機能・特徴

多岐にわたるので、株式会社サイボウズで確認していただきたい。

ただし、管理人の環境で使えるのは上記サイトの説明全てではない。モジュール化されたオプションツールは別料金になっているらしい。

便利だと思う機能(LotusNotes?に無かった機能)

  • ブラウザで扱えるので、ネットとの親和性が高い。
  • ケータイでのアクセス
  • メッセンジャー的な機能(メッセージ)により、リアルタイムのメッセージやり取りや掲示板的な利用も可能。
  • palm、PocketPC、ザウルスとのシンクが可能
  • 予定のバナー(期間)設定が可能
  • 「外出ツール」は面白い。乗り換え案内や地図サービスの検索でしかない。が、組み込まれているということが重要だ。こんなサイトがあることすら知らない、yahooでしか検索をしないような層(ということは、会社の大半の人間)にも使えるということだ。
  • 会社情報を個人のアドレスデータと別に持ち、リンクさせるのはいい。会社で必要なアドレスは、個人は会社の担当窓口でしかないケースが大半だ。自宅の住所や電話番号を知らない場合も多いし、必要もない。少なくとも、会社で共有するアドレスデータベースには不要だ。
  • 電話メモ:メッセンジャーの一種だが、時間の自動入力、項目・内容のメニュー化によって相手と特別なコメント以外入力の必要がないのは便利。
  • イントラネットサーバーにリクエストを出しサイボウズで表示が可能。(使用不可能)
  • 外部からアクセスできるので、「会社の自分のPC」にこだわる必要が全く無くなる。(使用不可能)

ユーザーインターフェース

s-garoon-top.gif
  • 無駄ににぎやかなグラフィックパーツと大きなフォントのせいで、実に見辛い。汚いGUIだと思う。はっきりとセンスが悪いと思う。(オリジナルの大きさ)
  • この画面だけでは分からないが、この画面はブラウザのウィンドウに埋め込まれるのだ。だから、ウィンドウのタイトル、ブラウザのメニュー、ナビゲーションバー、アドレスバー、ブックマークバー、タブの下に出る。その中に、プルダウンメニュー、タブ、ボタンバーが並ぶ。肝心のコンテンツの1/3ほどがこれらのコントロール類で埋まってしまうようなイメージだ。右下のメールのリストなんかXGAでは3行くらいしか表示できない。
  • URLを自分のポータルページに設置できるが操作が面倒。MTのbookmarkletのようなものを用意して欲しい。2004年の有料のツールなんだから。
  • モードの遷移と機能へのジャンプとが区別されず、ごちゃごちゃにレイアウトされていル。グラフィックパーツの割当にも一貫性がない。違うタイプのパーツを使い分けるのはかまわない。しかし、同じ機能がいろんなパーツで提供されたり、違う種類の動作(ページの移動とコマンド的動作)に同じタイプのグラフィックパーツを使うのは混乱の元だ。
    例えば、「Myフォルダ」というボタンが左端にあるボタンバーだが、「Myフォルダ」と「ファイル管理」「掲示板サーバー」は内部の移動で「ビジネス情報」はサイボウズへの外部リンク、「予定を調整する」と「メッセージを送る」はスケジュールの調整画面、メッセージ作成画面への呼び出しだ。
    スケジュールやCyberMail?をタブに入れる必要はない。下の見出し部分をクリックすることでウィンドウを開くようになっている。理想を言うなら、タブブラウザを使い、ブラウザのタブでポータル、スケジュール、CyberMail?を開くようにすれば、一行は節約できる(ここは、サイボウズではどうしようもないが)。
  • 一貫性の無さの例になるが、各々の機能のタイトル(太字表示されている部分、スケジュールとかToDoなど)で、CyberMail?だけはホットテキストになっていない。
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  • 上は、上部のプルダウンメニューを開いたところ。下の、ボタンバーの機能の多くはここからも実行が可能。ただし、ここにかかれている「掲示板に書き込む」の掲示板は「掲示板ツール」で表示されるものとは別物。また、「アドレス帳」と「ユーザー名簿」は全く同じ画面へのリンクになっている(設定ミスの可能性あり)。そして、この「アドレス帳」はサイボウズ内で使用するアドレス帳であり、CyberMail?で使うものとは全く別のデータ。(オリジナルの大きさ)
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  • 文字が大きいのと、同じグラフィックパーツがいっぱい出るために、一覧性が低い。会議室の予約状況一覧なんて、その時間に空いているかどうかだけが分かればいい。
  • 日付や時間入力でカレンダーから選ぶことができない。また、ToDoで締切日を選ぶプルダウンメニューは2000年からスタートしている。2004年にToDoを新規登録するときに、2000年を選ぶことは無いだろう。「締め切りなし」というチェックがあるんだから、日付はデフォルトで当日の日付を入れておけばいいだろう。
  • これらを見ると、ポータルをデスクトップ一面に表示して作業することを前提に考えているように感じる。M$のwordやexcelと同じ思想だ。

機能的

  • メッセンジャー(Yahoo!やMSN、AOLなど。以下同様)でできないことはほとんどない。
  • アドレス
    • はっきり失望した。「アドレスはこれだけ」にならないから名刺の束はなくなりそうもない。FMPで作った住所録は捨てられないし、visorのデータをインポートしてこようという気にもならない。
s-garoon-address.gif
  • ザウルスのように、アドレス帳からもアポイントを登録できれば便利なのに。アドレス帳からでもカレンダーからでもアクセスできたら便利なんだが・・・
  • アドレス管理にFMPを使っている理由の一つとして、一括宛名印刷がある。毎回変わる複数の相手への宛名を封筒や葉書に印刷するためだ。これは、Excelで管理しているデータをWordで差し込み印刷するのとは根本的に違う。これができてこそのデータベースだろう(これは、ブラウザである限り仕方がないのかもしれないが・・・)。
  • スケジュール
  • スケジュールの繰り返し登録で、月末の設定ができない。30日とか31日という日が重要なのではなく、「XX月末」という締め切りの設定が企業では多い。Yahoo!カレンダーでは、末日に予定を入れて、繰り返しの設定で「月」を選べば30,31,28,29を自動的に設定してくれる。ただ、理想は、日付の設定に「月末」という選択枝を選んで欲しい。30に意味があるかもしれないから。
  • バナー予定は登録できるがそれの繰り返しは不可能。毎月1〜10日といったタイプのルーチンワークは設定できないので、毎月入力する必要がある。
  • ToDoには締切日を入れられるがカレンダーには反映されない。ToDoの扱いについては、Plamが圧倒的。MI610よりもいい。
  • palmで便利な「繰越予定」が設定できない。
  • その他
    • 出力されるhtmlが汚い。
  • スケジュールにフォローメッセージが入る意味が理解できない。人のスケジュールに何を突っ込むんだ?
  • 似たような名前の機能がいっぱいあって混乱する。掲示板と、掲示板サーバーというのがあり、説明を受けない限り違いは分からない。掲示板サーバーがオプションらしいが、どういうメリットがあるのか不明。制限の有無と自動告知メッセージが掲示板サーバーにはあるようだが、社内の人間しかログインできない掲示板に書き込み制限をつける必要があるのかどうか不明。告知メールだって、別にリスト作って同報配信すればおしまいだ。むしろ、フリーの掲示板管理ツールをインストールして書き込み用パスワードを関係者にだけ教えるだけで同じことができる。

ブラウザの限界

  • 「電話メモ」という機能には在席情報が確認できるが、ステータスが使い物にならない。一度ログインしたら会議に入ろうが外出しようが「在席」になったままだ。メッセンジャーを使っていて一番便利なのが、登録ユーザーのステータス確認だ。物理的に離れた場所にいる人間がメッセージを受けられるのかどうかが常に確認できることで、同じフロアにいるようにコミュニケーションできるからだ。これを使えないのが痛い。
  • リマインダーがない(見つけられないのか?)
  • LotusNotes?ではメールの着信を確認したら、他のアプリケーションを使っていても、強制的にダイアログが表示された(設定により音とかダイアログを出さないことも可)。つまり、相手が不在の場合を除き、相手の端末にいやでもメールが到着したことを知らせることが出来た。サイボウズでは無理。しかも、IEでは他のサイトを検索したときにはサイボウズのポータルは全く表示されなくなってしまう。ダイアログもないので、メールへのレスポンスが格段に悪くなってしまった。
  • メッセンジャーのような常駐ツールは必要ではないだろうか。

他プログラムとの連携の無理

  • サイボウズのメールは使わずに、CyberMail?というwebメールシステム(MTAも含んでいる)を使っているが、そのために非常に使いにくくなっている。(参照>CyberMail?
  • CyberaMail?アドレス帳はサイボウズのアドレス帳を使わない。「統合」といえば、両方で同じデータを使うということだろう。機能に差があるとしても、あとから付け加えるほうは元のデータを基本にすべきだろう。palmの置き換えアプリのイメージが正しいだろう。
    同様に、こちらのアドレス帳のほうがCyberMail?のものより使えそうだが、残念ながらこのサイボウズ・ガルーン+CyberMail?ではサイボウズ・ガルーンのアドレスから新規メールを使うことができない。他のメーラーを起動することはできるが、当然ながら、複数の宛先を追加するためにはコピーペーストを繰り返すしかない。

設定の問題点と課題

設定上の問題点というのか、運用の問題点あるいは目的意識の問題点(というより不足)について。どうして、こんなに使いにくい効果の無いものになってしまっているのか。どうしたら少しでも良くなるのか考えたい。

  • ブラウザのスタートページをサイボウズにするように指導すべき。情報システムで作りこんだ共通ページを作ってそこからスターとさせてもいい。未だに、ブラウザ起動時の設定を知らないユーザーが大半だ。できれば、スタートアップアプリケーションとして強制的に起動するように設定するようにすべきだと思う。なにしろ、コストは一切かからないのだから。
  • タブブラウザは必須と思われる。何のメリットもなくユーザーが自分でアップデートしようと思ってもできないIEよりFireFox?のようなタブブラウザにするべきだろう。
  • 外部からのアクセスに制限を加えているのは返す返すも残念。自宅からアクセスできると一段変わると思うんだが・・・サイボウズの中の人もがっかりするだろう。
  • 共有のアドレスを充実するように働きかけることが必要だ。誰か一人が、取引先に行くときに入力していけば、職種にもよるが、何ヶ月化すれば新規入力の必要性は無くなる。担当者が変わったときにも、新たに会社情報を入力する必要はない。そうやって育てれば、「あのお客さんに連絡せなあかんらしいねんけど、彼(担当者)しか連絡先知らんねん。ケータイもつながらへんし」という間抜けなことは一切なくなる。また、営業の担当者が取引先に行くときにも、いちいち、交通手段や場所を聞く必要など無くなる。
    今の会社の「仕事を覚える」ということが、こういった些細なことを引き継ぎもなく試行錯誤して覚えることに費やされている。こんなものは、アドレスを共有するだけで終わりの価値のない情報でしかないのに。~多分、そういう情報をたくさん覚えることを仕事と勘違いしている低能管理職ばかりの会社なんだろう。
    ただ、せっかくここまでやるなら、場所や連絡先だけじゃ面白くない。最低でも、相手先にアポイント履歴くらいは残してほしい(1997年に買ったPowerZaurusMI610ですら出来たことだ)。また、営業の訪問履歴とコメントともリンクすべきだろう。そして、誰でもが、その相手先との交渉履歴を確認できるように(出来れば売り上げ履歴も)なれば、初めてコラボレーションツールとして機能したといえるのだろう。
  • サイボウズ・ガルーンのサイトで説明を見たら、メッセンジャーではできないことがいっぱい載っていた。しかし、中身についてはガルーンとは別に用意しているだけだ。ポートレットを作る前に、ブラウザからデータベースアクセスできるようになっていなければならない。
    ユーザー事例を見ると、「サイボウズ・ガルーンを入れたらリアルタイムで売上や在庫情報が分かるようになる」というような誤った印象をうけるが、そうではない。サイボウズ・ガルーンでは基幹システムからのデータを表示しているだけだ。それだけのイントラネットシステムのある会社なら、フロントエンドとしてサイボウズをかませる必要は少ない。確かに、いちいちフロントエンドを作るより一貫したフォーマットで提供するプラットフォームとして、効率よく仕上げるのにはいいかもしれない。
    ただ、それもこれも、ちゃんとしたリアルタイム(業種によっては日報でも週報でもかまわないだろうが)で経営情報を取り出せる基幹システムがあってこそだ。汎用機のデータをcobolで印刷したものを最終出力として考えているシステムでは使い物にならない。
  • だれかがい一回入力したらみんなで、いろんなフォーマットで使いまわす。みんなで追加情報を入れて充実させる。これこそが、グループウェアの基本だろう。その点から、少なくとも、俺の勤めている会社のサイボウズ・ガルーンは失敗。これでは情報の共有とか有効活用とか「知の資源化」ということには全く寄与しないだろう。
  • メールとメッセージの使い分けができるのか?このことについては、開発元も意識しているらしく、マニュアルに「メールとメッセージの違い」という説明があった。
    しかし、分かりにくい。メッセージはメッセンジャーのカンファレンス(Yahoo!の場合)機能のような感じだろうか。社内でのやり取りならメッセンジャーをメインに使うべきと思うが、説明が不十分(というより、情報部門自体も意味を知らない)らしく、メッセージ機能を使ったやり取りは全くできない。メッセージを送ってもメールで返事が返ってくる始末だ。
  • 電話メモには、メール転送ツールが用意されているはずだが、省かれているようだ。電話メモやメッセージの不在転送ツールは大きなアドバンテージと思われるのに、残念だ。
  • 電子メールにサイボウズ・ガルーンのメーラーを使わずにCyberMail?にしたのかが不明。何一つメリットを感じない。無駄な複雑さを増やしただけのように感じる。単体で多少豊富でも、全体との整合性を欠いたようなものを入れるのは失敗だ。

まとめ

  • 予想通り、筆者の勤める会社ではサイボウズ・ガルーンを使いこなすことはもちろん、ポテンシャルを引き出すこともなく、メーラーと掲示板と会議室予約とのためだけに使われている。コラボレーションツールとしても全く貢献しそうにもない。が、ユーザーインターフェースの悪さを除けば、サイボウズ・ガルーンには責任は無い。レベルの低い使い方しかしない情報システム部門と、それを批判できないレベルの低い組織の問題だ。
  • ユーザーインターフェースが練られていないと感じる。機能も暗黙知から形式知への橋渡しをするためのコラボレーションツールとしては不十分だ。というより、サイボウズはそんなことは目標としていないようだ。
  • サイボウズと販売業者はサイボウズ・ガルーンをフロントエンドとしたシステムを拡販することが目的のようだ。サイボウズで使われるポートレットと呼ばれるサーバーサイドのシステム構築サービスを受注するのが目的らしい。これは、LotusNotes?の時と一緒だ。
  • 日本の企業は集団的な知の共有と活用には興味が無いことがわかる。システムを入れてもユーザーのレベルや関心度が低ければ力にはならない。また、blogツールやwikiを使って協働できるようなメンバーがいれば、道具は使い古しのPCとフリーのソフトだけで十分かもしれない。
  • ただ、そんな粒よりのメンバーでなくても同じようなことができるようにするのがコラボレーションツールだ。ところが、使えるようなメンバーがいるところでは活用が進み、より必要とされる組織でこそ使いこなせないために活用されない。このため、どんどん差が開いている。重要なのはツールではなく、使いこなせる組織風土であった。ここにも、ITを活用できない日本的組織の悪弊が・・・残念!!   IT斬り!!


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Last-modified: 2006-08-19 (土) 10:56:02