーしておけば気分によって切り替えられる。 SD-card:\Private\10207114\importの下に解凍してできたフォルダをコピーすれば複数インストール可能 認証を受けたものしか本体にインストールことはできないので、メモリカードを抜くたびに初期テーマに戻される。 アプリケーションの利用 †汎用OSのAPIを公開していることのメリットはアプリケーションを各自でインストールできることだ。しかし、palm のように豊富なアプリケーションは存在していない。 Jfile や progect があれば palmOS から移行することが可能だが、こういった類のソフトは全く見当たらなかった。 http://www.allaboutsymbian.com/software/item/NiceAlarm_Symbian_v9_S60.php ソフトバンクの仕様 †メール †J-phone(voda)時代からややこしかったが、基本的な仕様は全く変わっていないようだ。J-phone 時代に「skymail」と読んでいたものは無くなってSMSになったらしい。
ユーザサポートサービス †ネットで当月利用料金が確認できるが、割引サービス前の数字なので、実際にいくらになるか分からない。パケット数も出ないので試算もできない。Softbankの料金体系が複雑なだけに、この仕様は改善して欲しい。(auも従来はこれと同様だったが、去年くらいに改良されて、割引サービス適用後の金額やパケット通信料が確認できるようになった)。 情報源 †マカーのための情報(ただしOSX限定) 記事 |