機能特徴

POPでの外部メール自動取り込み
他の無料サービスでもおなじみの機能だが、個人のアカウントのメールを会社のプロキシ経由で読むのは抵抗を感じる。
共有アドレス
利用権の設定がなされていて、個人が共有メールを作成することはできない。メールアドレスのインポート・エクスポートはあるので、エクスポートして渡すしかなさそう。
メールの複数自動転送可能
.forwardと大差ないが3箇所まで任意に設定できるのは便利かもしれない。長期出張などの場合、ケータイや同僚に転送するようにすれば見落としの可能性がなくなるだろう。
会社の窓口としてなら、同報受信メールアドレスを使うべきだが・・・
時間指定送信
唯一独自性のある機能かもしれない。
送信予約できるのはアリバイつくりに便利かも(^^;
冗談はさておいて、イベント開始前に告知を同報送信しなければならないようなときに、予約しておけば安心だ。

http://www.cybersolutions.co.jp/product/cm/index.html

問題点

デザイン・操作性

s-CM-inbox.gif
  • デフォルトの状態で起動するとこのようになる。右のスクロールバーが3本もあり、ウィンドウのスクロールバーと重なっていて使いにくいことはなはだしい。(元の大きさ) #img(): File not found:
  • フォルダを階層化することが可能だが、階層化したときのメリットが不明。例では、News、magazine、Tidbitsフォルダはマグのサブフォルダだが、サブフォルダを隠すことはできない。階層化するということは、階層別の表示ができないと意味が無い。あるいは、上位階層を選ぶと複数の下位階層を一覧できるとか。そういったことは一切無い。
s-CM-box.gif
  • 上は、フォルダ一覧画面。修正ボタン、削除ボタンが本当に分かりにくい。全然意味が分からなかった。リストのサイボウズアイコン類とも全く異なるデザインだし、リストの右にコマンド系のボタンを配置するというのはこの画面だけだ。何の必然性もないし分かりやすくもない。フォルダを編集する頻度は低い。そんなリストに専用のコマンドボタンを並べる必要がどこにあるのか問いたい。
    他の画面では、チェックを入れた項目を削除するボタンが一つ付いている。この方が馴染みがいい。場所もとらない。
    あるいは、ホットテキストで削除と書くとか。このソフトを使うユーザーは仕事でPCを日常的に使っている人間なんだから、日本語表記で十分だろう。効果的なアイコンは直感的で場所の節約にもなるが、訳の分からないデザインや、考えの少ないレイアウトでは却って分かりにくい。まして、ページ間で一貫していないと混乱の元だ。
  • メニューバーの最上位に受信BOXがあるが、他のボックスへはフォルダからアクセスするしかない。フォルダを展開したら、そこにも受信BOXが・・・フォルダやメニューがメタファーとして全く機能していない。 #img(): File not found:

アドレス

 正直、「使えるアドレス帳」はPowerZaurusMI610以外では見たことがない。最近では、OS標準のアドレス帳が各種APIを通して他のソフトと共有できるようになりつつある。が、CyberMail?アドレス帳は完全に孤立している。

  • outlookなどからアドレスデータを取り込むことはできる。共通していない項目について取り込めないのは仕方がない。しかし、部署のように両方で共通しているのに取り込めないのは困った仕様だ。それに、いろんなフォーマットからのインポートをサポートしているが、自分でインポートするフィールドを決められるようにもしておいて欲しかった。そうすれば、FMPで作っているデータを、所属も含めてインポートすることができただろう。
  • ニックネームが必須。ニックネームで呼び合うことが日本の企業で一般的とは思えない。ニックネーム欄があると、ハゲとかデブとか覚えやすい肉体的特徴を入れたくなってしまう。
  • アドレス帳には写真を登録することが可能になっているが、これほど使われない機能は無いんじゃないだろうか。MI610でもA5502K(ケータイ)でも住所録に写真を登録できるが、一度だって使ったことはない。はっきりと邪魔。そんなものを管理する余裕があるなら、項目を設定できるようにして欲しい。
    写真の入力は、なぜかURLで入力しなければならない。すでにhttpサーバー上にあるデータしか扱わないらしい。それなら、アップデータを用意し、サーバーに置けるようにするべきだろう。イントラネット内のユーザーで、httpでアクセスできるサーバーに自由にファイルを置ける人間がどれだけいるんだろうか。
  • アドレス帳の写真エリアにQRコードを入れたら使えそうだ。共有の画像ファイルとすれば、対応端末を持っていれば、ケータイに再入力する必要がなくなる。これは、CyberMail?の仕様によるものではなく、顔写真を使えるアドレスソフトなら共通だ。
  • システムの設定の関係かもしれないが、共有アドレスをユーザーが設定することができない。各人が各人のメールアドレスを管理しなければならないようだ・・・各担当者が自分の名刺ファイルで宛先を管理しているのをそのまま持ち込んだといっていい。
    会社では、相手先もこちらも複数であることが普通だ。連絡は個人ではなく組織の担当者として行うのだから当然だ。担当者いなければ、話が通らないではお互いに困るだろう。だから、会社として知っておかなければならないのは、相手企業の現在の担当者だ。この情報は、こちらの担当が個人的にメンテナンスするのではなく、企業として知っておかなければならないことだ。だから、共有する必要があるのだ。
    今の管理の仕方では、相手先の担当者が替わる度に、こちらの担当部署の人間がいちいち自分のアカウントのアドレス帳をメンテナンスしなければいけない。全然考えいていない仕様だ。
  • 会社データの共有ができない。会社なら、継続的に取引のある相手先は多い。業種によっては新規開拓が中心となるかもしれないが、そんな会社でも購買や流通など継続的取引先は必ずある(個人事業とかは元々このソフトの対象外だろう)。そして、担当者の変更は日常茶飯事だろう。そのときに、個人データの一部として企業データを管理するのではなく、サイボウズ・ガルーンのように管理すべきだろう。
  • CyberMail?アドレス帳を見て、企業での使用をあまり考えていないと感じる。企業では、「株式会社XXのYY部のZZさん」という検索を使うことが大半だ。なぜなら、必要なのは株式会社XXに連絡することで、担当部署のZZさん個人に用事があるわけではないからだ。

サイボウズ・ガルーンとの連携

不満点はサイボウズ・ガルーンというシステムへの組み込みに関してのものが中心だ。

  • サイボウズ・ガルーンとの連携を売りにするなら、サイボウズ・ガルーンのアドレスデータを直接使えるようにすべきだ。palmの置き換えアプリのようなイメージでなければ意味が無い。というより、それができないんなら、「強力なメールソリューション連携による投資対効果の高い企業ポータルの実現」は無理だろう。
  • サイボウズ・ガルーンと重なっているものが多く、戸惑うことが多い。
  • 機能の重複という意味で、同じ名前の項目が一つの画面に複数存在するのは混乱の元だ。逆に、サイボウズ・ガルーンに組み込む際の設定で重複した機能を削ったものについて、ヘルプにだけ残っている機能がある。サイボウズ・ガルーンと組み込むことが前提なら、それもモジュールにするか機能にヘルプを置くようにすべきだろう。
  • サイボウズ・ガルーンと同じように、ブラウザベースのシステムなので、同じような弱点がある。メールの着信を強制的に通知できないということだ。
  • 連携とはいうが、サイボウズのフレームに読み込まれることとIDパスワードを共有(サイボウズ・ガルーン起動時にIDとパスワードを入れれば、CyberMail?起動時に入力しなくてもいい。ただし、サイボウズ・ガルーンと同じパスワードを使っているときだけ)しているということでしかない。だから、スケジュールからアドレスを呼び出したり、アドレスからアポイント(スケジュール)を登録するといったことは一切できない。

まとめ

「●よりシームレスな統合環境へ!メールサーバの管理もブラウザから可能! 「CyberMail?」はオリジナルメールサーバ機能を有している為、メールサーバのメンテナンスは、全てWebブラウザを通じて行う事が可能となります。この為、従来大変な工数であったメールサーバの管理・運用が、「サイボウズ ガルーン」の操作画面から一環したインターフェイスで提供する事が可能となり、直感的な操作での運用・管理が可能となります。」

 なるほど、これはメールサーバーの管理をブラウザでやりたい企業システム部門のためのシステムなんだろう。ユーザーの都合なんか考えてないわけだ・・・ところで、「操作画面から一環した」って、おかしくないか?「一貫性を持ったインターフェース」とか「一貫したインターフェース」とかじゃないのか?



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Last-modified: 2006-08-19 (土) 10:56:02