「[春秋] 駅頭で、町中で、若者たちがそろいもそろって」(2003/11/24, 日本経済新聞 朝刊)

サルの仲間では最大級の大きな群れをつくるニホンザル、彼らには「クー」と鳴き合う「クーコール」というコミュニケーションがある。これは意思の伝達でも、警報などの情報通信でもない。森の中で姿が見えない同士が存在を確認し合い、情緒的につながって安心を得るシステムだ。

とりたてて何のメッセージもないメールを打ち続ける若者の現象を「コミュニケーションのサル化」と呼んでいる。しかし、「クーコール」は昔からあったのではないか。「今日はどちらまで?」「寒くなってきましたね」などというご近所での会話には、何の意味もない。それはご近所の結びつきを確認するためのシグナルであったはずだ。
同じことは会社内でも言える。「よお、調子はどお?」「今度、一杯行こうよ」は何の意味もないが、”社内クーコール”として機能している。

http://idealbreak.typepad.com/nikkei/2003/11/post_20.html


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Last-modified: 2006-08-19 (土) 10:56:02