UFJ経営情報クラブ2005.9・20No.05ー1
 結論を出せなければ会議ではない
   〜 「時間はコスト」という意識を持たせる 〜
   UFJ総合研究所 人事組織戦略部(名古屋)
        チーフコンサルタント 佐藤 政人
◆時間はタダではない
 日本企業の事務部門における生産性は、あ
まり高くない。その原因の−つに、時間の使
い方が良くない点が上げられる。リストラが
一巡するまでは、「時間はタダ」という雰囲
気の会社も珍しくなかった。時間のムダ遣い
は、業務の非効率化を招き、コストアップに
つながる。さらに、何となく時間を章やすと
いう習慣がついてしまうと、社員の思考回路
さえ序滞させることになる。
◆章貢義が時間浪費の元凶
 時間のムダ遣いと言えば、まず思い浮かぶ
のが会議である。資料に書いてある数字をダ
ラダラと読み上げるだけの会議、経営トップ
や部門長が一方的にしやベりまくる会議、出
席者が勝手な意見を言い合う会議等、意味の
ない会議のパターンは決まっている。
 管理者ともなると、会言義で一日のスケジュ
ールが埋まってしまい、会議以外に何をして
いるのかよくわからない社員もいる。会議が、
時間浪費の元凶になっているケースも多い。
◆会言義の鉄則
 時間を効率的に使うには、まず会言義から変
えるべきである。会議は数人、時には数十人
の時間を奪ってしまう。会議の方法を少し変
えるだけで、社員の時間に対する意識も変わ
る。そして、何事もシビアに考える風土が醸
成され、ひいては会社業績の向上につながる
と言っても過言ではない。
 会議を効率的に行うための「会議の鉄則」
を整理してみると、以下の5つに集約できる。
(1)定刻通り始める
(2)会議コストを認識する
(3)1時間以内に終了する
(4)全員が必ず1回は意見を言う
(5)結論を出す
◆開始と終了時間を守る
 以前、私が勤めていた(株)デンソーは、
トヨタ系の企業らしく、コストや時間に非常
にシビアでムダがない。会責義については「1
時間以内に終了する」と教えられた。それ以
上時間をかけても、効率的な議論ができない
ということだろう。また、時間当たりの人件費
に、会議に要した延ベ時間をかけた「会議コ
スト」を毎回計算し、議事録に記録していた。
◆必要に応じて根回しをす●る
 議題が多く、1時間ではとても終わらない
会議もあるかもしれない。しかし、会議の出
席者には人件費の高い方も多く、1時間とい
う歯止めをかけておく効果は絶大である。
 会議の事務局としては、事前に出席者へ資
料を配布し、当日は前向きな議論と結論を出
すことに集中してもらうよう努める。時には、
事前の根回しも必要である。
◆結論を出す
 ただの報告会にしないためにも、出席者は
会議の準備をした上で、当日は積極的に意見
を出し合うべきである。先輩・後輩、役職の
上下は関係なく、議論を交わすことによって、
新しいアイデアや発見が生まれる。一部の者
が一方的に話すだけならば、虫メールを流せ
ば十分であろう。
 そして、一番重要なことは、会議で結論を
出すことだ。どうしても結論が出ない場合は、
ペンディング事項について、誰が、いつまで
に、何をやるのかだけでも決めておく。そう
した当たり前のことが習慣となるだけでも、
会社は変わるのである。


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Last-modified: 2006-08-19 (土) 10:56:11