分析的な人が神を信じない理由

信心深い人とそうでない人がいるのはなぜか。文化や教育の影響によるという解釈が多い。確かにそれらは重要だが、新しい研究によると、神を信じているかどうかはその人が直観と分析的思考のどちらに頼っているかの度合いとも関連しているようだ。ハーバード大学のチームは2011年、直観に頼る人ほど神を信じる傾向が強いことを示す論文を発表した。また、人々に直観的思考を促すと信仰が強まることも示された。

宗教的信仰の度合いを測る質問票を明瞭な書体(フォント)と読みにくい書体の2種類で印刷し、被験者にいずれかを示して回答してもらったのだ。読みにくい書体だと読みてはスピードを落とさざるを得ず、文章の意味を注意深く考えなければならないため、分析的思考が促されることが以前の研究によって示されている。ジェルべらは、読みにくい書体で印刷された調査票に記入した被験者のほうが、明瞭な書体の同じ調査票に記入した人に比べて、記入結果が示す信仰心が薄いことを発見した。

私たちの思考的傾向は多くが生まれつき定まっていると考えられるが、これらの研究はそれが宗教的信仰に関与していることを示している。

また、大多数の米国人が神を信じる傾向にあるのはなぜか、その理由の説明につながるかもしれない。システム2の思考には努力が必要なので、私たちの多くはできるだけシステム1の思考プロセスに頼る傾向があるからだ。


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Last-modified: 2013-01-10 (木) 17:37:20