公式サイト:http://www.eboostr.jp/


eBoostr 3

きっかけ

 会社のwindowsノートPCがとんでもなく遅くなって、リース切れまであと2年凌ぐのが辛くなった。購入当初から速くはなかったが、その後セキュリティ対策でいろんなスパイウェアを入れられたことが原因と思われるが仕方がない。

 そんなときに知ったのがこのソフト。外部メモリスロットにマウントしたメモリ上にキャッシュを作成しHDDへのアクセスを代替することで体感速度の向上を目指すもの。基本思想は、現在のPCには必ず組み込まれている(1次、2次キャッシュ)し、マザーボードの専用スロットやCバス(NEC PC98)に増設したメモリを使ったりと古くからある。このソフトが画期的なのは、USB2.0規格やSDHCといった安価で普及率の高い汎用ポートと値段の対価が著しいフラッシュメモリを組み合わせられることだ。

 専用のキャッシュメモリカードやメモリボードは数万円するのが普通だったが、2009年9月の現在では4GBSDHCフラッシュメモリカードが1000円程度で入手可能だ。ソフトも4000円程度で購入が可能なので、合計5,000円でメインメモリに匹敵する大きさのキャッシュを使うことが可能になる。もちろん、内蔵メモリほどのアクセススピードはないが、ノートPCの場合はメモりの増設が仕様的に不可能な場合が多いので、この製品の価値は高い。

 なお、windows VISTAでは同様の機能をOSが備えているが、複数のデバイスを使い分けることはできない。

使用

  • インストーラーでインストールするだけ。ドライブとしてマウントされるメディアなら全て使用が可能(最大4台)。
  • eBoostr コントロールパネルというソフトがインストールされ、キャッシュに使うデバイスや割り当てる容量をそれぞれ設定する。
  • 最初、キャッシュの作成に15分くらいかかる(容量・アクセス速度依存)

機能

  • キャッシュのヒット率は棒グラフで表示される。マウスオーバーでパーセントがポップアップする。長く使っていればどんどん増えて1週間程度使った後では85%になった。が、その時々のヒット率をダイナミックに表示しているとは思えない。
  • アナログスピードメーターのようなスモールアイコンがステータスバーに追加され、キャッシュの読み込み状態を表現する。楽しい。

ベンチマーク

スピード測定※1
device容量割当portHDD直キャッシュ改善率使用率ランダムリード特記事項
iPod shuffle 1G1G992USB6.928.83128%100%2,946
iPod shuffle 2G※21G720USB-----使用不可
miniSD2G987SD6.7714.56215%100%7,038
microSDHC(class6)4G256USB7.0422.76323%100%
microSDHC(class6)4G992USB7.0523.64335%100%11,583
microSDHC(class6)4G2,048USB6.1220.12329%51%10,419優先AP無
microSDHC(class6)4G2,048USB5.9421.54363%71%11,787
microSDHC(class6)4G3,520USB6.3721.22333%36%14,575
システムメモリ1.3G256MB7.31221.173026%100%不明表示されない
miniSD
+
microSDHC(class6)
1G
+
4G
992
+
256
SD
+
USB
6.7116.9252%速度も使用率もデバイス単体が別々に表示
miniSD
+
microSDHC(class6)
1G
+
4G
992
+
987
SD
+
USB
6.7323.01342%
miniSD
+
microSDHC(class6)
1G
+
4G
992
+
2,048
SD
+
USB
5.822.99396%
miniSD
+
microSDHC(class6)
1G
+
4G
992
+
3,520
SD
+
USB
6.6325.62386%
miniSD
+
shuffle1G
1G
+
2G
992
+
987
SD
+
USB
6.8116.16237%

※1:スピード測定はeBoostrのヘルプメニューの"スピード測定"による。
※2:構築があっという間に終了し、終了後も有効にならない。エラーメッセージはない。

テスト環境

本体TOSHIBA S21 12L/2 (2005年12月モデル)
CPUPentiumM 1.20GHz
メモリ1.24GB
HDD57GB(25GB free)
OSWindowsXP proffesional SP2
優先アプリケーションファイルメーカー,Office2003(Excel,Word,Visio),Acrobat6,Firefox3.5,IE7

課題

本来は同じメディアを使って別々の接続方法でテストすべきだが、環境の制限(複数のUSBを同時に挿せなかったり、メモリカードリーダーを持ってなかったり)のために中途半端になってしまった orz...

  • USBハブをつないでハブの先に複数のUSBメモリをつないだ場合USBハブがボトルネックになるかもしれない。
  • PCのUSBポートの物理的制約により、USBメモリを複数使ったテストはできなかった。
  • SDカードスロットを使ったテストが遅いのはメモリカードが遅いのかSDカードスロット(SDHC非対応)の限界なのか不明。

気付いたこと

  • 速度はデバイスのアクセス速度に大きく依存し、割り当てのサイズとは無関係。
  • デバイスのアクセス速度はメモリの速度と接続するポートの速度のどちらか遅いほうに固定される。
  • 遅いデバイスを使っている場合は、2GBのメモリを一つ使うより1GBのメモリを二つのスロットに挿した方がスピードテストの結果は良いが単体でも速いデバイスを使っている場合は余り改善されない。
  • キャッシュの使用率は「優先するアプリケーション」の設定に依存する。テスト環境では業務で使用するアプリケーションを全て指定しても2Gあれば100%にならずに済んだ。
  • 使用率の考え方が示されていないので容量の設定に迷う。
  • 使用率は使用条件によって変わるので、実際に使ってみないと分からない。筆者の環境では2Gあれば十分。
  • キャッシュとしてアロケーションしたエリアはwidowsからは使用済みになる。
  • 容量を変えるためには削除した上で再度キャッシュを構築する必要がある。
  • 削除は一瞬でできるので、メモリカードを他の用途に使いたいときにはエリアを開放すればいい。
  • 使用率は優先アプリケーションの数に比例するらしい。
  • メインメモリが潤沢なら1G程度のキャッシュをメインメモリに置くと効果は大きそう(スピードテストでは対HDD30倍以上)。ただし、メインメモリを圧迫してページングが発生したら元も子もない。メインメモリを4GB搭載したXPマシンなら1GB程度をキャッシュにすると効果が大きいと思われる(XPは4GB全てを使い切れないので)。
  • 複数のデバイスを使ってトータルスループットを上げられるのはメリットだが、その効果は遅いデバイスでこそ顕著。

体感効果

 普段から使っているので速いという感じはしなくなっているが、USBポートを他の用途に使いたくなったときにeboostrなしで起動したときに体感できる差があった。
起動時間(windowsXP pro,pentium M 1.2GHz 1.24GB)

  • eBoostr無し:6分
  • eBoostr有り:4分

初期のOSのロードでは差はつかない(eBoostrが読み込まれる前は当然差はつかない)が、eBoostrが起動してからの起動プロセスは明らかに速くなっている。

eBoostr 4

きっかけ

 3を入れた社給PCのリースが切れた。次に配給されたのは、CORE i5 に128GBのSSDを搭載したいまどきのマシン。なんとメモリは8GBが入っていた。しかし、残念なことに業務アプリの一本が64bit版windws7 に対応しておらず、32bitで使うことになった。32bitで使えるのは3.2GBまでという実に残念な結果となってしまったのだ。

 ここで、半分以上のメモリを使わずに終わらせてしまうのはもったいない。で、eBoostrを試してみた。eBoostr4ならOSが認識しない領域をキャッシュエリアとして活用することが可能であると書いてあったからだ。早速 eBoostr4 をダウンロードしインストールしてみた。未認識領域が選択肢として選ばれてキャッシュすることも可能だった。SSDなので、遅いHDDを使っていた時ほどの効果は感じられないが、メモリを遊ばせておくことがないということでバージョンアップで購入(1990円)した。

効果

条件OFFON倍率
旧PCメモリ9.1284.631.3
旧PCUSB8.025.13.1
旧PCメモリ+USB6.422.73.5
newpc mem166.5738.04.4
newpc USB148.7170.41.1
newpc USB+mem159.7607.43.8

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Last-modified: 2011-05-21 (土) 00:34:04