UFJ経営情報クラブ2005.12.8 No.05−225
 【会議で会社が変わる(3)】
会議運営の7箇条
芝浦工業大学大学院 教授 西村 克己
 会議でやるべきことは、「アイデアを出
す」「アイデアをまとめて基本方針の合意形
成を行う」ことです。
 参加していて充実感がある余議は、参加者
の参画意識や納得感を高めます。お互いが刺
激し合って、頭をフル回転できる余議はいい
会議といえます。
 そのための余議運営の7箇条を次にまとめ
てみました。
1.そもそも会議が必要なのかを確認する
  資料の配付、電子メールなどでの連絡
 で解決できるのであれば、会議をする必
 要はありません。
2.目的や議題を明確化する
  会議は目的と議題を明確化することが
 必要です。目的は、「〜のために〜す
 る」という表現方法をとります。たとえ
 ば、「新商品開発のため甲、画期的な新
 機能を決定する」という目的を設定した
 とします。新商品の新機能を決定するた
 めには議題を、1)新商品の発売時期や開
 発予算の確認、2)新機能のアイデア出し、
 3)新機能アイデアの評価、4)実現可能
 なアイデアの絞り込み、5)新機能の決定
 とすれば進めやすいでしょう。
3.結論・意思決定を明確化する
  結論や意思決定を明確化するためには、
 会議終了時点でのアウトプットリストをあ
 らかじめ作成することをおすすめします。
  司会者は、「会議の手引き」を作成し
 て、目的と議題、会議の進め方、アウト
 プットリストなどを明記しておきます。
 この会議では何を決めなければならない
 のかがわかれば、議論の堂堂巡りを未然
 に防ぐことができます。
 「解決策の方針決定」「担当者やスケジ
 ュールの決定」など、会議の中でメンバ
 ーが納得できる結論や意思決定を導くよ
 う配慮できれば、実行段階で参加者の真
 任感が強くなります。
4.事前に十分な準備をする
  会議では、詳細な検討をする十分な時
 間がありません。そこで、個人でできる
 作業、手分けできる、作業は、なるぺく会
 議の事前作業として、役割分担します。
 たとえば、「企画書のひな形を作成す
 る」「会議で出されたアイデアをもっと
 詳細化する」「事前に情報を集めて集計
 しておく」などは事前作業にすべきです。
5.開始終了時間を守る
  開始時間が守れないのは論外です。時
 間を守る習慣を、企業風土として定着さ
 せましょう。終了時間を守るためには、
 どの議題に何分予定するか、事前に決め
 ておきます。司会者は会言義の手引きを作
 成し、議題ごとの予定時間をメンバーに
 伝えておきましょう。与えられた時間、
 残り時間を考えながら会議を進めます。
6.議事録を作成する
  議事録はあらかじめフォーマットを作
 成しておきます。フォーマットがあれば、
 必要な項目を漏らさず、誰が書いても見
 やすい議事録になります。会議中にパソ
 コンで議事録を作成すると、議事録担当
 者の負荷を軽減することができます。
7.会議を「創造的な活動の場」にする
  議題に沿った内容であれば、自由に意
 見が言える雰囲気作りが大切です。「ア
 イデア出しと評価を分離する」ことは、
 創造的な活動に不可欠です。アイデアを
 出している段階で、批判(一種の評価)
 をしていたのでは、画期的なアイデアは
 生まれません。「批判するならもっとい
 い代替案を出せ」というルールにします。
 アイデアが全部出そろってから、どのア
 イデアが使えるかの評価をします。


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Last-modified: 2006-08-19 (土) 10:56:11