SUUNTO(スント) T6(ティー シックス) SS010888100

SUUNTO T6 をAmazonで購入して寄付する(ただしかなり割高)
eBayで買えば、新品単体で$250程度が市場価格(2007/8)。ヤフオクにはあまり弾が無いので結構高い。

概観

 中古で購入したが、オークションの説明の通り「barely-used」な状態で、使用感が現れそうなトランスミッターベルトも全然使ったように見えなかった。本体やPODにも全く傷や汚れはなくてラッキーだった。

 なお、購入した相手はカナダ在住でモデルとしては北米モデルだろう。日本モデルを触ったことがないので違いがあるのかないのかは分からない。画面の表示についてもすべて北米モデルであることを前提にお読みください(日本モデルと同じ可能性もあります)。

本体

 本体はプラスチック製だが、艶消し仕上げでCATEYE MSC-HR10(以下HR10)と比較すると高品質感はある。デザインは好みによるものが大きいので良いか悪いかは言わないが、少なくとも、金のかかったデザインだと思う。

 G-SHOCKほどの厚みは無いが、容積はかなり大きい。重量は予想よりはるかに軽くHR10と同等程度。ダイバーウォッチよりかなり軽い。しかし、あくまで高機能スポーツウォッチとしてはという意味であって、ファッション系の腕時計よりは大きくて重い。

 下の写真が実際に腕にはめたところ。時計をはめる場所の周長が15.5cmだとこんなかんじ。ベルトの下から3つ目の穴でピッタリ。腕の細い女性だと浮くかもしれない。

 後、本体の大きさの割に液晶面は小さく表示できる情報は少ない。液晶画面が小さいのは、G-SHOCK等のスポーツ用時計の液晶が小さいのと同様、耐衝撃性の観点から必要なことなのかもしれない。液晶の周囲にある白い枠に刻まれたメモリのような線は飾り。T3やT4のような心拍や運動負荷をメーターのように表示する機能はない。

 ウレタンのバンドは本体と一体化したデザインで、よくフィットする。が、ウレタン素材の弱点として柔軟性が劣るので、着脱時に力が要る。ウレタンは曲げ伸ばしに弱いので、遠からず切れる予感がする。しかも、本体と一体化したデザインが災いして、切れたときにも純正品を買うしかないはずだ。ランニングコストとしては汎用品が使える電池よりこちらのほうがかかるのではないだろうか。

 ボタンは誤操作を防ぐために外形のラインと面一になっている。誤動作の心配は全く無いが、押し込む感じなので少し力が要る。冬用のグローブをつけての操作は難しいだろう。

 USBの電極がむき出しなので汗で腐食しないか不安だ。

 電池は汎用のCR2032が使え、自分で交換できる。心拍計は時間を表示するだけの時計と異なり、電池消耗が激しく、年に2〜3回は電池を交換する必要があるので、この仕様はランニングコストの低減に貢献するだろう。また、自分で交換できることのメリットは金銭的なコストだけでなく時間的な効果も大きい。心拍計などを扱っていない一般の時計店だと電池交換を断られたり、メーカー送りになってしまうこともあるからだ。

付属品

 中古で買ったので、最初に入っていたものが全て入っているかどうかは分からないが、本体、HRトランスミッター(胸バンド)、USBケーブル、CD、マニュアルが入っていた。

機能

時計(TIME)

SUUNTO T6 time-mode

 月日、時刻、最下行は曜日、秒、デュアルタイムのいずれかが表示されるだけ。

トレーニングモード(TRAINING)

SUUNTO T6 training-mode

 トレーニングモードは特に何の変哲もなく心拍と時間(ストップウォッチ)が固定表示され、最下行に平均心拍数・時刻・高度・トータルタイムのいずれかが表示される。

 T3やT4のようなメーター表示や運動負荷が表示されたりはしない。運動中の情報ではHR10のほうが充実していた(走行中にカロリーとか最大心拍数なんて見ることはないが)。カロリーはともかく、Training effect が上がりすぎないように走行中に確認できる点でT3、T4は魅力的だ。また、心拍とTraining effect をグラフ化しモードに関係なく表示できるようにしてある点が素晴らしい。

 なお、HR10でほぼ毎回発生していた、心拍数200bpm現象は一回も発生していない。

LOGBOOK

SUUNTO T6 speed-log-mode

 このモードにはLOGBOOKがあり、全てのデータのログがここにまとめられている。トレーニング中の平均・最高・最低心拍数、指定心拍範囲超過・内・不足時間、登り・下り時間/単位当たり距離、最高・最低標高が確認できる。

 右はFoot PODを装着して犬の散歩に行ったときのログ。

高度・気圧計、温度計(ALTI/BARO)

SUUNTO T6 alti-mode

 本体には気圧センサーが内蔵されていて、これを元に高度を記録する。が、気圧は高度だけでなく天候によっても変化するので、正確な高さを取得することはほぼ不可能。同じところに帰ってくるルートでも上りと下りの距離は異なる(んなアホな)。

 高度が分かっている場所に移動し、alti/baro メニューの REFER を実行することで補正はできる。これをやっておくと、数時間内で数十キロ程度の範囲でかつ極端な気圧の変動がなければ正確な標高を計測することはできる(経験上できたことがないが)。なお、正確な高度は 2万5千分の1地図上の三角点で求められる。以外に身近なところにもあるので探してみるのも楽しい。

 ただ、実際問題として、自宅の前に三角点があるような人でもなければ、毎回三角点に移動して補正するというのは非現実的だ。そこで、家の近くの三角点で補正した後、速やかに自宅に移動し自宅の標高を計測しておくという手がある。そして、毎朝出かける前に家で補正をしておけば少しはましかもしれない(自分ではやっていないが)。

 ただ、トレーニングに必要なのは絶対的な標高ではなく上りか下りだ。何メートルの峠を越えたというより、ルートの獲得標高は何メートルかが重要なのだ。高い山に登らなくても、アップダウンがあれば同じくらいの負荷がかかっていると考えられるからだ(もちろん、最高到達点が高ければ最低でもその高さまでは登っているので指標にはなる)。

 この意味では、T6 の高度記録は十分に使える。標高だけでは分からない獲得標高(トータルで何メートル登ったか)も計算される。これは、Alps Lab でも計算されない情報だ。

SUUNTO T6 baro-mode

 また、実用性はともかくとして、静止していても気候の変動によって刻々と変化する気圧(標高)を見たり。エレベーターやエスカレーターで数字が変わるのを見ているのは計器好きには面白いだろう。

 温度計はほぼおまけ機能だ。腕にはめているときは体温の影響を受けるので正確な計測はできない。温度を計測したいときは腕からはずして10分以上経過しないといけない。バイクに取り付けるときには使えるかもしれないがあまり出番は無いだろう(実際に、一回も使ったことが無い)。

 写真上は高度表示。下は気圧表示。

速度・距離計(SPD/DST)

SUUNTO T6 speed-mode

 別売のPODと呼ばれるセンサーをつけて運動するとそのセンサーの取得するデータによって速度や距離も記録されるようになる。自分が買ったのはFoot POD というジョギング用のセンサーだ。他に、Bike POD 、RoadBIKE POD、GPS POD もある。

 このモードでは、速度、距離が固定で最下行はトータル距離、時刻、速度などのいずれかが表示される。

PC接続 SUUNTO Training Manager

 付属のCDには1.3.3というバージョンが入っていたが、SUUNTOの公式サイトのものは2.2.3だったのでそちらをインストール。日本語版も用意されているのがうれしい。

 北米モデルの本体とを日本語モードで使っても大半の機能は正常に動作するが、ログブックの週表示がおかしくなる(実際には8月30日から9月5日まで)。この現象は英語モードにしても収まらない(英語モードにしてもX軸のラベルは日本語表示される)。システムの日付表示とソフトの互換性の問題かもしれない。なお、この現象が日本語版の本体で発生するのかは不明。日本語版本体を使っている方がおられたら教えていただきたい。

 USBケーブルを接続するとT6のログブックが選択でき、ドラッグ&ドロップでパソコンにダウンロードすることができる。UNIT/GENERALメニューの設定項目もすべてここで設定することができる。

インプレッション

ユーザーインターフェース

 ユーザーインターフェースは分かりやすい。メニュー構造が明確で階層化されている。右の上下で階層内の移動、右中で階層下がる(決定)、左下で階層上がる(キャンセル)だけ分かれば後は直感的に操作できるはずだ。ユニット全体に影響する単位などの設定がtimeモードのメニューに入っていることだけが悔やまれるが、一応時計なのでどこか一つにするならここしかない。最上位階層にセッティングメニューがあればもっと良かっただろう。

画面表示

SUUNTO T6 menu) 液晶の解像度は低い。漢字を表記するわけではないし、消費電力を抑えるためには仕方が無いのかもしれないが、フォントのデザインでカバーすることができなかったのだろうかと思う。画面のレベルは visor deluxe(二昔前のPDA

 面白いのは、液晶のドットが正方形に並んでおらず、樽型になってること。文字が多いメニューはスクロールするような視覚効果がある。CLIE UX50のオリジナルメニュー画面を思い出すが、解像度が低すぎてイマイチ効果はうすい。また、全ての画面がそのようなスクロール表示的な画面遷移をしないので残念なことになっている。

 右の写真は比較的効果的なメニュー。心拍計に示した画面がしょぼい表示例。

ラインナップについて

 T6 で一番重要なのは標準でパソコンとの連携が図れるということだ。これができないのであれば単体の機能が高い T4 を選んだほうが圧倒的にいい。T6 は PC 接続を前提に本体の情報処理機能を絞っているのだろう。T6 の売りであるEPOCがPC上でしか確認できないのは残念な仕様というしかない。

 心拍計本体の情報表示ではT3やT4のほうが高機能だ。心拍とトレーニング効果がデジタルの数字とは別に同時に表示されるのはうらやましい。T6はTシリーズの最上位グレードというより、6シリーズのTモデルという位置付けが正しい(他にX6、S6とが同じデザインで販売されている)。

 T3とT4はT6と同じPODが使えて、高度・気圧以外の情報は同じなので、これらのモデルとPC POD(PC接続用デバイスが別売なので)を併せて買ったほうが走行時には楽しいと思われる。走行中でもEPOCが表示されると思い込んでいた・・・

ロードインプレッション

準備

  1. HRトランスミッターベルト
     意外なくらいずれにくい。トランスミッター部の弾力がHR10より強く、その弾力を使って固定しているのかもしれない。HR10ではずれないようにするために胸に食い込むように強く締めなければならなかったが、SUUNTO では周長を短くしなくてもいいので快適だ。
     HR10では装着時に必ず濡らす必要があったがSUNNTOでは、少なくともこの季節(8月末〜9月上旬)なら何もしなくても構わない。スイッチは無い。
  2. Foot POD
     靴の紐に引っ掛けて固定し、電源ボタンの長押しでオン/オフするだけだ。
  3. 認識
     HR10はトランスミッターベルトを装着して本体をハートレートモードにするだけで受信を開始するが、T6では CONNECT(TRAININGモードで左下ボタン長押またはメニューからCONNECT 実行)を行う必要がある。CONNECT を実行すると、Serching と表示され、センサーが正しく装着し電源が入っていれば数秒でFOUNDされる。これまでに、この時点でセンサーが見つからなかったことは一度も無い。
     新しいセンサーを使うときには前もってペアリングしておく必要があるらしいが、購入品は前オーナーによってペアリング済みで何もする必要は無かった。

走行

 普通のストップウォッチをつけて走っているのと同じだ。スタート・ラップ・ストップのボタンを押すだけだ。タイムを計るような本格的トレーニングをしているわけではないので、特記することはなにもない。

 HR10の場合はログが残らないので走行中に心拍をチェックしていたが、T6だとログが残るので走行中に心拍をチェックする機会は減った。

ライト

 ライトのモードは3つ(normal/off/night)ある。normalだと右下ボタン長押、nightだとどのボタンを押しても6秒間バックライトが点灯する。しかし、バックライトは非常に暗くて視認性は低い。会社の帰りはnightに切り替えたりしていたが、今はnormalを使用している。走行中に心拍を確認する機会が減ったので(上記)スタート・ストップのときにしか使っていない。夜走るのは会社からの帰りだけで、走る距離も短く一定なので、サイコンも心拍もほとんど見ることはないという事情もある。

トレーニングログ

 T6の真骨頂は Training manager を使ったときに発揮される。

 まず、Training Manager でユーザを作成し、基本的な肉体的プロフィールを入力する。

仕様

T6本体

Foot POD

 ランニングなどの速度・距離データを記録できる、精度の高いランナー用ツール。オンロード、トレイルの両方で使えます。速度や距離が計測でき、自動ラップ計測を設定することも可能です。リストップ・コンピューターとワイヤレスで通信。

参考資料

公式サイト

心拍トレーニング

SUUNTO Training Manager トラブルシュート



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